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今年の十五夜に思うこと

  人混みのビルの狭間の望の月   (拙句)

 9月22日の今夜は、旧暦八月十五日の十五夜、仲秋の名月です。お月見の今宵、空には雲ひとつないらしく、東の斜め空にまだ昇りたてのまん丸月が光り輝いています。ただ厳密に言えばきょうの十五夜の月は満月ではなく、完全な満月は秋分の日の明晩の月ということになるようです。
 
 そんなことはともかく。ほぼ望の月(もちのつき)と言ってもいい十五夜に月従う(付き従う)ように、少し離れた左下の方に、特別の輝度を持つ黄白色の星がぴったり寄り添っています。それとなく夜空を眺めているに、この星は今夜だけではなく、8月頃から宵の時分ずっと東の空に出ているのです。
 全天一の輝度を有する真冬のシリウスとちょうど同じような位置にあります。『まさかいくら何でも今頃シリウスでもあるまいし…』と気になって、ネットで少し調べてみました。その結果(確実ではないものの)、我が太陽系一の巨大惑星の木星であるようです。その名のとおり「惑う星」ですから、木星が見られるのは今夏、今秋特有の現象のようです。

 方々の草むらの陰で、今を盛りとさまざまな虫の音(ね)が聞こえてきます。そのさまは我々仇(あだ)な人間たちの、世を乱す言挙げ(ことあげ)ではなく、さながら今宵の良夜(十五夜)を愛でる言祝ぎ(ことほぎ)の調和の音色(ねいろ)であるようです。

 ところで。明日は「暑さ寒さも彼岸まで」の秋彼岸の中日、秋分の日だというのに。何ときょうの暑かったこと。昼過ぎ街に出ましたら、空は抜けるように青く、中空にはぎらぎらまぶしい太陽が。歩くほどにジトッと汗がにじみ出てくる、真夏そのものの一日でした。

 本日東京は32度台だったそうです。神奈川県県央地区で首都圏周縁部に位置する当地では、体感するところ35℃と言ってもおかしくないほどの暑さでした。
 これで東京は、今夏の“真夏日”が71日となり、04年夏を抜いて観測史上最多記録だそうです。そもそも5月21日に早くもスタートして、10月に入ってからも真夏日の可能性があるかもしれないというのですからいい加減ゲンナリです。

 第一おかしいではないですか。東京の8月の平均気温は29.何℃とかで、これは(正確ではないものの)シンガポール、マレーシア、フィリピン、エジプトといった赤道直下の国々の同月平均より少し高いというのです。
 私らは子供の頃、「日本は四季に恵まれた、過ごしやすい温帯地方に位置しています」と習いましたが、もうそのような定義などクソくらえです。
 うだるような猛暑が続いたかと思えば、次は熱帯地方のスコールを思わせるような凄まじい豪雨が各地を襲う。日本は亜熱帯など通り越して、いきなり熱帯にでもなってしまったような感じです。そういえば東京・明治神宮の森には、近年亜熱帯や熱帯植物の繁茂がちらほら確認されているとのことです。

 異常気象に連動したものなのか、世の中もまあさまざま奇態で厄介なことが起こり続けています。民主党代表選では魔坂(まさか)の菅直人再選、円高株安、尖閣諸島問題、大阪地検のデータ改ざん、(皆様には関係ありませんが)我が母校のある山形県長井市の消防職員3名による集団強姦事件の発覚…。
 日本国内で生きている以上、それらの出来事にいやが応でも直接、間接に影響されるのは致し方ないところです。
 しかし十五夜の月など、ひとたび自然界に目を向ければ、あくせく慌しい人間界の動きとはまったく別のリズムが自然界にはあることに気づかされます。

 世の中がどう移り変わろうと、月はあくまで古来からの月なのです。一切の人事に関わることなく、見事なまでに超然と空の高きで輝いています。

  移るもの自ず(おのず)移りて自ず消ゆ真我(われ)は澄みてただ静かなり

 近代の覚者・五井昌久先生(1916年~1980年)の道歌です。世界的に国内的にそして身近なところで、いかに世の事象は荒れ狂おうと、それはいわば海の表面の波立ちのようなもの。深海は寸毫(すんごう)も動かず静寂そのものであるわけです。
 凡俗にとっては難しいことながら、「世の中は常に良い方向に向かいつつある」、よって現われ出てきた現象に一喜一憂しないこと、これが「真如の智慧」なのかもしれません。

 その理(ことわり)のシンボルのように、今宵“真如の月”が下界にやわらかな光りを放っています。

 (大場光太郎・記)

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