民主党代表選スタート
-今回の代表選は、民主党内の不毛な「7年抗争」を終わりにする絶好の機会だ-
小沢一郎と菅直人が1日午前代表選への届出を済ませ、事実上の一騎打ちで14日の投票日まで2週間の選挙戦に臨むことになりました。
直前に「党を二分する争い」「党分裂の危機」が懸念されたように、小沢一郎vs菅直人の対立構図は、以前からくすぶっていた党内の路線の違いが、今回の代表選をめぐる一連の両陣営の動きの中で、改めて浮き彫りとなったかっこうです。
ここに至る経緯を簡単に振り返ってみましょう。
今回に至る党内対立は、小沢氏が率いていた自由党が民主党と合体した2003年9月当初から始まったことです。当時の“ひよっこ”のような万年野党体質の民主党に、豪腕・小沢氏らが加わることによって、党内から「そのうち、ひさしを貸して母屋が乗っ取られるぞ」という小沢警戒論も渦巻いていました。
しかし近未来政権を担いうる政党に脱皮すべく、当時の鳩山由紀夫代表の決断により、党内の異論を抑えて「民由合併」がなされたのです。
07年前原誠司代表の時に起きた「偽メール事件」によって、民主党は小泉政権下の自民党から手を突っ込まれて解党直前まで追いつめられました。この危機的状況の中、前原の代表辞任を受けて新代表となったのが小沢一郎です。小沢代表はその豪腕ぶりをいかんなく発揮し、見事奇跡の党再生を果たしました。
それが昨年8月30日の衆院選大勝利に結びつき、政権交代という歴史的大偉業の原動力となったのです。これは党内外の誰もが認めざるを得ない、小沢一郎の大功績です。
民由合併から6、7年。豪腕小沢の力に恐れをなしてか、党内から表立った小沢批判は聞こえてきませんでした。しかしそんな状況を大きく変えたのが、年初に火を吹いた東京地検特捜部による小沢土地捜査問題です。検察と二人三脚であるかのように、新聞・テレビ各社も一斉に動きました。大鶴基成ら検察幹部のリークを垂れ流し、連日過剰な「推定有罪」的小沢バッシング報道を繰り広げたのです。
そのような検察、マスコミの動きをもっけの幸いとばかり、最初に小沢口撃の口火を切ったのが老害・渡部恒三です。それに続いたのが、前原、仙谷、枝野、玄葉ら党のオリジナルメンバーでした。この姿はまさに、「虎の威を借る狐」「一犬吠えれば万犬吠ゆ」的醜い姿です。
そこにはかつて野党時代に、小泉政権など自民党に鋭く切り込んでいった「正義の言論」のかけらもないわけです。検察の小沢捜査の不当性、マスコミの小沢報道の異様さ、それらに対する党内検証など完全に置き去りにされ、ただ一点「小沢排除」の「ためにする」口撃にすぎなかったのです。
本来であれば、検察は霞ヶ関官僚群の一角、マスコミは財界の一角、共に改革の対象としなければおかしいのです。それを仙谷、前原、枝野らはあろうことか、それら悪徳旧勢力と内部から呼応して、旧勢力との対決を鮮明に打ち出している小沢一郎攻撃を始めたのです。
そのような民主党のオリジナルメンバーが、卑劣にも旧勢力に内部呼応して鳩山・小沢政権を退陣に追い込み、代わってその総大将に祭り上げたのが菅直人です。ここから菅政権はクーデター的要素をもってスタートした、政権としての正当性への疑問が常に付きまとうわけなのです。
それに政権発足後間もなく行われた参院選、菅総理は「菅政権に対する国民の審判としての選挙だ」と言明して臨みました。結果はどうだったのか。菅総理自ら何度も「お詫び」したとおり、菅氏自身の不用意な消費税発言により惨敗を喫しました。しかしお詫びは口先だけで、菅総理を含む執行部の誰一人その責任を取っていません。
この政権は、とにかく幾重にも不誠実なのです。
それはともかく。今代表選には以上のような民主党内の「7年抗争」が隠されているわけです。まさに党を二分しての小沢vs反小沢の対立構図です。
図らずも今回、国民に見える形で民主党内の対立が尖鋭化しました。いつまでも内部で不完全燃焼的にダラダラくすぶり続けるよりも、表面化してきて良かったと思います。今回はっきりと雌雄を決すべき秋(とき)が来たのです。
国民に日本社会全体にそして全世界に責任を負っている、日本国の責任政党として、もうこれ以上不毛な内部抗争を続けているべきではありません。小沢vs反小沢はただ単に小沢一郎個人の好き嫌いを超えて、マニフェスト、消費税、社会保障、景気対策、財源確保、普天間問題、対米外交など、個別の政策でも大きな違いとなって現われています。
菅直人は今代表選のいわば引きたて役、主役はあくまでも小沢一郎です。今代表選は今後民主党は、「小沢一郎路線」を受け入れるのか、拒否するのか。その選択選挙です。
もし14日の投票日に受け入れて小沢首相が誕生した暁には、もう二度と今年一連のような党内の足の引っ張り合いは止めていただきたい。そのエネルギーを国難的我が国の危機的状況打開のために結集していただきたい。鳩山前首相の提言のように、全国会議員一丸となって、小沢新首相を挙党一致で支えていくべきです。
どうしても小沢体制を受け入れられないという議員は仕方ありません。「真の改革」の邪魔になるだけですから、速やかに党を去っていただきたい。代表選の事実上のスタートに当たって、今からそう念願しておく次第です。
(大場光太郎・記)
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