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村木元局長無罪判決

 -世紀の大冤罪、大汚点。西松建設事件も小沢土地事件も実はそうなのでは?-

 郵便不正事件における厚労省元局長の村木厚子被告(54)に対する判決が、大阪地裁で10日午後言い渡されました。同地裁で一番の大法廷で、横田信之裁判長の「被告は無罪」との主文が読み上げられたのです。その瞬間法廷内には支援者の拍手が響きました。
 グレーのスーツ姿の村木元局長は、表情を変えずに静かに頭を下げました。対して防戦一方だった検察側は、男性検事が茫然と虚空を見つめるのみでした。

 閉廷後の会見では、「言い渡しの瞬間、心臓が一度鼓動を打った」と語り、「無罪を信じてやってきた。支えてくれた知人や家族に感謝している」と語って大きく一息つきながら、「これ以上私の時間を奪わないで」と検察に控訴断念を求めました。
 とうの昔に「無罪が確定している」という、前代未聞の検察の大チョンボ、検察史上に残るであろう大冤罪事件でした。

 村木元局長をめぐる「郵便不正事件」について、検察が思い描いた“作文”はざっと以下のとおりです。
 -自称・身障者団体代表の倉沢邦夫被告(74)=一審で一部無罪、検察控訴=が04年、身障者向けの割引郵便制度を利用するため、偽の団体証明書発行の“口利き”を民主党の石井一参院議員に依頼。厚労省の元障害保険福祉部長が当時課長だった村木被告に指示し、元係長の上村勉被告(41)=公判中=に偽の証明書を作らせた-

 例によって大マスコミは当初、大阪地検特捜部のリークを垂れ流し、村木被告らを非難し、石井議員の斡旋収賄罪の可能性に言及するメディアさえありました。
 ところが公判が始まるとともに、検察のデタラメが次々に発覚したのです。
 元部長ら検察側の証人が村木被告の関与を否定したのです。「ウソの証拠を示されて供述を強要された」と言い出した元部長は「事件自体が壮大な虚構」とまで言い切りました。
 石井議員のアリバイもすぐに証明され、事件のキーマンとされた上村被告も「(調書は)検察官のデッチ上げ」と証言し、大阪地検特捜部の恐ろしい正体が明かされたのです。

 特に問題視されたのが、取調室での検事の尋問のやり方です。「検事が予め作った供述調書を持ってきた」「(検事から)執行猶予が付けば、大した罪ではないと言われた」「机をたたかれて大きな声を挙げられた」…。
 証人が口にしたのは「密室」をいいことに、ウソを強要し、平気で恫喝する検事の姿です。戦前の「特高警察」そのもののような検察の横暴、暴走が白日の下にさらされたのです。

 横田裁判長は公判の過程で、「検察官が誘導して調書を作成した疑いがある」と捜査手法を批判しました。そして上村、倉沢両被告の証拠採用を却下したのです。裁判所が特捜部の調書を認めないというのは前代未聞の出来事です。
 本来なら“唯一”の証拠だった調書を失ったわけですから、検察は「論告求刑」出来ず「求刑放棄」すべき事件だったはずなのです。ところが特捜部は悪あがきし、「村木被告の指示がなければ実行不可能」と推測、憶測を重ね、無理やり懲役1年6月を求刑し、今回の無罪判決で満天下に赤っ恥をさらすに至ったのです。

 戦前からの前近代性を色濃く残し、強大な捜査権限を有しているのが検察組織です。こんな検察をこれ以上暴走させてはいけません。さらなる冤罪事件を作らせないためには、取調べの全過程での可視化法案の成立など検察改革が不可欠です。
 これ一つ取っても、自民党政権以上に官僚べったりの菅政権では、逆立ちしても出来っこないのです。

 思えば今回の村木事件も小沢事件も構図は同じです。昨年3月の西松建設事件から世田谷土地購入事件に至る一連の捜査も、冤罪である可能性が極めて高いのです。
 一連の小沢事件については、植草一秀元早大教授がブログ『知られざる真実』で最近、5回シリーズで小沢捜査の不当性、無罪性を徹底的に明らかにしています。
   小沢一郎氏の「政治とカネ」問題研究第1回
   小沢一郎氏の「政治とカネ」問題研究第2回
   小沢一郎氏の「政治とカネ」問題研究第3回
   小沢一郎氏の「政治とカネ」問題研究第4回
   小沢一郎氏の「政治とカネ」問題研究第5回

 大マスコミが小沢一郎氏について二言目には言う「政治とカネ」は、根も葉もない流言蜚語、デマの類いなのです。ことマスコミについて言えば、かつて自分たちが食らった官房機密費という“毒まんじゅう”の実態を明らかにすることこそが先決のはずです。
 なのに都合の悪いことは頬かむりで、村木報道といい小沢報道といい、今や腐臭を放っている「マスゴミ」は、一体どうやってその落とし前をつけるつもりなのでしょうか?
 またマスゴミの「政治とカネ」に乗っかって批判している、菅直人ら反党一派らも暴走検察や腐臭マスゴミと同じ穴のムジナであることがはっきり見て取れるのです。

 (注記)本記事は、9月11日付「日刊ゲンダイ」5面などを参考、引用してまとめました。

 (大場光太郎・記) 

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