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押尾裁判員裁判始まる

 - 3日の初公判では残念ながら、あっと驚くような新展開はなかったようである -

 押尾学被告(32)の保護責任者遺棄致死罪などを裁く裁判員裁判が、3日午後1時半から東京地裁でスタートしました。同公判の傍聴席は65席、それを得るために1554人が同地裁前に並んだそうです。

 この事件は、同時並行的に発生したのりピーこと酒井法子事件のように分かりやすい事件ではありません。これまで何度も述べてきましたように、その全貌が明らかになれば「現ニッポン版パンドラの匣(はこ)」を開けるにも等しい深刻な事態となることが予想されます。政界、財界、官界、芸能界、スポーツ界、裏社会…。そのため警察、検察、マスコミそれぞれが、事件発生当時から及び腰、逃げ腰でした。
 例えば当初所轄署である警視庁麻布署は、「事件性なし」として早々に闇に葬ろうとしたのです。
 
 しかし曲がりなりにも今回こうして、押尾学に対する保護責任者遺棄致死罪を問う法廷が開かれるまでになりました。これは死亡した田中香織さん(当時30)のご遺族、田中さんが生前勤めていた銀座クラブ「ジュリア」関係者などのご尽力の賜物です。と同時に、ネットからの「真実を求める」発信力も大きかったのではないかと思われます。
 この事件において大マスコミは、例えば問題の六本木ヒルズレジデンスの数部屋の借主・野口美佳の名前を徹底的に秘匿して報道しないように、真実究明にはまったく役に立っていません。

 マスコミ報道による事件当日のことを概略たどってみましょう。
 昨年8月2日夕方6時過ぎ、ヒルズレジデンスB棟2307号室で田中香織さんの容態が急変し、ほどなく死亡しました。その時一緒に部屋にいたと思われる押尾学は、一時行方をくらましましたが、翌3日夕方麻布署に出頭し逮捕されました。
 その後の警視庁の捜査の結果、押尾は同室で田中さんにMDMAを飲ませ、2錠目を飲んで容態急変、後の死亡につながったらしいことが明らかになりました。田中さんの容態急変後押尾は心臓マッサージなどを施すも、救急車を呼ぶことはせず、呼んだのは当時所属していたエイベックスのマネージャーの遠藤亮平、クスリの売人の泉田勇介ら何人かの知人でした。

 そのうち田中さんは絶命し、事件が公になることを恐れた遠藤マネージャーは、証拠隠滅のため田中さんのケータイをヒルズレジデンス玄関前の植込みの中に遺棄します。後で駆けつけた知人から、「救急車を呼べよ」と促され119番通報したのは異変発生後3時間も経過してからでした。
 そして救急隊員が現場に到着した時は田中さんは既に死亡、しかも全裸で放置してあるような状態でした。その時には押尾学の姿はなく、ヒルズマンションの外に逃亡していたのでした。

 今公判の争点は、容態急変後の田中さんを救えたのかどうか?という一点です。検察側は「可能だった」と主張し、逆に弁護側は「時間的に無理だった」と主張しています。また弁護側は、「押尾被告は田中さんに心臓マッサージ、人工呼吸を行っていた。田中さんの救命可能性が低かったうえ、遺棄致死罪は成立しない」としているのです。
 それを受けて、3日法廷に立った押尾学は、MDMAの田中さんへの譲渡と遺棄致死罪について「私は無罪です」と主張しました。もし譲り渡したことを認めてしまえば、そこから押尾の「保護責任者」が追及されることになります。かつてのクスリ仲間だった泉田勇介が、事件の何日か前押尾にMDMAを渡したことを捜査当局に供述していても、認めるわけにはいかないのです。

 検察側は3日の冒頭陳述で、当日のようすをリアルに再現したようです。お堅い検察の口から「セックス」という言葉が法廷内に乱れ飛んだというのです。
 ー 昨年8月2日午後2時34分、田中さんはヒルズレジデンス2307号に到着。すると押尾は早速MDMAを田中さんに渡し一緒に服用してDVD鑑賞を始めた。3時56分頃DVD鑑賞をやめ、1時間かけてセックスをした。その後押尾被告、田中さんの順にシャワーを浴びた。5時10分当時の妻(矢田亜希子)よりメールが届き、5時12分に返信。その後セックスを再開、約30分くらいセックスした。

 “ドラッグセックス”なるものがどのようなものなのか、素人には分かりかねますが、それにしても“歩く種馬”押尾学の絶倫ぶりには驚かされます。同時に妻の矢田メールを受信しても、良心の呵責を感じなかったのでしょうか?
 ともかく、この後少しして田中さんが2錠目を飲んだところ、6時過ぎ容態が急変するわけです。

 同公判では死亡後に撮られた田中さんの姿が、傍聴人には見せない形で、裁判員ら関係者に小型モニターで公開されたようです。それは全裸の上からバスタオルをかけ、口からピンクの泡を吹いている生々しい姿だったといいます。押尾被告は見るなり顔を背けたそうです。

 17日までの8回の公判では、押尾被告の保護責任者遺棄致死罪を問うものです。今回の公判で幕引きとしたいのが警察、検察側です。それには2307号室という密室にいたのは、あくまで押尾学と田中香織さんだけに限定しなければ、同罪は成立しないわけです。よって結審までそれで押し通すことでしょう。検察側の求刑は20年の実刑もありそうです。最終的に7年から10年くらいの実刑判決になるのではないかと見られています。
 対して一貫して「オレは無罪だ」と言い続けている押尾側が、実刑を回避するには、裁判員らが信用するに足りうる新事実を提示しなければならないわけです。

 果たしてそのようなものがあるのか、ないのか。この事件の抱える“巨大な闇”からしてあってしかるべきだと思います。要は、「真実は一つで曲げられない」という押尾自身が、「真実」を話すかどうかにかかっているものと思われます。

 (大場光太郎・記)

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コメント

もう見ました ありがとう

投稿: 酒井法子 画像 | 2010年9月21日 (火) 16時01分

どういたしまして。

投稿: 時遊人 | 2010年9月21日 (火) 18時37分

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