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NО ! と言えない日本

 -中国漁船衝突事件などの「弱腰外交」の根っこにあるのが「対米隷属」-

 尖閣諸島海域内の中国漁船衝突により逮捕、拘置していた漁船のセン船長を、「このままではAPEC開催が危ぶまれるから」など仙谷由人官房長官の“高度な”政治判断を受けて、那覇地検は突然釈放決定をしました。「弱腰外交」「検察への政治圧力」などの非難を浴びたものの、衝突事件以降悪化の一途をたどっていた日中両国関係は、徐々に改善の兆しを見せ始めています。
 ただ中国国内における、若者らを中心とした反日感情は収まっていないらしく、数日前から成都や武漢といった中国内陸部の諸都市で、連日のように大規模な反日デモが続きました。

 同デモは、学生らを中心とする中国政府への日頃の不満が「反日」という名を借りて行われているガス抜きだ、との見方もあるようです。ただそのために当該諸都市に進出している日系店に対して、一部暴徒化したデモ隊による破壊活動が見られたことも事実です。
 中国側のこのような過剰反応に対して、つい何日か前某民放テレビの報道番組で、街の人にインタビューをしていました。その中で30代くらいの男性の、「日本は中国に対してモノが言えない属国だから…」という声がありました。
 私はそれを聞いて『えっ、日本が中国の属国?それを言う前にほかの国の“属国状態”をもっと問題にすべきなんじゃないの?』と思ったのです。

 “ほかの国”とはほかでもない「アメリカ」です。戦後間もなくの1951年(昭和26年)のサンフランシスコ講和条約により、我が国は独立国としての地位を獲得したはずでした。そこからいかなる大国とも対等な立場での外交交渉を貫く、真の独立国としての確かな歩みが始まったと思いきや。
 同条約と同時に密かに旧日米安保協定が結ばれ、当時の米ソ冷戦下で我が国はアメリカの軍事力の庇護の下、一旦有事がある場合我が国は米国の“極東の橋頭堡”としての役割を担わされたのでした。

 以来全国各地何十ヶ所もの米軍基地が、我が物顔にでんと居座ることになったのです。その後1960年(昭和35年)の安保闘争を経て、新日米安保条約は一段と強固なものとなり、その後の我が国の「対米隷属」が決定づけられたのです。そして今年は、同安保改定50年の節目に至っているわけです。
 確かに米ソ両大国を頂点とする東西冷戦時代は、日米安保もそれなりの意義があったのかもしれません。何より我が国はアメリカの軍事力、核の傘のおかげで、専守防衛ならぬ「専守高度経済成長」に邁進し、世界に冠たる経済大国になることができたのですから。

 しかしその間我が国がアメリカ様に払い続けた“各種上納金”はまさに天文学的数字に上ることでしょう。一例だけでも“思いやり予算”などの米軍基地関係費は世界中の米軍基地国でも類を見ないほど突出した予算を年々計上されられています。これなどは真っ先に「事業仕分け」の対象とすべきものです。
 これは上納金とは別の話ですが、ついこの前のニュースでもあったとおり、何年か前沖縄で起きた米軍兵士の運転する車に衝突され地元高校生が死亡した事件では、先方に全面的に非がありながら“地位協定”にしっかりガードされ、米軍兵士はいまだ何のお咎めもなしだそうです。

 以前小泉政権下でのイラク戦争時、岡崎某なる外務省ОBがテレ朝の『サンデープロジェクト』(当時)に出演し、「アングロサクソン民族は近代以降世界的な戦争でただの一度も負けたことがない。日本は孫末代までアメリカに付き従っていくのが、正しい外交のあり方だ」というような、思わず絶句するようなことを平然と言っていました。
 ご存知米合衆国は多くがアングロサクソン移民の末裔です。だから日本は、無敵のアメリカ様に永久的に追随していくのが理想的な外交だと言う奇態な論法です。岡崎某なる者がその時漏らした「対米観」が、我が国外務省が戦後間もなくから貫いてきた伝統的考え方なのでしょう。

 「対米従属」は外交面のみならず、我が国の防衛面など各分野のすみずみまでを規定しています。普天間基地移設問題では、「出来れば国外、最低でも県外」を目指す鳩山前首相に対して、昨年の政権発足後早々と米国と外務省などのお役人に取り込まれた、岡田克也外相(当時)と北澤俊美防衛相はいち早く「着地点は辺野古案しかありませんよ」と主張していたと言います。
 我が国が最早“オンボロ国”である米国の国債を買い支えていることも大問題です。その額200~300兆円とも言われますが、これは当然二度と取り戻せないのです。また郵政民営化による郵貯マネーの米国への流出などなど。

 アメリカ様に対してまったく「NО ! と言えない日本」が、他の大国に対しても「NО !」と言えるはずがありません。もし仮に強気に出たとしても、とうの昔に我が国の基本スタンスである「弱腰外交」を見抜かれているわけですから。今回海上保安庁に「中国人船長を逮捕しろ」という自民党もびっくりの命令を出した、前原誠司国交相(当時)のように超強気に出ても、その後の事態を決定的にこじらせ、つまりは“お子ちゃま大臣・前原”の後見人である“オレ様”仙谷が、事態収拾のため譲歩に次ぐ譲歩をせざるを得なくなるのです。

 かつて尖閣諸島問題で自民党は、「強制送還」処置で大問題化を回避したことがありました。今回日中大騒動の発端となった前原は、何の責任も追及されず菅改造内閣の外相にしれっとして横滑りです。それのみか、次期か次々期かの有力総理候補だそうです。
 つくづく「対米隷属派」は得だねぇ。

 (大場光太郎・記)

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