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チリ落盤事故、救出続く !!

 -今取り上げる話題としては、この救出のニュースが一番だろう !-

 チリ北部のサンホセ鉱山の地中700mもの地下に閉じ込められていた、33人の鉱山関係の人たちが全員、70日目にしてようやく救出されようとしています。8月5日の落盤事故そして18日目にして、ボウリング掘削機の先端に見つかった「地中にいるのは33名。全員元気でがんばっている」の手紙の切れ端。
 それ以降のチリ政府をはじめとしたチームの救助作業のことは、逐一映像として私たちのもとに届けられました。その結果このニュースはチリ国内にとどまらず、もはや全世界の人たちが一日も早い救出を待ち望む、世界的な大関心事となっていました。
 
 日本時間14日午前0時現在、既に15人ほとが無事救出され、元気な姿で地上に生還することができました。その間12時間ほどが経過したといいますから、救出に一人当たり50分くらいの時間を要したことになります。
 一人一人が救出カプセル「フェニックス」を出るなり、地上で今か今かと待っていた家族と真先に抱き合う姿には、見ていてジーンとさせられました。
 現場にはチリのピニェラ大統領もいて、その話では「救出作業に慣れてきたので、今後はもっと時間を短縮でき、後8時間くらいで全員救出できるだろう」と話しています。

 13日深夜の某民放報道番組では、「奇跡の救出劇」と評していました。まさにその感を深くします。とにかく地中700mに長期間閉じ込められるなどは、地上生活者たる私たちの想像を超えた世界です。それもまったく予期せぬ落盤事故によって、地上への出口を完全に塞がれてしまったのですから。
 特に、ラッキーにも生存を知らせる手紙片が地上の救助隊に発見されるまでの17日間は、本当に大変だったろうと思います。食料はたちまち底をつくし、中はけっこう暑いし…。『オレたちは見捨てられた。もうダメだ』という深い絶望が、広さ30畳ほど(一人当たり1畳弱)の狭い地下シェルターに蔓延していてもおかしくなかったはずです。

 しかし地上との音信不通の最初の17日間も、それ以降の53日という長い日数もものともせず、三十三勇士は頑張って耐え抜いたのです。これは「いざとなれば人間はここまで強くなれる !」という、格好の見本を全世界の人に示したものではないでしょうか?
 私は「いよいよ救出が始まる」というニュースに接して、『ここまで頑張ってこれたのには、中にずば抜けたリーダーがいたからなのでは?』と思いました。想像を絶する極限状態では、各人が『自分だけが助かればそれでいいや』式のバラバラな考え方では、時ならずして仲間割れ、喧嘩、発狂者、自殺者、病死者などが続出してもおかしくはないからです。
 
 予想通り「優れたリーダー」がいたようです。現場監督のルイス・ウルスアさん(54)です。他の人たちはウルスアさんの強いリーダーシップの下、事故当初から食事の量や時間割、各人の役割分担などの規律をしっかり守った、チームワークの取れた行動をしていたようです。
 ウルスアさんは今回の救出に当たっても、「自分は“リーダー”だから、一番最後に出たい」「難破船から最後に脱出する船長のようなものだ」と、地上の救助チームに伝えたそうです。大変な危急存亡の時に、このような優れたリーダーがいたことは不幸中の幸いというべきです。

 最後に。世界中に勇気と希望と感動を与えてくれた、ルイス・ウルスアさんはじめ33人全員そして救助隊員たちに来年度の“ノーベル平和賞”を。いや来年などといわず、既に今年度の受賞が決まっている中国の反政府活動家・劉暁波氏と同賞を分け合うよう、ノーベル財団は検討してみてはどうでしょうか?

 (大場光太郎・記)

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