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海老蔵、疑問の残る会見

 -相手方全員が行方不明の今、早い会見は「先手必勝」を狙ったのではないか?-

 まず『時事ドットコム』(12/07/23:04)の「相手に暴力・挑発否定-頭下げ反省、謝罪・海老蔵さん会見」記事を以下に転載します。
                       
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 歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(33)が暴行され、重傷を負った事件で、海老蔵さんは7日、東京都内のホテルで記者会見し、「皆さまにご迷惑とご心配を掛け、誠に申し訳ありません。深く反省しております。日頃の自分のおごりが招いたことだと思います」と述べ、深々と頭を下げた。
 海老蔵さんは「酩酊(めいてい)状態だったので、記憶はあいまいだ」とした上で、逮捕状が出た男や元暴走族リーダーとは「どなたも面識はない」と言及した。
 一緒に酒を飲んだ元リーダーとは、知人が経営する港区西麻布の雑居ビル11階の店で会ったといい、「怖かったが、失礼のないようにと思い、席を立てなかった」と明かし、「相手は初めから酔っ払った状態だった」と証言した。暴行を受ける前は「相手が酔っている様子で倒れてしまったので、起こすように介抱した」と語り、「介抱に見えなかったかもしれないが、暴行を受けるような行動をした覚えはない」と主張した。その上で「灰皿に酒を入れるようなことはしていない」と述べ、一部報道を否定。相手への暴力や挑発行為はしていないという。暴行を受けた際は「非常に長い時間に感じ、頭を守ることで精いっぱいだった時もあった」と振り返り、「暴行を受ける時、逃げる最中は死ぬかと思った」「必死で階段を下りた」と語った。
 海老蔵さんは「本当に命に関わる問題で、混乱していた。追い掛けられた記憶はあるが、どのように逃げたかは覚えていない」と述べ、「(帰宅時は)家の鍵も携帯電話もなかった。はだしだった」と明かした。
 タレントの同席を問われ、「いたと思うが、名前は申し上げられない」と回答。「完全な被害者か」との質問には「そうだと思う」と主張した。(2010/12/07-23:24)  (以上転載終わり)

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 7日深夜の報道番組で、市川海老蔵が同日午後極秘退院し、午後8時頃から記者会見を開いている映像が流れびっくりしました。
 会見場で、迫本淳一松竹社長や弁護士らと共に席に着き、一問一答している海老蔵の顔は、手術の跡がまったくなく、以前の端正な顔立ちそのものでした。ただ今に残る左目の真っ赤な充血が痛々しく、それだけで確かに凄まじい暴行を加えられたことをうかがわせるのには十分でした。

 フジテレビ報道番組『LIVE2010ニュース』の中で、会見のようすを聞かれた「街の声」の一人が、「まったくの演技よね、演技。さすが役者さんよね」というようなことを言っていました。鋭い指摘だと思います。実はその前、少し長く会見のもようを伝えた日本テレビの『NEWS ZERO』を観ていて、私もまったく同じ感想を持ったのです。
 会見はつごう1時間半にも及んだのだそうですが、一語一語言葉を慎重に選びながら話しているな、という印象でした。

 以前はさほど関心がなかった私が、「役者・海老蔵」を見直すキッカケとなったドラマがあります。今年3月日本テレビが「生誕100周年記念。松本清張ドラマスペシャル」と銘うって放送した、松本清張原作の『霧の旗』です。
 このドラマで海老蔵は、大塚欣也という都内の敏腕で売れっ子弁護士の役を演じました。この大塚弁護士役の鬼気迫る海老蔵の演技に、『この者は凄い役者だなぁ』と唸らされたのです。(大塚弁護士に壮絶な復讐をする、柳田桐子役の相武沙季の迫真の演技にも唸らされました。)
 このドラマで『海老蔵は何と端正な男だ』と、思わず男が男に惚れてしまいました(笑)。それに海老蔵が、三島由紀夫そっくりに見えたシーンがあって、一瞬ドキッとしました。

 私は会見のもようを眺めながら、『霧の旗』での海老蔵の演技がふと思い出されたのです。おそらくこの会見は、同席した弁護士や松竹社長らと「都合の悪いことは一切しゃべらないこと」、核心部分は「現在捜査中ですので…」などとはぐらかすことなどを事前に綿密に打ち合わせしたものと思われます。海老蔵自身その見上げた役者根性で、何度も頭の中でリハーサルをして臨んだものなのでしょう。

 海老蔵は会見で、「海老蔵さんは被害者ですか?」の記者の質問に「そうだと思います」と言い切りました。
 また、「暴行グループの誰とも、“介抱した”リーダーとも初対面だった」「頭から水をかける、灰皿でテキーラを飲ませるという行為はしていない」「こちらから暴行は一切ふるっていない」などと、暴走族グループや店の関係者の話とは大きく食い違うことを述べています。
 今後の捜査を待つしかありませんが、もし裁判になった場合でも、「言った、言わない」「やった、やっていない」はそれを裏づける決定的証拠でもない限り、永遠の“水掛け論”になる可能性大有りです。

 それを重々承知の上での、弁護士の「先に言った者勝ち」的戦術から、相手方が誰も姿を現さない前の、今回の早期会見となったものと思われます。この会見が世間的にはどう受け取られようと、今後の法廷闘争的には実にうまい作戦だったと言うべきです。
 海老蔵サイドが「完全被害者」を主張しているのに、何で歌舞伎公演などが「無期限見合わせ」なの?という疑問は残ります。

 リーダーや伊藤リオンら相手グループは、いつまでも行方をくらましてもおれまいし。そうしていればいるだけ、ますます不利になるだけです。よほど警察に出頭できない理由でもあるものなのか。いずれにしても早く表に出てきて、自分たちの言い分を海老蔵同様堂々と世間に伝えるべきです。

 (大場光太郎・記)

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