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仮免総理の下、漂流する民主党

- 「政治家の言葉は命」のはずなのに、菅直人の発言は軽すぎる。総理失格だ -

 13日午後の民主党役員会は、小沢一郎元代表の政倫審招致議決か否かをめぐって注目されました。「小沢切り」などとても恐くて出来ない菅総理は「岡田幹事長に一任」という形で逃げ、以前から出席を見合わせることにしていたため、残る13名の党役員によって「小沢氏招致問題」が話し合われました。

 そのうち小沢元代表に近い輿石参院議員会長ら3人ほどは、予め「招致議決反対」に回ることが分かっており、岡田克也幹事長はこのような場合全員一致というこれまでの原則を破り「多数決議決」によって、この問題への中央突破を図る考えとみられていました。
 しかし前日の茨城県議選における惨敗、親小沢グループの士気揚がる決起集会などを目の当たりにして、さしもの原理主義者も考えを変えざるを得なくなったようです。それはそうでしょう。もし議決を強行していれば、以後民主党内は時ならぬ“冬の大嵐”が吹き荒れ収拾困難、岡田幹事長の首どころか菅内閣の命運すらも危ぶまれるところでした。

 役員の最重鎮の輿石氏の、「この問題はひとまず幹事長一任ということではどうか」という発議を、岡田氏が了としたことは賢明だったというべきです。
 仮に小沢氏が折れて政倫審に出席したとしても、各野党は「これで疑惑がますます深まった」として、次は国会証人喚問を要求してくることは明らかです。
 今や“小沢バッシング報道”を第一の使命とする各マスコミも、同様のことをしきりに論評し、「小沢氏は国会の証人喚問に応ずるべきだ…77%」などという世論調査の数字をはじき出すこともこれまた明らかです。

 役員会に先立つ親小沢有志の集まりで原口一博前総務相が、「政権交代の第一の功労者の首を差し出すようなマネをして、いったい何の得になるというんですか」と訴えたとおりです。
 国民生活にとって、最重要であるはずの予算編成大わらわのこの時期。内紛などやっていていいものでしょうか?前日の茨城県議選も、選挙を知り尽くした小沢元代表の知恵を借りていれば、6議席などという体たらくにはなっていなかったはずです。

 「原理主義者」の岡田幹事長が、その真価を発揮すべきは、鳩山前首相時の外務大臣の時だったのです。何せ昨年の政権交代は「国民の生活第一」をスローガンに掲げたからこそ、多くの国民の支持が得られ実現できたのです。
 国民の重要な構成員である沖縄県民は、鳩山前首相の「普天間移設は、出来れば国外、最低でも県外」という表明に、「戦後60何年か経って、やっと沖縄県民の声をまともに聞いてくれる首相が現れた」と諸手を挙げて賛同したのです。

 その沖縄の声を真摯に受け止め、鳩山首相(当時)の全権を受けた岡田外相(当時)は原理主義者の面目躍如とばかりに、米国に「国民の意思として出来れば国外、最低でも県外を譲ることは出来ない」と真っ向主張すべきだったのです。それで自分の首が飛んだとしても、岡田氏への国民の評価は一気に高まっていたことでしょう。
 しかし結果は着任早々、米国に簡単に押し切られ早い段階で鳩山氏に「最終的に辺野古沖しかありませんよ」と進言し出す腰砕けぶりだったのです。
 私はそれまでは岡田氏を、『次の次くらいの首相に』と高く評価していたのです。しかし普天間問題以降、菅政権の他の幹部同様岡田氏には幻滅させられる一方です。

 岡田幹事長は東大法学部出身でしょう。だったら東京地検特捜部による一連の小沢土地捜査の謀略性、東京検察審査会議決のいかがわしさ、大マスコミ報道の裏の意図など先刻ご承知のはずでしょうに。
 岡田氏はじめ菅政権幹部らが、「小沢捜査」の問題点が見抜けないようだったら、この問題に関心のあるネット読者以下のレベルということになります。政権幹部というより、政治家としての能力を疑わざるを得ません。また十分知っていて菅政権延命の「取引材料」にしているとしたら、政治家としての資質が疑われます。

 岡田氏にこの問題が一任され先送りとなったことで、当面の党分裂の危機は回避されました。岡田氏が役員会後の会見で、「(小沢氏への)離党勧告はまったく考えていない」と言明しました。「絶好の機会」を逃した岡田氏がいくら一任されたからと言って、小沢氏招致に踏み込むのは難しくなったのではないでしょうか?
 ただ一旦危機は回避されたとはいえ、見方によっては親小沢対反小沢の路線対立が解消さたわけではなく、より深刻の度を加えて今後に持ち越される可能性があります。

 岡田氏は離党勧告を考えていなくても、少なくても一人は執拗にそれを狙っている者がいます。その者は離党勧告どころか、ズバリ「殺小沢」つまり小沢元代表の政治生命抹殺を、蛇のように執念深く画策しているのです。
 仙谷由人です。これは代表選以前から繰り返していることですが、今日に至る「党分裂危機」はこの者や菅直人らによって引き起こされているのです。仙谷はその張本人です。この者が官房長官など重要ポストに居座り続けることによる、民主党ひいては日本政治への害毒は図り知れません。

 親小沢グループは、「招致議決先送り」を勝ち取った返す刀で、年内に両院議員総会を開催するための署名活動を始めたといいます。今や党内は「殺小沢」、でなければ「殺仙谷」という殺気立った雰囲気になっています。同総会を開くことによって、野党から問責決議を可決されている仙谷官房長官の首を狙うつもりのようです。

 分裂含みの党内の危機的状況にも関わらず、菅直人御大は能天気そのものです。
 先週末の各社世論調査では、どこも支持率20%台前半と「退陣水域」にさらに深くはまり込み、某テレビ局調査では4割以上の人が「菅政権は来年4月まで続かない」と回答しています。
 「総理延命」しか眼中にない菅直人は、これら調査に慌てて、「政権発足後のこれまでは仮免許、これからが本免許のつもりで取り組む」と平然と言ってのけたのです。

 ご記憶の方もおいてでしょうが、菅総理はこれと同じようなことを、代表選再選直後口走ったことがあります。定かな記憶ではありませんが、「これまでは試運転。再選されたこれからは死に物狂いで政権運営していく」というように。
 「死に物狂い」の結果がこれまでのザマかよ、ということはさておき。菅直人に政権運営を続けさせると、この先もまた言い回しを変えただけの言い訳を繰り返すに決まっています。その手法で、気がついたら後3年も…?あヽ嫌だ、嫌だ !

 それにしても「これまでは仮免許」発言は大失言の類いです。早速野党は猛反発しています。最近の世論調査の政党支持率で民主党を抜いた自民党の谷垣総裁は、「政権を担当している人たちが仮免許ということを言うのは、(略)自ら政権担当能力がないということを“自白”したに等しいですね」との、正鵠を得た批判をしています。
 さらに自民党の小池総務会長は、「仮免許中に信号無視、脱輪、衝突ということを繰り返してきて、本免許には到達できないんじゃないでしょうか」と語っています。思わず『うまい ! 座布団三枚 !』と言いたくなります。(小池百合子は大嫌いのはずだったんですがねぇ。)

 今日の民主党政治の大混乱は、まずもって菅直人が全責任を負うべきものです。菅直人よ。あなたは即刻総理大臣をお辞めなさい。

 (大場光太郎・記)

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