続・民主党分裂の危機 !?
-党内「対米隷属派」優位の状況にかんがみ、小沢氏は離党し新党結成すべきだ-
小沢一郎元代表は、「年明けにも強制起訴される身。厳しい法廷の場ですべては明らかになるのだから、国会の場で説明する必要はない」と言明しています。そこで13日の党役員会で招致が議決されても、今さら応ずることはないでしょう。
そうなると、菅・岡田執行部がどう出るかが大問題です。菅政権の司令塔であり“問責可決”官房長官でありながら、のらりくらりと居直り続けている仙谷由人は少し前、「“脱小沢”からいよいよ“殺小沢”だ」と放言したといいます。
「殺小沢」つまり小沢元代表の政治生命を絶つために、年明けの強制起訴を見越して政倫審招致に応じない小沢一郎に対して、菅総理が「離党勧告」を出すという流れになることは間違いないでしょう。
小沢元代表は12日夜、鳩山前首相や輿石参院議員会長と会談し、席上「仮に役員会で多数決で方針を決めるようなことをすれば、政務三役からも辞任の動きが出かねず、政権運営が困難になる」「党内から、両院議員総会を開いて、問責決議が可決された仙谷官房長官の責任を問う声も出てくる」などと現執行部を牽制する意見が出されたもようです。
しかしこの会合では3氏とも、「党を割るようなことはしない」という考えで一致したといいます。
『んっ?』。確か8日の夜の鳩山氏らとの会合で小沢氏は、「次のことも考えなくてはいけない」と、新党結成も視野に入れた発言をしていました。
仮に新党結成となると、国から支給される政党交付金の関係で、政党としての必要条件を充たした上で毎年1月1日までに総務相に届ける必要があります。年の瀬の今、そんなに悠長に構えている余裕はないはずです。
小沢元代表らの12日の「党内にとどまる」発言は、何を意味しているのでしょう?党役員会以降、党内は小沢国会招致を巡って紛糾し、フランケン岡田らが思い描くようにすんなり「招致議決で党が一致結束」とはならない、この問題は早期に立ち消えになるはずだ、と読み切った上でのことなのでしょうか?
それとも党内外の「悪徳ペンタゴン」勢力の勢いが強く、小沢氏に強い逆風が吹いている今、離党→新党結成となっても、小沢元代表を取り巻く状況は不利になるだけと読んだからなのでしょうか?
前者なら菅総理以下、今後は「反小沢」「脱小沢」を貫くことは難しくなります。その場合、「総理延命」こそが至上命題である菅直人も今度ばかりはさすがに折れて、小沢-鳩山-輿石トロイカの言を容れて大幅内閣改造、そして「殺小沢」の張本人である仙谷官房長官罷免に動き出すことも考えられます。
これならば今度こそ、小沢元代表ら本来の政権交代メンバーの復権が果たせるわけで、大いにけっこうです。
困るのは後者の場合です。離党→新党結成というまたとないチャンスを逃し、菅執行部が確実に出してくる「離党勧告」を、“座して死を待つだけ”ということになりかねません。
と、ここまで記事を作成した段階で、肝心なファクターを忘れていたことにふと気がつきました。12日に行われた茨城県議会選の結果です。
早速調べたところ、民主党は倍増を狙って23人の立候補者を立てたにも関わらず、何と10議席にも届かない「6議席」という惨敗です。いくら保守王国とはいえ、自民系が45議席確保ですから、天地ほどにも水を開けられたことになります。
今夏の参院選以降、連戦連敗の惨敗続き。これでは小沢元代表の予言ならずとも、「菅総理の下では来年4月の統一地方選は戦えない」と、全国各地で反乱の狼煙(のろし)が上がるのは必至です。
今回の惨敗の責任を真っ先に取るべきは、菅総理であり岡田克也幹事長です。特に選挙の実質的責任者である岡田幹事長は、今頃顔面蒼白、まさにフランケンシュタインばりに顔が引きつっていることでしょう。
こんな状況でもフランケン岡田は、役員会で「惨敗の責任はすべて“政治とカネ”を引きずる小沢氏にある」と強弁し、「だから何が何でも小沢国会招致を実現すべし」と、多数決で議決するというのでしょうか?これでは役員会での紛糾はもとより、党内の親小沢派からの猛烈な突き上げをくらい、民主党は収拾がつかないくらいの大混乱に陥り、小沢招致問題や離党勧告問題はどこかに吹っ飛んでしまうのではないでしょうか?
それを読んだ上での、小沢氏らの「党内にとどまる」発言だったのかもしれません。
波乱含みの小沢招致問題は、自民党など各野党もさまざまな思惑をもって、“対岸の火事”とばかりに眺めています。その中で面白いのは、以前から「民主党ハルマゲドン」論者のみんなの党の渡辺善美代表の発言です。
渡辺代表は、小沢元代表をめぐる民主党内の路線対立について、「茨城県議選で民主党がボロ負けしたら、民主党ハルマゲドンになる。分裂するなら早い方がよい。それが日本のためだ」と、つい先日の某県での講演会で話したのです。まさに民主分裂は、渡辺代表にとって「日本のため」であると共に「みんなの党のため」でもあることでしょう。今後同党が総選挙などさまざまな局面で受け皿となって、さらなる躍進が見込まれるからです。
確かに茨城県議選の惨敗を受けて、小沢グループが政権中枢を占める可能性が少しは出てきました。その場合は「党内残留」も大いにけっこうです。もし仮にそういう流れにならず、依然として「脱小沢」から「殺小沢」に向かうようなら、小沢元代表は躊躇なく離党、新党結成に動くべきです。
たとえ共に離党するのが少なくても、2、30人なら十分、今後の「国民主権政党」対「対米隷属政党」の二大政党制移行に向けた、政界再編のキャスティングボードを握れます。
13日午後の党役員会以降の民主党内の動きには要注意です。
(大場光太郎・記)
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