成功哲学の詩
ナポレオン・ヒル
もし、あなたが破れると考えるなら
あなたは破れる
あなたがどうしてもと考えないなら
何ひとつ成就しない
あなたが勝ちたいと思っても
勝てないと考えるなら
あなたに勝利はほほえまない
もし、あなたがいい加減にやるなら
あなたは失敗する
われわれがこの世界から見出すものは
成功は人間の意志によってはじまる
すべては人間の精神状態によって
きまるということだ。
もし、あなたが脱落者になると
考えるなら
あなたはそのとおりになる
あなたが高い地位に
昇ることを考えるなら
かならずできるという
信念を持つべきだ
人生の戦いは常に強い者
早い者に歩があるのではない
いずれ早晩勝利を獲得する人は
オレはできるんだ、と考えている人である。
… * …… * …… * …… * …… * …
《私の所感》
4日は仕事始め。正月三が日のおとそ気分を抜いて、例年にも増して厳しさが予想される、本年1年の激動の社会活動に臨むべき初日です。
そこで今回は、私自身の心を鼓舞するためにも、それにふさわしい詩を取り上げてみました。
あるいはご存知の方もおいでかもしませんが、この詩はだいぶ以前の『巨富を築く13の条件』(訳者、出版社不明。同名の新訳本が騎虎書房から出ている)という本の中で紹介されていた詩です。
同著はアメリカの「成功哲学」を体系化した人として有名な、ナポレオン・ヒルの原著『THINK&GROW RICH !』のダイジェスト版の翻訳です。私も30代前半だった昭和50年代後半頃、同書を求めて読みふけったことがあります。
米国を中心に世界中で一千万部を超える大ベストセラーとなったナポレオン・ヒル(1883年~1970年)の『THINK&GROW RICH !』は、完訳版が日本でも当時『成功哲学』(柳平彬監修 田中忍訳 産業能率大学出版部刊)として出版されており、私はこちらもしっかりと読み込みました。以来25年を経た今日本棚の奥深くに眠っていましたが、昨年11月取り出して見てみると本文の重要な個所に赤いマーカーを引いたり、余白に書き込みをしたりしています。
『巨富を築く13の条件』の方は新書版ですが、同書の序の中で、ボロボロになりセロファンテープを貼り付けたりしてまで読み続けている人のことが紹介されていました。当時の我が国の経営者やビジネスマン、営業マンらに『成功哲学』同様大きな影響を及ぼしたものと考えられます。
同書の方は「巨富…」というタイトルへの違和感がぬぐえず、今考えれば惜しいことに40代のある時、他の本と一緒に処分してしまいました。
『成功哲学』でも、1990年代半ば頃最終完全版と銘うって刊行された『思考は現実化する』(田中孝顕訳 騎虎書房刊)にも、今回の詩は掲載されています。しかしそれぞれ訳が違っており、やはり一番しっくりくるのは『巨富を築く13の条件』のこの訳であるように思います。
ナポレオン・ヒルの成功哲学を凝縮したような感のあるこの詩は、どうやらナポレオン・ヒル自身が作ったものではなく、同書の初版が出版された1930年代既に存在した詩を、ナポレオン・ヒルが拝借したもののようです。
しかし原作者不詳であり、この詩は同書によって有名になったことから、今回ナポレオン・ヒルの名を冠しました。どなたかこの詩に関して詳しい情報をお持ちの方、ご教示いただければ幸甚です。
今回この詩について、一つ一つ解釈を試みることはしません。人によって心に響く個所は違うかもしませんし、読みようによっては「成功哲学の真髄」に迫れるかもしません。
私自身は、10年ほど前から外出時常時携帯している、格言、名言、アファーメーション(自己宣言文)などを綴ったノートに、この詩のコピーしたものを貼り付けています。今年一年自分を鼓舞し、モチベーションを高めるためにも、また折りに触れてしっかり読み込んでいきたいと思います。
(大場光太郎・記)
| 固定リンク
「名詩・名訳詩」カテゴリの記事
- 湖のある村(2019.03.28)
- 杜甫『吹笛』(2013.10.25)
- 杜牧『江南春』(2013.04.09)
- 易水送別(2013.02.20)
- 夢見るこの天賦の才能(2012.11.10)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント