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小沢氏「菅首相ひどい、もう持たない」

 -内閣改造などではなく、菅首相自ら辞するのが最も国益に適う道だ-

 菅直人政権にとって今年最初の関門とみられていた民主党大会が、13日午後千葉市幕張メッセで行われました。菅総理はまともに取り上げる気にもならない美辞麗句を一方的に並べ立て、「質問や反論は一切受けつけない」という卑劣な戦術で辛くも乗り越えたようです。
 前12日の両院議員総会での“ガス抜き”の手法といい、内政・外交という肝心の政策面ではことごとく落第点ながら、こと「政権維持」に関しては老獪な菅・岡田執行部の思惑通りの展開です。

 13日午前中は全国幹事長会議も行われました。それにしても統一地方選に向けて相当の危機感を抱いているという、各地方代表から、菅総理以下の責任を厳しく追及する声が挙がらなかったのが不思議です。
 実際12日上京してきた某県連幹事長は、「地方の実情は中央(菅政権)が考えているようなものではないですよ」と、向けられたマイクに答えていました。これはおそらく一県のみならず、全国各県どこもそういう状況でしょう。

 統一地方選候補者の中には、配ったリーフレットを目の前で破り捨てられた、唾を吐きかけられたといった強烈な逆風に遭っているといいます。「民主党公認を取り消したい」という候補者も少なからずいるようです。
 また菅直人ポスターがとにかく不人気で、各地で「菅ポスター隠し」で対応しているようです。
 これは何も統一地方選候補者のみならず、現職の国会議員も同じらしく、地元での演説中に有権者から「この裏切り者 !」と罵られるなど、「地元に帰るのが恐い」と漏らす議員もいるほどです。

 もしこのまま菅政権で統一地方選に突っ込めば、昨夏の参院選以上の大惨敗は必至でしょう。しかしここで「菅降ろし」をしても、民主党にとっての切り札の小沢一郎元代表は起訴寸前の身で身動きが取れず、したがって「ポスト菅」への展望が見えてこないし。それに昨秋の代表選では、菅・仙谷らとマスコミ合作の“イカサマ”選挙戦術に乗せられて、地方として菅直人を圧倒的に支持した負い目もあるし。
 ここはまだ少し間があることだし「詐欺師・菅直人の詭弁」であっても、とにかく一縷の望みを託してみようということなのかもしれません。

 しかし今さら菅“泥船”政権に期待などしても無駄ですよ。何せ国民が民主党政権に失望しているのは、小沢元代表の「政治とカネ」問題などではないのです。ずばり菅総理のリーダーシップのなさ、その政権の下での、政権交代時の「09マニフェスト」からの後退につぐ後退にこそ失望しているからです。
 それを示す格好の出来事がありました。新春5日菅総理が出演したテレビ朝日の『報道ステーション』が、「6・9%」という驚異的な“低”視聴率を記録したのです。菅出演までの前4週の平均が14・7%ですから、その半分以下という体たらくです。

 他のテレビ局にさきがけての菅総理出演とあって「してやったり」のテレ朝も、この数字には真っ青。正月気分などいっぺんに吹き飛んでしまったのだそうです。
 これは他局にも衝撃を与え、報道などの現場では極力「菅を映すな」という指令が出ているといいます。しかしどうもそれ以前から、ワイドショーはもちろんニュースでも菅総理の顔が出ると視聴者がチャンネルを変えるので視聴率がガクンと下がる傾向はあったようです。
 ちなみに政敵の小沢元代表を取り上げると、視聴率が逆にピピッと上がるのだそうです。

 その小沢元代表は、12日の両院議員総会に出席しました。「同総会の生の雰囲気を実感したかったから」というのがその理由のようです。総会中じっと瞑目していました。
 小沢氏はその夜、都内の料理店で側近議員数名と会談した際、「菅首相はひどい。もう長くは持たないだろう。政局になるぞ」とハッパをかけたということです。
 小沢一郎は、菅直人などと違って出来もしない無責任なことをベラベラしゃべったりはしません。しかし言うべき時は、ズバッと物事の核心を衝いたことを言います。
 今回の「菅首相はもう持たない」発言もそうです。政治の流れを読むことにかけては天才的と評される小沢元代表のこと、その発言に至る何らかの確かな裏づけがあってのことでしょう。

 菅内閣の主要閣僚で、アメリカ様の覚え事のほかめでたく、次期総理候補とも目されているのが前原誠司外相です。その前原でさえ、4日の年頭会見で「小沢問題が民主党のすべてなのか」と切り出し、「(小沢問題を)卒業することが、危機的な日本の置かれている状況において大事だ」と、“小沢切り”で突っ走る菅総理、仙谷官房長官らと距離をおく発言をしています。
 誰に取り入るのが最善かの嗅覚が鋭い前原のこと。いよいよ「俺の出番」が近づいてきて、今や“落ち目の三度笠”状態の菅・仙谷と心中するよりは、大人数の小沢グループとの接近を図った方が得策と読んだのに違いありません。菅総理主催の元旦の「公邸開き」にも、前原は姿を見せませんでした。

 こうして身内の主要閣僚からも、所属国会議員からも、地方党員からも、そして何より国民からもどんどん見放されていっている今、菅総理の唯一の熱心な支持者は伸子“デシャバリ”夫人くらいなものでしょう。
 自分が総理大臣を辞めることが「最大の国益」と分からない菅総理。党大会に至る一連の発言では、無責任な言いっ放しの大風呂敷を広げまくっています。ただ総理のイスにしがみつきたいだけの、浅ましい妄執から出ている言葉です。まともに聞くだけ損というものです。

 このまま行くと、野党時代の実績がすべてパーになるような、野垂れ死の運命が待ち構えていることを覚悟すべきです。

 (大場光太郎・記)

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コメント

今の執行部、(政府)身内だけで政治を執り行う姿勢が見えています。昔の独裁政治と同じです!もう終わりですね!     

投稿: 竹下 国男 | 2011年1月14日 (金) 11時42分

竹下国男 様
 コメントありがとうございます。改造内閣の顔ぶれがほぼ出ろったようですが、枝野幸男の官房長官をはじめ、よくもまあひどいメンツをそろえたものです。
 今回も「反小沢」を貫くという意思表示なのでしょうが、変わり映えしないメンツによるポストのたらい回しです。内閣改造の名に値しないのでは?とも思えてきます。
 これでは、一昨年の政権交代時民主党を支持した人たちの大多数を、不支持もしくは敵に回すことは確実でしょう。
 本当に、菅政権はこれでもう終わりだと思います。いな、もう終わりにしてほしいものです。

投稿: 時遊人 | 2011年1月14日 (金) 15時40分

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