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西岡議長「菅・仙谷には国を任せられない」

 -身内の長老にこう言われれば即退陣だろう。でも鉄面皮共は居直るのか?-

 いやしくも自国のトップリーダーである者たちをあまり貶(おとし)めたくはありません。しかし菅直人総理や仙谷由人官房長官らのあまりの酷い政権運営には、つい「アンタら」「コイツら」呼ばわりもしたくなります。「コイツらはいつまでふざけたことやってんだよ」「もうアンタらのツラなんか見たくないんだよ。一刻も早く消えてくれよ」という具合です。

 菅直人、仙谷由人、岡田克也らは、国民のためにはこれっぽちにもならない、ただただ政権維持のためだけの画策を連日あれこれ続けているのです。特に菅総理らにとって今は、13日と迫った民主党大会を乗り切ることしか眼中にないようです。
 千葉市幕張で行われるという党大会では、昨夏の参院選の惨敗以後、北海道5区補選や全国主要地方選などで連戦連敗、「菅政権のままでは来る4月の統一地方選は戦えない」という地方からの猛烈な突き上げが予想されます。森喜朗元総理は、01年の自民党大会での猛烈な反乱によって総辞職せざるを得なかったくらいです。

 菅陣営は、その二の舞になることを何より恐れていて、そのため「党大会を何とか乗り切ること」が喫緊の大課題となっているのです。仙谷“田舎軍師”のサル知恵によるものなのか、党大会対策の一環として、その直前の12日に両院議員総会を開いて、その場で親小沢派議員らに存分に執行部批判をさせ“ガス抜き”をして、党大会での反発を和らげる狙いです。
 さらには、改造後「代表代行」という党要職にもぐり込むつもりらしい仙谷の腹案では、内閣改造は党大会直後に行う予定のようです。大臣や副大臣ポストをちらつかせることによって、多くの議員たちの憤懣を抑えられると踏んでいるのです。

 そんな箸にも棒にもかからない仙菅に対して、遂に身内の身内から「退陣要求」とも取れる痛烈な批判が飛び出しました。
 西岡武夫参院議長(74)が、8日発売の月刊誌『文芸春秋』2月号に、「菅・仙谷には国を任せられない」と題する論文を寄稿し、菅総理、仙谷官房長官の言動を酷評しているというのです。与党・民主党出身の参院議長が、現職の総理らを名指しで批判するなど前代未聞です。今後党内外に大きな反響を呼びそうです。

 西岡議長は同論文の中で、菅総理について「あまりにも思いつきで物を言うことが多すぎる」と強調しています。特に諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門を命じた福岡高裁判決の上告断念を表明したことを挙げ、「まさにその悪しき例だ」と指摘しています。
 また「経済政策の哲学のなさは、まさに目を覆うばかり」として、「菅政権はそもそも国家に対する『哲学』すらないのではないか」「北朝鮮をめぐる危機対応のまずさも、まさに『国家観』のなさによるものだ」などと批判しています。
 同氏の指摘どおり、潮受け堤防排水門開門の件は、単なる人気取りのためのポプュリズムが見え見えです。さらに「国家に対する『哲学』がない」「『国家観』がない」は、菅政権の本質を衝いた鋭い指摘です。こんな政権を存続させることは、「国家」にとって百害あって一利なしというべきです。

 一方仙谷官房長官に関しては、昨年秋の臨時国会で失言が相次いだことを挙げ、「問責決議を受けたのは当然。それに対して『法的拘束力のなさ』を理由に平然としているのはいかがなものか」と暗に辞任を要求しています。
 さらに「信じがたい行動や答弁が随所に見られ、官房長官として不適格だ。議長として参院の権威を守る立場からも、断固として臨む。(内閣改造での)閣僚への横滑りは受け入れられない」と、仙谷はとにかく閣外に去るべきだと強調しているのです。
 同時に「小沢一郎氏の問題よりも、問責決議を受けながら知らぬ存ぜぬの仙谷官房長官の問題の方が大きい」との見解も示しています。

 「西岡武夫参院議長よ、よくぞここまで言ってくださいました」ではないでしょうか。繰り返しますが、西岡氏は菅政権の下で参院議長に選出され、9・14代表選では投票権がありながら棄権はしたものの、一貫して菅直人支持を表明していた人物です。
 そのため私は、西岡氏は渡部恒三や石井一や江田五月らと同じ、反小沢長老の一員と考えていました。しかし1976年(昭和51年)自民党を飛び出して、河野洋平らとともに新自由クラブを結成した気骨は健在だったようです。
 今回の西岡議長の論文は名だたる月刊誌に発表されたもの。老害・渡部恒三のように小沢元代表に面と向かっては言えず、卑怯なことにテレビの“虎の威”を借りた入歯モゴモゴの老醜発言とは、重みがまるで違います。

 「男の散り際の美学」を持ち合わせた通常の政治家なら、西岡議長の通告を真摯に受け止め、これ以上晩節を汚さぬよう総辞職の道を選ぶことでしょう。
 しかし菅直人も仙谷由人も、「異常なところのある」(小沢元代表談)人物です。「ハイ、分かりました」と素直に応じるタマとは到底思われません。国民の支持なく、西岡氏をはじめ党所属議員や地方議員、党員サポーターの支持もどんどん失いながら、「石にかじりついてでも」政権を維持しようと、今後もあれこれ策動していくことでしょう。

 もうこうなると、後味の悪さしか残らない「三流ホラー映画」を見続けさせられているような、何とも不快な気分です。

 (大場光太郎・記)

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