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スーちゃん、驚きの訃報

 -スーちゃんの死により、キャンディーズは永遠の思い出の領域に入ってしまった-


         田中好子さん

突然の訃報が飛び込んできました。アイドルグループ元キャンディーズのメンバーの一人で、女優の田中好子さんが21日、都内の病院で乳がんのため死去したというのです。享年55歳。あまりにも若すぎる死です。

 おそらく多くの人が知らなかったのではないか思いますが、田中好子さんは、小達一雄氏と結婚した翌年の1992年には、乳がんの最初の兆候が見つかったのだそうです。その後再発するなど、治療を続けながら女優業をしていたことになります。
 しかし昨年秋に十二指腸潰瘍で再入院、その際肺や肝臓などへのがんの転移が発覚し、既に多臓器不全だったといいます。

 田中好子さんの闘病生活は過酷なものだったようです。今年に入ってナレーションの仕事のため、病院から直行ということもあり、ここ2、3ヶ月は事務所のマネージャーが付きっ切り状態で、足をさすったりていたといいます。
 容態が急変したのは1ヵ月前からだそうです。
 「スーちゃんは気の毒なほど痩せてしまい、腹水もたまってとてもつらそうでした。そんな時に小達さんは医師から余命について聞かされ、涙を流していました。小達さんはスーちゃんの闘病生活が長かったこともあり、お互いにつらいのを承知で余命について伝えたと聞いています。ただ、彼女は最後まで希望を捨てず、“先生、この治療をやったらよくなるんですよね”と言っていたそうです」(交友の長い芸能関係者)

 先週から容態が急激に悪化し、それまではフルーツやヨーグルトをよく食べていたものの、今週になって点滴だけになったといいます。
 病状の悪化を知った、キャンディーズの元メンバーの伊藤蘭が夫の水谷豊と駆けつけ、病室に通されたランちゃんが涙をこらえながらスーちゃんを励ましたそうです。 

 私のイメージの中では、とうの昔に解散したとは言えキャンディーズの「スーちゃん」のままでした。伊藤蘭(ランちゃん)、藤村美樹(ミキちゃん)の3人の中でもスーちゃんは、確か一番年下だったはずです。ランちゃんはしっとりした美人タイプ、ミキちゃんは知的でしっかり者タイプなら、スーちゃんはどこか天然ボケしたかわい子ちゃんタイプ。
 よりによって3人のうちで健康優良児といわれていたスーちゃんに、キャンディーズ解散後こんな病魔との過酷な闘いが待ち受けていようとは。

 スーちゃんは女優としても、89年の映画『黒い雨』(今村昌平監督)では、原爆の悲劇に見舞われたヒロインを演じ、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など多くの賞に輝きました。
 何の偶然か、福島原発事故が深刻化する中で、最近この映画がよく引き合いに出されていました。

 しかしやはり私などの世代にとって忘れられないのは、『春一番』『年下の男の子』『やさしい悪魔』『わな』などを歌って、ステージで躍動していたキンディーズ時代のスーちゃんたちの輝きの姿です。
 あのむくつけき「軍事おたく」の自民党政調会長・石破茂でさえ、スーちゃん急逝の報に接し、「高校生の頃、一生懸命、ポスターとか筆箱とか下敷きとか、そういうもの(キャンディーズグッズ)をコレクションしていた。(田中さんの訃報は)私だけではなくて、同時代を生きてきた者の何万人という人が持っている残念さだと思います」と語っています。

 ああ見えて慶応高校、慶応大学出身の石破茂、さすがは的確なコメントです。「同時代を生きてきた者の何万人」のうちに、少しばかり年長ながらこの私も加えさせていただきましょう。何せキャンディーズ解散コンサートのポスターをさるレコード店からもらってきて、しばらく部屋の壁に貼っては眺めていた口なのですから。

   春一番が掃除したてのサッシの窓に
   ほこりの渦を踊らせてます

   机 本箱 運び出された荷物のあとは
   畳の色がそこだけ若いわ

   お引っ越しのお祝い返しも
   済まないうちに またですね

   罠にかかったうさぎみたい
   いやだわ あなた すすだらけ
   おかしくって 涙が出そう
   1 2 3(ワンツースリー) あの三叉路で
   1 2 3 軽く手を振り
   私達 お別れなんですよ   
     
    (作詞:阿木耀子、作曲:穂口雄右『微笑がえし』より)

 スーちゃん、あなたはこの世界で十分過ぎるほど走り続けてこられました。どうぞ新しい世界でしばらく安らかにお休みください。
 田中好子さんのご冥福心よりお祈り申し上げます。

 (注記)本記事は、4月23日付『日刊ゲンダイ』(9面)などを参考、引用してまとめました。

 (大場光太郎・記)

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