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何を今さら。ビンラディン殺害

 -9・11から間もなく10年。ビンラディン殺害は「一サイクル完結」ということか?-

 9・11同時多発テロ事件の首謀者とされる、国際テロ組織アルカイダの指導者、ウサマ・ビンラディン容疑者(54)を殺害し遺体を収容したと、米国オバマ大統領が1日朝(日本時間2日午後)テレビで緊急演説しました。

 その後の一連の報道によりますと、米中央情報局(CIA)や米国防総省など情報機関は、2001年の同時テロから約10年にわたる執念の追跡により、昨年8月ビンラディンがパキスタンに潜伏していることを突き止めたということです。
 特にCIAは数年かけてビンラディンが厚い信頼をおく側近を追跡し、身元を割り出し、昨年8月にパキスタンの首都イスラマバードから北方56キロのアボタバードの居場所を特定。CIAは同9月、ビンラディンが側近と共に住んでいる可能性があるとみて情報収集を進め、今年2月中旬、オバマ大統領を含むホワイトハウス指導部は、同容疑者がこの邸宅に潜んでいるとの情報は確度が高いと判断。

 これを受けてオバマ大統領は4月29日朝、米軍特殊部隊による極秘作戦に対する最終命令を出しました。同特殊部隊は、ビンラディンが家族と共に滞在中の同邸宅をヘリコプターで急襲したというものです。
 私のようなへそ曲がりは思います。10年近くもたって、何を今さら。正直『あヽそうなの』ではないでしょうか。

 9・11直後ブッシュ政権は手回し良く、「今回の事件はアルカイダの仕業」と一早く断定し、その首魁として前々から取りざたされていたウサマ・ビンラディンは「容疑者」として国際指名手配されるに至りました。
 報道を額面どおり受け取れば、ビンラディンは地球上隈なく張り巡らされた米軍やCIAなどの稠密な情報網、捜査網を巧みにかいくぐり、するりするりと逃げ延びる比類なき逃亡の名人だったことになります。

 ほんまかいな。それに以前は、アフガニスタンとパキスタンの国境地帯の洞窟や森林地帯を少数のメンバーと転々としていると言われていたのに、今回は一転数年前からパキスタン北部に豪勢な邸宅を構えていた?
 その邸宅は2005年に建築された豪邸で、周囲の家より約8倍も広く、百万ドル(約8100万円)の資産価値があったと言います。そんな大邸宅を建築するとなると、日本ではうるさいほどの建築確認許可申請などの縛りがあります。同国はゆるゆるで、建築主不明で無許可でも簡単に豪邸が建てられるものでしょうか?9・11以降米国と関係が良好な同国政府が、すべての事情を知った上で阿吽の呼吸、見て見ぬふりだったということなのでしょうか?

 最近の偵察衛星は、地球上のあらゆる地域のあらゆる建造物をしらみつぶに調べられ、遥か上空から地上の何十センチの物体まで識別し、必要なら屋内の様子まで探れる優れもののハイテク機器を搭載しているといいます。
 突如数年前に現われたそんな怪しい建物、米情報各機関は何でもっと早くキャッチできなかったのでしょうか?

 そんなこんなが、米国とビンラディンの「出来レース」を物語っているように思われるのです。
 第一その後のアフガン侵攻、イラク侵攻のすべての発端となった「9・11」自体、時のブッシュネオコン政権の自作自演だったことは、今や心ある世界市民の間では定説です。当時はまんまと引っかかり、火の玉の愛国心が燃え上がった米国民ですら、今では米国政府の公式発表を信じているのはわずかに18%程度。後の多くの国民は「政府は真相を隠している」と考えているといいます。
 それもそのはずです。当ブログでも09年9月の『「9・11」とは何だったのか?』や直前の『真実の近現代概略史』シリーズで見ましたように、ブッシュ政権発表はあまりに大きく破綻しすぎているのです。

 9・11の実働部隊はもちろんアルカイダメンバーなどではなく、CIAとモサド(イスラエル秘密情報機関)。しかしウサマ・ビンラディンは、9・11とそれ以降の「対テロ戦争」遂行に当って重要な役割を果たしたことは間違いありません。
 ビンラディンという国際テロ組織の「大悪者」がいなければ、米国はその後のアフガンとイラク侵攻の大義名分を得ることは出来なかったのですから。

 そもそもウサマ・ビンラディンは、サウジアラビアの大富豪のビンラディン一族出身です。そしてビンラディン家とブッシュ家は、父ブッシュ(湾岸戦争時の大統領)以来重要なビジネスパートナーだったのです。
 ウサマだけが特別「反米」に転じたなどということは有り得ません。すべては出来レース。おそらく米国のしかるべき筋から、相当の成功報酬をせしめていたのではないでしょうか?くだんの急襲された豪邸も、その資金で建て、維持していたとすれば納得です。

 「本当に」今回ビンラディンが殺害されたのだとしたら、どうしてなのでしょうか?
 部外者に分かることではありません。そこで面白おかしく考えてみると、ビンラディンが米国筋に更なる報酬を求めたからでしょうか。「もっと出さないと、9・11の真相を(中東のテレビ局)アルジャジーラを使って全世界にバラすぞ」とでもブラフをかけた?

 ビンラディンは「容疑者」にすぎないのです。国際法に則れば、まず身柄の確保、それから被告として裁判手続きを経て刑を確定させるというのがしかるべきあり方です。あのサダム・フセインですら、曲りなりにもそういうプロセスを経ています。
 ビンラディンに限っては、米国にはそうは出来ない特殊事情があったと見るべきです。

 または今年に入って中東民主化運動の動きが急ですが、米国などが裏で糸を引いている可能性がありそうです。民主化運動によって、中東諸国では武力闘争主体のアルカイダへの支持が急速に落ちているといいます。
 つまりこの先の米国の世界戦略からみれば、ビンラディンはもう「用済み」なのです。これまでのご多分にもれず、用済みは厄介にならないうちに早く始末するに限ります。それで今回の殺害に至った。そんな可能性もありそうです。

 (大場光太郎・記)

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