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急流の今こそ馬を乗り換えるべし

 -激流のただ中の日本。駄馬“菅”では乗り切れない。今すぐ名馬に換えるべし-

 最近「急流で馬を乗り換えるな」という言葉が流布されています。仔細には分からないものの、元々は中国の古典あたりにある言葉だったのでしょうか。
 事の発端は4月28日、西岡武夫参院議長の「国の命運を担う馬は内閣。急流でもがいて流されているならば、馬を乗り換えないといけない」と、この成句とは真逆な発言をしたことでした。西岡氏のこの発言は、明確な「菅降ろし」です。これに対して、「いやそうじゃない。やっぱり、急流で馬を乗り換えてはいけないのだ」と、「菅擁護」の声も出てきて、以来両論がつばぜり合いしながら今日に至っているわけです。

 私は菅政権をあらゆる角度から精査した場合、西岡議長の方がまったくの正論だと考えます。しかし中にはそうは考えずに、菅を擁護したいグループもいるわけです。

 「この選挙は事実上私の政権への国民の審判の意味を持つ」と公言して臨んだ、昨夏の参院選。結果は大惨敗でしたから、当然のように党内外から菅直人の責任論が巻き起こりました。この時流布されたのが、「国のトップをコロコロ換えるのはよくない」というメチャクチャな論法でした。これも出所は不明ですが、おそらく小沢一郎元代表の復権を何より嫌う、悪徳旧勢力の広報機関の新聞・テレビであったことでしょう。
 この流れは昨秋、対抗馬として小沢元代表が立った民主党代表選でもぶり返されました。こうした応援団の後押しによって、ヨレヨレの菅“無能”首相は今日まで辛くも命脈を保ってこられたのです。
 すべては菅直人が、09年衆院選のマニフェストを捨てて、アメリカ、官僚、財界など旧勢力に魂を売り飛ばした“功徳”によるものです。

 だから今回の「急流で馬を乗り換えるな」も、出所はてっきりマスコミかと思っていました。しかしそうではなく、意外にも自民党系長老だったようです。
 西岡氏に反論したのは、小里貞利元衆院議員(80)で、17日の自民党本部での講演会に招かれ、この成句を引用して「菅首相を追い込むことばかりせず、震災復興で政権に協力せよ」と、クギを刺したというのです。
 これにビビッたのが谷垣禎一自民党総裁、折角出そうとしていた内閣不信任案を引っ込めてしまいました。というのも谷垣氏は、派閥を他ならぬ小里氏から引き継いだ負い目があるからです。

 しかし小里さん、あなたの論は暴論とは言わずとも的外れですよ。
 第一あなたは、1995年の阪神大震災時の地震対策担当相だったではありませんか。漏れ聞くところ、時の村山富市首相は己の無能を認め、「小里さん。震災復興のすべてをあなたに任せる。責任はこの私が取るから、思う存分やってくれ」と、意気に感ぜずにおられない一言で一任されたそうではないですか。
 その結果「対応が遅い」と非難されていた同震災は、その後どんどん軌道に乗り、今日知られるような見事な復興を成し遂げたのではありませんか。

 そんなあなたの経験から見ても、菅首相がいかに「駑馬(駄馬)」であるか一目瞭然でしょうに。阪神大震災では地震発生後3週間で復興が具体的に動き始めたというのに、今回の東日本大震災復興は、2ヶ月半経過しても震災地の瓦礫はほとんど手付かずの状態。間もなく梅雨や猛暑の季節を迎えようかというのに、プライバシーも何もない劣悪な避難所に、今なお10万人以上が押し込められたままなのです。
 菅氏がその間やったことと言えば、責任回避のために“何とか会議”をいっぱい作って、だらだら小田原評定もどきを続けてきたことくらいです。

 輪をかけてヒドイのが、福島第一原発事故を巡る対応のまずさです。地震直後既に各号機はメルトダウンしていたのを知りながら、2ヶ月も国民と国際社会に隠し続けていたのです。放射能をダダ漏れさせっ放し。情報遮断のため一体どれだけの人たちが被曝してしまったことか、これ一つ取ってみても菅直人は「犯罪者」というべきです。
 その上官邸の情報隠蔽は数知れず。それに菅首相の要らざるパフォーマンスや不適切な東電への指示によって、事態をどれだけ悪化させてきたことか。事故の被害拡大は、菅直人の人災によるところが大きいのです。

 どう見ても西岡議長の言っている方が正論です。大震災の復興が遅々として進まず、福島原発事故の収束の目途が立たないのも、一にかかって菅直人という「悪馬」のせいなのです。こんなロクでもない馬のために、国民全体が激流に飲み込まれてしまったのではたまりません。
 この際「急流で馬を乗り換えるな」というのは、タチの悪いジョークのたぐいです。

 ところで、この成句から思い出した故事があります。三国志の英雄・劉備玄徳にまつわる話です。その時既に五十路を過ぎ「脾肉の嘆」をかこっていた劉備は、ある日荊州の牧(支配者)の劉表の館での酒宴に招待されます。しかしこれは、天下の実力者の劉備を亡き者にする劉表の奸臣たちの謀略だったのです。

 宴たけなわ危難を知り、劉備は命からがら「的盧(てきろ)」という愛馬に跨って単騎逃走します。それを知った奸臣たちは必死に追いかけてきます。そのうち劉備は壇渓(だんけい)という急流に追い込まれます。
 やむなく劉備は壇渓を越えようとしますが、途中で水中にはまって出られなくなってしまいます。窮まった劉備は「的盧よ的盧。我が運命を妨げるか !」と一喝して鞭をくれるや、的盧は一躍三丈を跳び越え難を逃れることができたというのです。

 まこと的盧こそは名馬と言うべきです。ところが、額に白い模様があるこの馬、俗には僕(しもべ)が乗れば客死し、主(あるじ)が乗れば刑死するという凶馬でもあったのです。凶を変じたのは劉備の持って生まれた福徳の力か、というところです。
 この難を逃れて間もなく、劉備は隆中に隠棲していた臥龍・諸葛亮孔明を得、いよいよ青年孔明の天下三分の計の下、望蜀が動き出すことになったのです。

 今の政界で「的盧」に匹敵するのは誰なのか。菅直人はもちろんハナから除外です。やはり理想としては小沢一郎でしょうが、状況的に無理なら他の誰かで務まるのか。この国難的重大局面、よくよく考えてみる必要がありそうです。
 そして的盧と共にこの危機的状況から大跳躍すべきは、主である私たち国民であることも自覚すべきです。

 (大場光太郎・記)

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