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「空洞地球」について語る時がきた(2)

地球物理学などによる地球構造モデルについて

 いきなり「空洞地球論」に入る前に、現在までの学説となっている地球物理学などの構造モデルを簡単に振り返ってみたいと思います。

 私たちが生存している地球(Earth)は、赤道半径が6,378km、極半径が6,356kmの、ほぼ完全な球体といっていい回転楕円体です。これは今日まで各種の測地データを積み上げて得られた数値であるだけに、まず疑う余地のないものと思われます。

 問題は地表から内部の構造です。これについては、
 0km  地表
 0~150km  岩石圏
  (このうち0~30・35kmは「地殻」)
 6・35~2,891km  マントル
  (6・35~670km 上部マントル)
  (670~2,891km 下部マントル)
 2,891~6,371km  コア
  (2,891~5,151km 外核)
  (5,151~6,371km 内核)
と分類されています。

 すなわち地球は、外側から岩石質の地殻、岩石質の粘弾性体であるマントル、金属質流体の外核、金属質固体の内核という大構造に分類されるというのが、今日までの定説です。
 この中で岩石質とはいっても、地殻とマントルでは化学成分が違い、また外核と内核も金属質とはいっても、若干化学成分が異なると推定されています。

 以上ごく大ざっぱに見ましたように、私たちがいる地表から地球内部の中心部まで、岩石質や金属質の物質で隈なく稠密に埋め尽くされた固体であるというのが、今日までの動かしがたい学説となっています。

 しかしこの学説は、科学が何よりも重んじる「実験」「実測」「実証」に基づいたものではありません。というのも現在のところ、6,371kmもの深度を有する地球中心部まで観測できるような、いかなる手段も持ち合わせてはいないからです。
 確かに近年は、地殻を掘り進めるボーリング技術や研究も進んではいます。特に2004年には統合国際深海掘削計画(IОDP)が調印され、日本での建造が進んでいた深海掘削船「ちきゅう」が投入され、2012年のマントル到達を目標にしています。
 つまり現段階では、地殻をせっせと掘り進め、ようやく地表から35km下にあるという上部マントルに達しようかという程度に過ぎないのです。

 では上記のような学説は、どのようにして生み出されたのでしょうか?6,371kmもの半径を有する地球内部構造を探るのに、「地表面」での観測から得られたデータをもとに推論を重ねて組み立てられたものなのです。
 その中でも最も優れた方法とされるのは「地震波の分析」によるものです。上記の地殻、マントル、外核、内核などの分類は、この解析結果から得られた推測です。
 地震波にはP波(縦波)S波(横波)の2つがありますが、この両地震波が伝えてきた水平方向の振動を地上でキャッチした観測データをもとに、地下数千km内部を推定するという荒っぽいことをやってきたのです。

 東京大学地震研究所によりますと、最近では地震波以外の振幅の非常に小さい揺れ(常時地球自由振動)をとらえ、それから地球内部情報を引き出すことに成功したということです。
 しかしそれで何とか明らかになったのは地下350kmまでと、上部マントルのほぼ中間地点に過ぎません。6,371-350=6,021。つまり、それより下6,000km以上は未確認の領域なのです。

 地震波解析とともに見過ごせないのは、上記学説は「引力」による地球内部への作用から導き出された仮説であるということです。つまり引力によって物体は例外なく地球の中心方向に落下するという、ニュートン以来の古典力学的仮定がこの構造モデルの前提としてあるのです。
 その結果地球の中心部は想像を絶するような圧力を受け、地球という物体の総重量により超稠密な状態にあると考えられてきたのです。実際上記構造モデルでは、内核の圧力は約400万気圧、温度は約5,000~8,000Kもの超高温であるとされています。

 つまり地球中心部(内核)は溶融していて、深度を増すごとにかくも圧力が増大するとされてきたのです。これが「地球中心部圧縮説」と呼ばれるものです。
 しかしこれは以上見てきたように、「群盲象をなでる」の喩えどうりのモデルであり、決定的な問題のある構造モデルであるといえそうです。  (以下次回につづく)

 (大場光太郎・記)

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