「坂入姉妹」と童謡『ないしょ話』
-「坂入姉妹」が、安田祥子・由紀さおり姉妹のように大ブレークしますように !-
坂入姉妹さん
この度、『童謡「ないしょ話」秘話』に「坂入姉妹」を名乗る方からコメントをいただきました。私はてっきりこれは“ハンドルネーム”かな?と思いましたが、そうではなく童謡歌手“姉妹デュオ”の正式名称なのでした。
以下に坂入姉妹さんからのコメントをご紹介します。
*
初めてお邪魔させて頂きます。
童謡歌手の坂入姉妹と申します。
「ないしょ話」はコンサートなどでよく歌わせて頂いており、曲にまつわるエピソードを調べていたところ、こちらに辿り着きました。
大変勉強になり、心に響きました。
私達は東京に住んでおりますが、昨年山形でコンサートがあり、その際にどうしても「ないしょ話」の歌碑を見たいと思い、霞城公園に伺ってまいりました。
その件について、ブログにも書かせて頂いております。「坂入姉妹 ないしょ話」で検索して頂くとご覧いただけますので、よろしければ是非覗いていただけたら嬉しいです。
妙理様にも宜しくお伝え下さいませ。
*
本職の歌手の方からのコメントと知って、まずびっくりしました。それにコンサートで山形に行かれ、霞城(かじょう)公園に出向いて「ないしょ話歌碑」をご覧になったというのもびっくりです。
なお霞城公園というのは、旧山形城跡に造られた山形市内にある公園で、近隣では名園として知られています。『童謡ないしょ話』では触れられませんでしたが、同公園内にも「結城よしを作詞」の同童謡の歌碑があるのです。
「ないしょ話」 結城 よしを 作詞
山口 保治 作曲
1 ないしょ ないしょ
ないしょの話は あのねのね
にこにこ にっこり ね 母ちゃん
お耳へ こっそり あのねのね
坊やの おねがい きいてよね
2 ないしょ ないしょ
ないしょの おねがい あのねのね
あしたの日曜 ね 母ちゃん
ほんとに いいでしょ あのねのね
坊やの おねがい きいてよね
3 ないしょ ないしょ
ないしょの話は あのねのね
お耳へ こっそり ね 母ちゃん
知っているのは あのねのね
坊やと母ちゃん 二人だけ
「ないしょ話」は、昭和14年、童謡作家「結城よしを」により作詞されました。
19歳の時に書かれた作品です。
結城よしをは、大正9年に山形県南陽市宮内に生まれました。
当時の男の子達は、「大きくなったらお国のために頑張って戦おう」という思いが強かったそうです。
昭和16年7月に入隊。
そして北洋、南方を経てパラチフスに感染し、小倉の病院にて両親に見守られる中、昭和19年9月に24年の短い生涯を終えたそうです。
『童謡の謎』の作家である合田道人さんの著書によりますと、結城よしをの最後の言葉は、
「神様が僕にいいことを教えてくれた・・・それは童謡。僕の童謡を本にして下さい」
これが、『坊やのおねがい』であったそうです。
こちらが、歌碑です。
(坂入姉妹の童謡ブログ-『童謡「ないしょ話」歌碑』より)
それとさらにびっくりなのは、冒頭画像でもお分かりのとおり、坂入姉妹さんがうら若き姉妹であることです。私はコメントの「童謡歌手」を見て、童謡専門の歌手ならきっとかなりご年配なのでは、と当りをつけていたのでした。例えば往年の「こまどり姉妹」が、今童謡を歌っているというような…。(古いねぇ、私も-苦笑)
ところがあにはからんや。かくも若い美人姉妹とは ! 最近チアリーディングの佐竹美帆さんを紹介したように、「今どき美女」に目のない私は(笑)、実は今回は井上真央の話題を…と考えていたものを、1回飛ばして坂入姉妹さん紹介となった次第です。
それはさておきー。
これは当ブログで童謡を取り上げる場合、必ずといっていいほど言うことですが。昔懐かしい名童謡が、今では学校でも教えられず、テレビでも歌われません。そのため私などの年代は別として、若い世代はそれら名童謡をあまり知らないのではないでしょうか?児童の情操の涵養、文化の継承という観点などから、大変残念です。
しかしここに童謡歌手「坂入姉妹」の登場です。坂入姉妹さん(姉・坂入恵美、妹・坂入真紀)は、共に東京音楽大学声楽科卒業と、音楽、声楽の基礎からしっかり学ばれています。生の歌声は少ししか聴けないのが残念ですが、お二人の歌唱力は折り紙つきです。
童謡『ないしょ話』ももちろんそうです。ほかに『雨』『浜千鳥』『カナリア』『赤い靴』『雨降りお月さん』『叱られて』『うれしいひな祭り』『花嫁人形』『しゃぼん玉』などなど。
坂入姉妹さんには、安田祥子・由紀さおり姉妹からバトンを受け継ぎ、若い世代を中心に童謡の裾野をさらに広げる活躍を期待したいものです。
これも何かのご縁です。皆さん、坂入姉妹さんを、今後共々応援していこうではありませんか !
坂入姉妹プロフィール
http://care-comi.com/benri/douyou/sakairi.htm
坂入姉妹の童謡ブログ-『童謡「ないしょ話」歌碑』
http://yaplog.jp/sakaili-shimai/archive/209
坂入姉妹公式ホームページ
http://music.geocities.jp/sakairi_shimai/
坂入姉妹の歌う『七つの子』
http://care-comi.com/benri/douyou/1nana.htm
(大場光太郎・記)
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コメント
私達をご紹介いただきまして、ありがとうございます。
とても嬉しく思います。
また、ブログの記事も載せていただき、本当にありがとうございます。
差別用語の問題などでテレビやラジオ、教科書から童謡が消されつつある時代ではありますが、童謡には美しい日本語、日本ならではの風景や情景が綴られており、素晴らしい作品ばかりです。
次世代に大切に歌い継いでまいりたいと思っております。
未熟ではありますが、これからも姉妹仲良く、大好きな童謡を歌ってまいりたいと思いますので、応援のほど宜しくお願い致します。
また是非、童謡秘話など教えて頂けたら嬉しいです。
投稿: 坂入姉妹 | 2011年6月11日 (土) 16時08分
坂入姉妹様
またまたコメントありがとうございます。
私の方こそ、勝手に断わりなくコメントや貴童謡ブログ記事を引用させていただきまして。あしからずご了承ください。
ああ、そうでしたか。テレビ・ラジオなどから昔懐かしい童謡が聞こえず、学校でも教えない理由の一つとして、「差別用語」の問題があったのですか。私はかつて、極端な差別用語化は「用語の差別化を生む」というような観点から、『差別用語・考』『川向こう・考』などの一文を公開しました。放送業界や文科省のあまりにも硬直した方針に疑問を感ぜずにはおられません。
おっしゃるとおり昔の童謡は、結城よしををはじめ、北原白秋、野口雨情、鹿島鳴秋、西條八十などが心血を注ぐことによって結実した、言葉(と曲)による一つの芸術ですね。
元々当ブログは08年4月に、音楽サイトとして有名な『二木紘三のうた物語』の各歌への私のコメントを発展させる形で開設したものでした。カテゴリーに『名曲-所感・所見』があるのはそのためです。既に童謡・唱歌として『浜千鳥』『朧月夜』『雨』『早春賦』『たなばたさま』『雨降りお月さん』『どこかで春が』を収録しています。今後とも『カナリア』『この道』などを加えていければと考えております。
また当厚木市は、『夕焼け小焼け』を作詞した中村雨虹が終生住んでいた町です。雨虹とこの歌に関することも5回のシリーズ記事にしています。
貴重な童謡・唱歌などが失われることのないように。坂入姉妹様の今後のご活躍、陰ながら応援しております。
末尾ながら、8日に妙理様よりメールをいただきましたので、以下にその一部をご紹介致します。
*
大場様
ご連絡ありがとう、御座います。
坂入姉妹さんの事を知り嬉しく思います。
なんとなく、逢ったこともない叔父なのに、伝えたい気持ちは
きっと、母の思いなのですね・・・・
(中略)
童謡は、懐かしく心穏やかになります。
きっと、母のお腹の中で聞いていたのでしょうね。
今日は遅くなりましたが・・・有難う御座いました。
とても嬉しいです。
坂入さんに宜しくお伝え下さい。
ブログに伺ってみます。 myouri
投稿: 時遊人 | 2011年6月11日 (土) 23時38分
坂入姉妹さまのお写真を拝見して私もお若く美しいので驚きました。今日、童謡コーラスの会で「みかんの花咲く丘」を歌いました。作曲は、ほかに「お猿のかごや」「里の秋」などで有名な海沼実。作詞は「可愛い魚屋さん」でヒットした山口保治と組んだ加藤省吾でした。山口先生は、愛知県豊川市の出身で、「ふたあつ」「可愛い魚屋さん」「ないしょ話」が有名で、市役所の施設で、自筆楽譜など、関係資料を収蔵しているそうです。坂入姉妹様もそちらのほうへ、行かれることがあれば、市役所で確認されて訪問されては、いかがでしょう。結城よしを作詞と、山口先生作曲は、15曲もあることにおどろきました。
ちなみに、山口先生は、昭和36年に「かかしのねがいごと」で日本レコード大賞童謡賞金賞(歌 楠よしえ)受賞しています。
投稿: 刀根武夫 | 2014年5月16日 (金) 16時58分