かつての同志が菅直人を語る
ここにきて「菅降ろし」の流れが止まらなくなってきました。誰はばかることなく、「ポスト菅」や菅退陣後の「期限つき大連立」が公然と語られ始めています。
最後まで黙々と菅直人を支えるべき仙谷由人、岡田克也、枝野幸男ら悪徳連中が、泥船から一斉に逃げ出すように、自分自身の政治生命を失うことを恐れて我れ先にと菅離れを起こしているのです。
外堀どころか、最早内堀さえも埋められつつある状況です。
こうなると哀れささえ催してきます。しかし異常な権力亡者のこと、実際に退陣し官邸を去るのを見届けるまで、決して油断してはいけません。
菅直人は就任後、「私は総理大臣として後世に名を残したいんだ」と言っていたそうです。戦後の歴代の総理大臣を見続けてきた政治評論家の森田実氏は、「菅総理は、戦後最低、最悪の総理大臣だ」と評しています。
例えば室町幕府を開いた足利尊氏のように、時代によって「逆臣」とか「時代の変革者」とか、評価が大きく違ってくる場合もあります。しかし、こと菅直人に限っては、森田実評が覆ることはないのでないでしょうか。
皮肉を込めて言えば、菅直人は念願どおり“立派に”後世に名を残す総理大臣になったのです。
総理就任後の菅直人のご面相、日に日に「悪相」になってきました。心の想いはゴマ化しようもなく、顔に現われてくるものです。何年か前野党時代の颯爽としていた頃と比べてみると、まるで別人です。
私は“はなむけ”として、『菅直人-華麗なるペテン師人生の軌跡』という一文を贈ろうかと考えていました。しかしここに『msn産経ニュース』で、現在ホームレスをしているという、かつての同志(田上等氏)のインタビュー記事があります。市民運動の先駆けとなった、故・市川房枝女史に出入りした頃からの旧知だそうです。
赤の他人が書くより、ずっと説得力があります。
「市民運動家」出身議員として箔をつけるため、菅直人は市川房枝さんを目いっぱい利用してきました。その市川房枝さんは、生前側近に「菅君だけは絶対信用してはダメよ」「私の葬式に、菅君だけは呼ばないで頂戴」などと言っていたのだとか。
総理の器ではない者が総理のイスに執着しすぎた報いか。こうして次々に過去の悪事がばらされ、「栄光の虚像」が容赦なく剥ぎ取られていったのです。
権力欲に取りつかれるのが、いかに恐ろしいことか。以って「他山の石とすべし」です。
*
「菅さん、本当にそれでいいんですか」 ホームレスになったかつての同志が激白
急速に求心力を失いつつある菅直人首相の姿は、かつての同志の目にどう映るのか。過去に首相と政治行動をともにしながら、現在は明暗分かれて横浜市でホームレスとして暮らす田上等さん(61)に聞いた。(村上智博)
◇
菅さん、内閣不信任決議案の否決ではあざとい手法で首がつながりましたが、本当にそれでいいんですか。「してやったり」と思ったのでしょうが、鳩山由紀夫前首相との辞任合意をほごにし、すぐに「辞めることを約束したわけではない」と言うなんて…。
ペテン師と呼ばれて当然です。すぐにばれる嘘なんてしゃれになりませんよ。粘って時間稼ぎをしていればそのうち世論も付いてくると甘く考えていたふしがあるけれど、そんな延命策には誰もついてきやしません。いよいよ菅さんによって、日本の民主主義が壊されていくと感じました。
東京電力福島第1原発事故で何でも東電のせいにしたり、東電本店に怒鳴り込んだりしたのは、あなた独特の「合理性」からですね。みんな自己責任だと思っている。20年ほど前に私が自己破産したときも「自分の家を取られた不始末はお前の責任だ」と血も涙もなく突き放されました。それでも弁護士費用を立て替えてはくれましたが…。
あなたと出会ったのは、市川房枝元参院議員の選挙を手伝ったとき。あなたが選対本部事務局長で私が会計責任者。4つ年上で頼もしく見えましたが、当時から国家観や哲学なんてものはありませんでした。
昭和51年の衆院選に初めて臨んだ際は私が選対本部事務局長を務め、次に参院選に挑んで惨敗した後、次はどうするのか語り合いましたね。あなたは「たとえ応援してくれる人がいなくなって、おれ独りになってもやる」と強気でした。
いま、民主党内や野党からの「辞めろ」の大合唱にもめげない厚顔無恥な彼の姿に通じるものがあります。一度手にしたものは絶対、手放さない人です。
あなたは落選中、社会市民連合の代表となりましたが、口の利き方にはほとほとあきれていました。日ごろ手足となり応援してくれる年上の市会議員が事務所にきても、なぜか敬意を払おうとはしない。だから話はちっとも和まないんです。要は処世術がないのだと思います。
昔から、よく怒鳴っていました。そのくせ都合が悪くなると「田上く~ん」とすり寄ってくる。ひいき目に見ても、政治家としては修業が足りない。
私も昔は「菅さんが衆院議員になれば秘書になるのはおれだ」と思っていました。でも、結果が出ないと責任をすぐに「あいつが悪い」と人のせいにする性格が嫌になり、次第に距離を置くようになりました。
「菅が将来、もし首相になったら日本人を辞める」という仲間が周りに少なくなかったことを、ご存じないでしょう。
そんなあなたが首相になったのは国民にとっても不幸なことです。首相としての立ち居振る舞い、帝王学を学んだわけでもなく、たまたま自分のバイオリズムと世の中の周波数がかみ合ったからなれただけです。
大型連休中、まだ多くの被災者が不便な生活を強いられている中であなたが家族水入らずで中華料理店に行ったというニュースがありましたが、出前を取ればいい話です。
何を言われようと気にしない人だからしようがないけど、国民の生活が菅さんに「人質」に取られているように思えてくる。私だったら、自分の存在が果たして国民のためになっているのかを沈思黙考し、良心の呵責(かしゃく)に耐えかねてすぐにでも首相の座は降りるんですけどね…。
◇
【プロフィル】田上等
たがみ・ひとし 昭和25年生まれ、慶大卒。父は民社党の田上松衛参院議員。在学中から市川房枝元参院議員の選挙にかかわり、菅直人首相と知り合う。社会市民連合の創設メンバーの1人で、昭和54年から衆院選などに計5回立候補するもすべて落選。平成3年から15年間、国民健康保険組合で働いたが18年に退職。借金も重ねた結果、約3年前から路上生活を送り、古本集めなどで生計を立てている。離婚した元妻との仲人は菅首相。 (転載終わり)
出典元
http://sankei.jp.msn.com/politics/print/110604/stt1106419310003-c.htm
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