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由紀・安田姉妹、福島避難所で『故郷』を熱唱

      
            由紀さおり・安田祥子姉妹

 由紀さおり(62)と姉の安田祥子(69)姉妹のことは、6月の『「坂入姉妹」と童謡「ないしょ話」』の中で少し触れました。
 その由紀さおり・安田祥子姉妹が12日、東日本大震災の避難所となっている福島県福島市のあづま総合体育館を訪れ、慰問コンサートを行いました。
 「慰問」と言えば先の戦争の、淡谷のり子や高峰三枝子らによる戦地慰問が思い浮かびます。一部地域の方々にとっては今も非常事態が続いていることを、全国民は忘れてはいけません。

 由紀・安田姉妹にとってははじめての避難所訪問で、「つらい時間を少しでも忘れられれば…」と、約150人を前に『故郷』など童謡を中心に計26曲を披露したそうです。由紀さおりは「明確に支援していく意味を持てた」と話し、8月1日のチャリティ公演『あしたへ』(毎日新聞主催)に向けて誓いを新たにしたということです。

 あづま総合体育館では、福島第一原発事故で避難を余儀なくされた約490人が暮らしています。同原発から半径20km圏内の警戒区域に設定された南相馬市小高地区の住人らが共同生活を送る避難所に、由紀さおり・安田祥子姉妹の歌う『故郷』(ふるさと)が響き渡ったのです。
 福島県は同姉妹にとってもゆかりが深いのだそうです。長兄の夫人である義理の姉が南相馬市出身ということに加えて、福島に毎年のようにコンサートで訪れているため余計思い入れが強いということです。

  故 郷 (ふるさと)

     作詞:高野辰之、作曲:岡野貞一

  1. 兎追ひしかの山、
    小鮒釣りしかの川、
    夢は今もめぐりて、
    忘れがたき故郷。
  2. 如何にいます、父母、
    恙(つつが)なしや、友がき、
    雨に風につけても、
    思ひいづる故郷。
  3. こころざしをはたして、
    いつの日にか歸(かえ)らん、
    山はあをき故郷、
    水は清き故郷。
 およそ日本人であるなら老若男女を問わず『故郷』は何度も聴き、口ずさんできた歌であることでしょう。日本人としてこの国土のどこかに生まれたからには、各人一人一人にとっての「故郷」が必ずあるわけです。思い出の山、思い出の川…。
 その意味でこの文部省唱歌『故郷』は、すべての心の奥深くに溶け込んだ、日本人の心象風景を代表する歌と言っていいのかもしれません。

 それに加えてこの度、全く予期せぬ原発事故によって故郷を離れることを余儀なくされた南相馬市小高地区の人たちです。帰りたい、でも帰れない。
 現在童謡、唱歌を歌っては右に出る者のいない、由紀さおり・安田祥子姉妹の歌う『故郷』に、どれだけ望郷の念が呼び起こされ、胸がしめつけられ、また励まされたことでしょうか。
 どうか原発避難所のすべての方々が、一日も早くそれぞれの故郷に戻れますように。

文部省唱歌『故郷』-歌:由紀さおり・安田祥子
http://www.youtube.com/watch?v=-iVQ3r467pI
由紀さおりチャリティコンサート「あしたへ」-8・1、東京フォーラムホールC
(姉妹公式ホームページ) http://www.yuki-yasuda.com/concert.html 

 (大場光太郎・記)

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