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小沢氏「海江田」という意外な選択

 -国難的状況下の小粒代表選。誰が首相になっても前途多難と言うべきだが…-

 ぎりぎりまで手の内を明かさなかった小沢一郎元代表が、遂に支持する代表候補者を明らかにした。海江田万里経済産業相がその人である。意外な選択というべきである。おそらく小沢の“隠し玉”は他にいて、現候補者たちとは別に擁立するつもりで密かに準備していたのだろう。それが不調に終わり、次善の策として海江田に落ち着いたのではないだろうか。

 小沢元代表は先々週、石井一、輿石東、亀井静香と代表選について意見交換した際、「来週(つまり先週)は自分が動く。最後は一本にまとまる候補者がいる」と発言したという。つまりその時点で名乗りを挙げている海江田、野田、前原、鹿野、馬渕などとは別の、「党内融和」が図れる第3の候補者を念頭に置いていたと思われるのだ。
 小沢はその時ポスト菅の人物像として、「経験や知識があって命懸けでやる人でなければならない」とも語ったそうである。

 小沢の上記発言から判断するに、それらの条件に当てはまる人物は極めて限られてくる。つまりは鳩山由紀夫前首相か西岡武夫参院議長くらいしか思い浮かばないのだ。分けても先週しきりに囁かれたように、西岡議長の線がかなり濃厚だったのではないだろうか。
 菅直人首相による昨夏の参院選で民主党は惨敗し、「衆参ねじれ」状況を自ら作り出し、以後四苦八苦することになってしまった。今後ねじれ国会を乗り切るためにも、西岡議長、輿石参院議員会長の老練な野党対策でこの難局を乗り切るためにもまたとない妙手であったはずだ。

 西岡氏本人が固辞したのか、鳩山グループから反対論が出たのか、あるいはまったく別の要因が働いたのか。とにかく本来の小沢構想は結果として頓挫した。「豪腕」でならした小沢一郎らしからぬことである。
 そして鳩山らとの折衝の末折り合ったのが、鳩山グループ所属の海江田万里ということか。小沢にすれば諸般を考慮しての苦渋の選択だったのだろう。ともかく「国会泣き男」の異名が定着した感のある海江田にしてみれば、願ってもない“棚ボタ”といったところだろう。

 海江田万里は、05年の「郵政選挙」では落選の憂き目に遭い、09年の政権交代期待による強い追い風に助けられて返り咲き当選を果たした口である。菅政権下経済財政担当相になったはいいが、後からのこのこ入り込んできた、同じ選挙区(東京1区)で勝ったはずの与謝野馨(比例復活当選)に同ポストを奪われ、経済産業相に横滑りさせられる屈辱も味わっている。
 降って湧いような福島第一原発事故では、経産省官僚寄りだ、東電寄りだとさんざん批判され、ストレステストを巡っては菅首相に手柄を横取りされるなどが重なって、国会答弁中の異例の涙となった。
 それが今度は次期代表選の有力候補に躍り出たのである。これで本当に首相にでもなれば、「人生万事塞翁が馬」という故事は海江田のためにあるようなものではないか。

 海江田万里は昭和24年2月26日生まれ。私とは同年生まれであるが、彼の方が1学年上である。いわゆる「団塊の世代」として初の首相誕生の期待は一応ある。これは5候補すべてに言えることであるが、ただしこれまでの経産相としての実績からして、本当に「首相の器」かどうかは疑問符がつくところではある。
 具体的な政策などはあまりよく知らないが、一つだけはっきりしていることがある。小沢元代表の党員資格停止処分解除に言及しているように、もし首相に就任すれば菅政権下の「反小沢」から「親小沢」へと劇的に転換することだけは間違いないだろう。
 個別の政策や政治的力量はともかくとして、これこそが民主党再生のために一番必要な要素なのかもしれないのである。

 その代表選が本日29日に行われる。まったく慌しいことに、きょうの夕方には次期首相が決まっているのだ。
 そこで問題は海江田が果たして新首相になれるかどうかである。これは大問題だ。小沢元代表が実質的指揮を執る海江田陣営としては、出来れば1回目投票で過半数を制して決着つけたいところだろう。2回目になると、前原、野田などが合従連衡して思わぬ形勢逆転の可能性も有り得るからだ。「誠司とカネ」を引きずって、前原は意外と不人気らしい。すると2位野田、3位前原で、海江田対野田の決選投票か。仙谷、岡田ら「反小沢」一派はしゃかりきになって攻めてくるだろう。
 いずれにしもこの難局に、米国ジャパンハンドラーズの指令を受け、反小沢の頭目・仙谷由人が陰で糸を引く野田・前原連合を勝たせてはならない。

 圏外とみられる鹿野、馬渕候補は別として、野田、前原は、「第二自民党」菅政権の踏襲者でもある。菅直人には早く辞めてくれと言いながら、いざふたを開けてみればその亜流がポスト菅だったでは話にならないではないか。昨秋代表選で菅直人に投票した205名はそれを深く反省するべきだ。
 こうしてみると海江田は、次善の策とし致し方ないのかもしれない。

 (大場光太郎・記)

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