« 小沢氏「海江田」という意外な選択 | トップページ | 野田新首相、幹事長に輿石氏を起用 »

「野田で決まり」に深い失望感

-かくて悪徳旧勢力が幅を利かせるに比例して、日本はどんどん酷くなっていくのだ-

 本日は午後から外出していて帰ってきたのが夜の9時過ぎ。本日午後の民主党代表選の行方が気になっていたものの、それまで結果はまったく知らなかった。海江田万里で決まりだろうと思っていたが、一抹の不安もあった。
 早速ネットニュースを開いてみた。そのトップにある見出しには驚いた。それは読売ネットのものだったが、以下のようだった。
 「海江田氏、なぜ敗れたのか・・・1回目投票で1位」
 これですべてを了解した。1回目で決着がつかず、2位候補との決選投票となったのだ。という事は2位とは野田佳彦だろうから、海江田と野田との一騎打ちの末、野田が勝って海江田が敗れたということだろう。さらに詳細記事を読んでみたらやっぱりそうだった。

 前回の『小沢氏「海江田」という意外な選択』で触れた不安が現実になってしまったのだ。
 あーあっ、やんなっちゃうなぁ。またかよー。昨年の鳩山前首相辞任時の「6・2クーデター」以後、ずっとこんな悪夢を見せられっ放しだ。何度も変なデジャヴュが繰り返されてたまらんぜよ。
 菅直人という希代の「一難」は確かに除去できたのだろうが、代わって別の「一難」が待ち受けているのは確実なのだ。

 今代表選での民主党の選択とは、菅直人というどうしようもないのを野田佳彦という別の表紙に差し替えただけなのだ。中身は何も変わっちゃいないのである。
 日本憲政史上最低・最悪の首相だった菅直人は、こうして表紙から中身に潜り込むことにまんまと成功した。この者には辞めると同時に、東京地検に刑事告発されている外国人献金事件の追及、福島原発事故データ隠しによる住民被曝などで、犯罪人として法の下で厳しく裁かれるのが筋である。
 しかし野田という菅流政治の継承者を得たことによって、今後は裏に回って院政を敷く余地を残したのだ。法務省を抑えて、外国人と拉致実行犯親族会社への献金事件もうやむや決着となる可能性大である。

 野田&前原擁立の陰の仕掛け人である仙谷由人も息を吹き返した。中国漁船衝突事件、菅降ろし、大連立…。決定的成果ゼロどころか“ヘボ軍師”確定の陰険な策謀家が、野田の後見人として日本の政治を壟断する機会を再び得たのだ。仙谷は以前にも増して露骨な政治的専横をしてくるだろう。
 菅政権で重大な責任を負っていたのが、幹事長職にあった岡田克也である。昨年からの主要地方選での連戦連敗、政権運営上の度重なる失敗などにより、菅と共に政治生命が終わっていても不思議ではなかった。しかし今回の野田勝利によってしぶとく生き延び、なおかつ将来の首相の芽さえ残したと言えるのである。
 「世の中逆さま」とはこういう状況を言うのである。

 前原誠司は米国戦争屋系ジャパンハンドラーズのパペツトで、下手すると米国代理戦争としての日中戦争まで起こしかねない危ない人物である。そんな前原が選出されなかったのは、この国にとって不幸中の幸いというべきである。
 しかし1回目で3位となり2回目で野田勝利の立役者の一人となったのが前原である。これで次期首相候補の最右翼の地位を不動にしたといっていいだろう。小沢抜きの民主党が政権にあり続ける間は、この国にとっての危機が去ることはないのである。(だからと言って、自公政権への先祖返りを望んでいるわけではないので、誤解なきように。)
 その他枝野幸男、玄葉光一郎、安住淳、蓮舫などといった有象無象たちもまんまと延命に成功した。この者たちも含めた論考行賞人事があからさまに行われることだろう。

 2回目の決選投票の帰趨を決したのは、今泡沫候補だった鹿野道彦の動向だったようだ。以前記事で同県出身という理由だけで鹿野を推したが、とんだ見込み違いだった。鹿野は、小沢と野田グループなど反小沢側とを両天秤にかけていたのだ。そして最終局面でグループ挙げて野田支持に走ったのだ。
 山形県人の風上にも置けないとんだ食わせ者である。仮にもこんな者を推そうとした私自身の不明を恥じなければならない。

 その点馬渕澄夫は前非を悔いて、今回の決選投票では約束どおり海江田支持に回った。日本偏向協会(NHK)が「馬淵氏は野田支持に回ったもよう」といういう意図的(?)誤報のおまけつきだ。
 私は聞いていないが、候補演説では国家ビジョンを語るなど大器の片鱗を見せたという。民主党存続の有無に関わらず、将来首相になってもらいたい一人である。

 野田新首相となって確実に待ち受けているのは、財務省言いなりの大増税路線、ТPP推進など米国属国化、そして09マニフェスト全否定となる自公などとの大連立等々である。「米官業の利益が第一」の菅流政治の踏襲だから、嫌でもそうなるのだ。
 野田首相誕生に「今ミスター財務省」の勝栄二郎事務次官らが暗躍したというから、遂には19%まで行く筋書きという消費税大増税はもう確定だろう。

 ここでどうしても述べておきたいのが小沢元代表のことである。一部マスコミの論調では「小沢氏はこれで決定的な敗北を喫した」と書いている。確かに小沢元代表にとって今回の結果はダメージが大きいかもしれない。
 しかし今代表選も昨秋代表選同様、菅、仙谷、岡田らが主導したものであったことを忘れてはならない。初めから「民主党B」有利の流れだったのだ。そして前回と同じく今回も大マスコミが強力な「反小沢キャンペーン」を展開してくれた。そんな不利な条件の中、よくぞここまで健闘したと讃えるべきである。

 私は「これで小沢は終わりだ」などとは考えない。小沢は昨年頃から尊敬する『鄧小平伝』を折りに触れて読んでいるそうである。そして「鄧小平はオレの年頃にはまだ地方でくすぶっていたんだよな」と漏らしたという。
 確かに鄧小平は、例の文革を主導した江青(毛沢東の妻)ら四人組によって、長く地方に飛ばされていたのだ。鄧が復権して中央政府に返り咲いたのは72歳の時、私たちが知っているのはそれ以降の鄧小平なのである。
 それからすれば「オレなんかまだこれから…」というのが、小沢の心境ではないだろうか。

 それにこれで小沢元代表の政治生命が終わりということにでもなったら、日本はますます正義も何もない暗黒国家になるばかりである。
 後1、2年が悪徳旧勢力との熾烈な戦いの正念場である。小沢一郎を中心とする09年政権交代時の「正統民主党」「民主党A」の火を消してはならない。

 野田新首相の小沢元代表へのスタンスがどうなるのか、仙谷、菅らの「反小沢」路線を踏襲するのか、それとも本当に「党内融和」を図るつもりがあるのか。それは間もなく発表される、幹事長などの党人事や閣僚人事ではっきりすることだろう。もっとも仙谷らの策謀では、小沢グループの人材を重要ポストで抜擢し、小沢の影響力を削ぐことも考えているというから要注意である。
 しかし菅短命の最大の要因は「小沢排除」である。野田がもし賢明だったらそれを「他山の石」として、自分はどうすればいいのか分っていることだろう。

 小沢元代表と同グループの今後の対応は、野田新政権次第と言えるのだろう。もし仙谷らの影響が強すぎて小沢排除を止めないのなら、彼等とはしょせん「水と油」である。これ以上不毛な抗争を続けるよりは、小沢・鳩山ら「民主党A」は思い切って離党し、新党結成も視野に入れるべきである。
 党外には亀井静香、田中康夫、鳩山邦夫、桝添要一、松木謙公など錚々たるつわものや、自民党の共鳴議員などがけっこういるのだ。解散あるいは政界再編へと、「真の政治」を目指して政局は一気に流動化していくのではないだろうか。
 もちろんその主導権を握る人物こそ小沢一郎その人である。

 (大場光太郎・記) 

|

« 小沢氏「海江田」という意外な選択 | トップページ | 野田新首相、幹事長に輿石氏を起用 »

時事問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 小沢氏「海江田」という意外な選択 | トップページ | 野田新首相、幹事長に輿石氏を起用 »