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小沢首相も有り得る?混迷代表選

 -本当ならとっくに小沢政権ができていた。小沢への「大政奉還」は当然の話だ-

 民主党代表選が日程すら決まらず、さては菅直人首相と岡田克也幹事長による「(代表選)ヤルヤル詐欺か?」と心配になっていた。しかし岡田幹事長は21日のNHK番組で、代表選を29日に実施し30日に新首相指名選挙に臨みたい考えを明らかにしたという。
 菅首相の退陣条件である特例公債法案、再生エネルギー法案が26日までに成立する見通しであることが前提らしい。岡田幹事長は「26日午後に手続きを決めて、29日には(代表選が)終わっていなければならない」「告示から投票まで1日で済ませると、討論会を党主導で行う時間が取れない」と述べ、告示は27日に前倒ししたうえで、28日にも党主催の討論会を開催する意向を示したものである。

 就任以来失点続きで、菅首相とともに党内ですっかり信用を落としてしまったのが岡田幹事長である。その岡田の描くストーリーだから額面どおり受け取ることはできない。ただ民主党内はこれ以上の菅延命を望まず、今会期末である今月末までに新首相を決めることで合意形成されているのも事実で、ほぼこのストーリーで進んでいくとみていいのでないだろうか。
 
 それにしてもここ何週間かの代表選を巡るゴタゴタと、候補者と目される者たちの力量不足はどうだろうか。既に野田佳彦、海江田万里、鹿野道彦、馬渕澄夫、小沢鋭仁らが立候補を表明し、まだそれに続きたい者たちもいるらしい。どんぐりの背比べ的な稀に見る乱立状態である。
 この中で早くから本命視されていたのが野田財務相である。しかし野田には暴力団がらみの献金など幾つの「政治とカネ」問題を抱え、先日来の「震災は千載一遇のチャンス」「A級戦犯は戦争犯罪人ではない」という大失言によって自ら墓穴を掘り、代表選を前にして早や脱落かとも言われている。

 その隙に乗じて、立候補に色気たっぷりなのが前原誠司前外相である。野田も前原も松下政経塾出身である。今や政経塾出身議員は「頭でっかちで実行力が伴わない」との評価が定着しつつある。政経“悪”塾の第一期生である野田より当選回数や代表経験で勝る前原は、野田より自分の方が能力は上だと思っているのだという。
 党代表時代の「偽メール騒動」辞任、国交相・外相時代の八ッ場ダム、JAL問題、中国漁船衝突事件、北方領土問題…。かっこいい事をぶち上げては終いまで終結できずに、仙谷由人官房長官(当時)などに尻拭いをしてもらうことの繰り返し。「能力があるとはよく言うよ」である。
 前原は日米、日中関係の極端な落差に見られるとおり、特に外交面でエキセントリックな危なさを持っている。前原は菅直人以上に、首相にしてはいけない人物なのだ。

 それに何ヶ月か前外国人献金問題で外相を辞任したように、前原にはそれ以外にも一部マスコミが探っている「誠司とカネ」問題があるという。首相になったら追及されるのが必至なのだ。
 そういう事情から後見人の仙谷は、今回はどうせ来年9月の代表選までの「つなぎ政権」、今回は野田にやらせて、前原は切り札としてそれまで残しておきたいのが本心だったようだ。
 しかし野田が怪しくなってきた。そこで前原カードを温存するため、いっそ自分が立候補しようかというような思惑さえあるのだという。ますますグチャグチャの代表選レースである。

 あくまでも私個人の考えとしては、馬渕澄夫を第1に推したい。小沢代表の下での07年参院選時、ある夕方わが町の駅頭に小沢代表以下が応援のため集結した。ちなみに菅直人も来て一席ぶっていた。
 その時馬渕と至近距離で遭遇した。いつか馬渕時代が来たらもう少し詳しく書くかもしれないが、私は「おっ。この者は媚びない男だぞ」と直感した。小泉や菅のように、大衆に迎合しっ放しのポピュリズム政治屋ではダメなのだ。
 しかし馬渕は今回は時期尚早だろう。将来のための布石ではないだろうか。

 そこで私が次に推したいのが、鹿野道彦農相である。鹿野はかつては自民党三塚派に所属し「プリンス」と言われたそうである。しかし既に69歳と、小沢元代表と同じ年である。今回を逃せば後がない口である。私は鹿野の具体的な政策などはあまりよく知らない。なのになぜ推すかと言えば、鹿野が我が出身県である山形県選出議員(山形1区)であるという、ただその一事のためである。
 明治以来山形から総理大臣が出たことはない。今は「地方の時代」である。東北の弱小県から宰相誕生、いいではないか。何より3・11以降さんざんな目に遭った岩手、宮城、福島の隣県である。鹿野は被災各県の事情を誰よりもよく知り、どういう手を打てばいいかも分かっているはずだ。

 誰が代表になるにせよ、今代表選は小沢一郎を無視しては勝てない。何しろ小沢グループ、完全同調の鳩山グループなどを含めて既に230~240名の大陣容だという。今に至るも「小沢排除」を掲げる仙谷、岡田一派らの推す候補はまず勝ち目などないのだ。
 だから誰も彼も、あの野田までもが「小沢詣で」を検討しているという。海江田などは「小沢元代表の党員資格停止処分は見直すべきだ」と早々言明している。これは10月6日公判即日無罪確定かと言われる状況下、当然の話である。

 6・2の大チョンボによって今回は立候補見送りらしい原口一博元総務相は、震災後菅首相と面談し、「小沢さんは無罪ですよ。なぜ小沢さんを有効活用しないんですか」と直談判した際、菅は「そんなこと分かっている。(小沢は)総理を狙いにくるからダメなんだ」と訳の分からないことを口走ったそうである。
 もしここ2、3年来の米国による不当な干渉、検察、マスコミなどによる執拗な攻撃がなかったなら、政権交代即小沢首相誕生となっていたはずである。今でも小沢政権が続いており、この国家的非常時に最低、最悪の菅政権など存在しなかったはずなのである。

 過日の『日刊ゲンダイ』に面白い記事があった。小沢・鳩山グループは他グループの草刈場になるのを避け結束を強めるため、独自候補擁立の動きがあるというのだ。それは鳩山側近の一人・松野頼久元内閣官房副長官だという。まず代表選で松野を選出する。
 仰天なのはその先だ。代表になった松野は、党処分によって代表になれない小沢一郎を「総代分離」によって総理大臣に指名するというのである。

 私は小粒でその任でない人物が選出されるよりは、大穴として鳩山由紀夫の再登板もありかなとも考えていた。しかし仮にそれが実行に移されるようだと、さらにその上を行く仰天プランである。
 何せ1年余も党を分裂の危機に陥れ、この国に大きな政治空白を生じてさせてきたのが、菅、仙谷、岡田らだ。相手は前から何でもありの謀略連中である。いくら王道を行く小沢・鳩山といえども、それくらいの奇手・妙手は許されるだろう。

 (大場光太郎・記)

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コメント

大場光太郎様
お久しぶりです。
以前、何度かお邪魔させて頂いた
遠藤勝人です

去年の民主党代表選挙の、街頭演説会での、
小沢さんの演説は、本当に素晴らしかったですね!
今思い出しても、胸が熱くなってしまいます。
そして、公開討論会、管直人氏との差は歴然で、
横綱とフンドシかつぎ以上だったと思います。

その時、馬渕澄夫氏はどの様な、思いで見聞きしたのでしょうか? 
そしてその後の言動、決断に驚きと怒りを、禁じ得ませんでした。
彼は、明言しました。
『僕は代表選挙における政策比較で、大きくは経済政策、政治改革、行財政改革、税制の抜本改革について、具体的な施策の深化を示している、菅候補を支持することを決めた。』と 、正に晴天の霹靂でした。

ポストの密約と、官房機密費が動いたとしか思えませんでした。
その後、国交副大臣、大臣に任命されたのが、動かぬ証拠ではないでしょうか?
私は、この様な人間を、信用する訳にはいきません。

大場様の直感を否定する心算は、毛頭御座いませんが、どうしてもひと言申し上げたかったので、失礼を承知で投稿させて頂きました。


投稿: 遠藤勝人 | 2011年8月23日 (火) 09時52分

遠藤勝人様
 久しぶりのコメントありがとうございます。
 小沢一郎はいわゆる能弁のタイプではありません。決して「口がお上手」ではないですよね。どちらかと言うと朴訥な話し方です。しかし小沢の一言一言には「重み」があります。例えば言葉の軽い小泉や菅とは、政治家としの責任・自覚の度合いが段違いなのだと思います。それに政治やその他社会全般に対する、広くて深い哲学や見識も感じられます。
 馬渕澄夫は確かに昨年代表選では菅支持でした。人間誰しも過ちはあるものです。しかし馬渕はその後の菅政治を間近で見て、「これではダメだ」と心底思ったのはないでしょうか。国交相辞任後、小沢氏に辞任挨拶のため面談してもいます。
 今後の馬渕の政治姿勢を慎重に見極めていきたいと思います。

投稿: 時遊人 | 2011年8月23日 (火) 14時02分

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