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ТPP参加-米国属国化確定の道

 -米官業の言いなりで、この国の米国属国化に突き進む“ダメナノダ”政権-
 
 来月中旬開催のホノルルAPECでの我が国のТPP参加表明に向けて、野田佳彦政権が前のめりになっています。この問題は、この国の将来の根幹に関わる重大問題だけに、民主党内でも国会でも慎重に論議を重ね、なおかつ国民の広い意見集約とコンセンサスが不可欠です。

 米国追随の大先輩政党である自民党の谷垣禎一総裁ですら、「速やかに党内論議を始めなければならない」としながらも「拙速による結論は望ましくない」と、ТPP参加には慎重な構えをみせているほどです。
 世紀の疫病神・菅直人前首相が、昨年10月突如「ТPP参加」を言い出してから、民主党政権幹部の間ではТPP参加が規定事実化してしまっています。どうせ国益などこれっぽっちも考えない、財務省、経済産業省などの霞ヶ関官僚群や財界などの差し金なのでしょうが、菅前首相から禅譲を受けた野田政権は、今回本式に「参加表明」するつもりなのです。

 「ちょっと待ってよ !」ではないでしょうか。2015年の加盟国内の関税100%撤廃を目指し、ありとあらゆる農産物、製品、サービスが完全自由化されるという大問題を、ろくな論議もないまま参加表明していいものでしょうか。
 議論検討すべき問題は山ほどあるのです。

 やはり最大の問題は農作物、農業保護です。農地面積に何百倍もの開きがある米国、オーストラリアなどに対抗するすべなどなく、農産物自由化によって、米・豪から激安農作物が大量に入ってくることになります。
 これによって我が国農家は壊滅的打撃を受け、約340万人が仕事を失うとみられています。今の自給率40%ですら他の主要先進国ではあり得ない数字なのに、自由化によってさらに14%にまで落ち込むとの恐ろしい試算もあります。
 さらには米国が強く要求している牛肉の制限緩和要求によるBSE牛肉流通の危険性の問題、遺伝子組み換え食品が国内に大量に流通されることになる問題等々。

 水産漁業も事態は深刻で、外国資本が大量に我が国漁業権を買占め、漁業分野に参入してくることになります。ここでも漁業関係者は大打撃です。特に東日本大震災で被害を受けた宮城、岩手の漁業、漁港は復興どころではなくなります。
 農林・水産はいわば、国の根幹、国民生活の基本をなす「食の安全保障」に関わる重大問題です。何も軍事的防衛だけが安全保障ではないのです。
 農協関係者、漁業関係者が「ТPP反対」署名を繰り広げるのは当然ですが、国民ももっと強く「ТPPノー !」の声を上げるべきなのです。

 ТPPでは入国審査の簡素化も掲げていますから、ベトナム、ペルーなどからの低賃金労働者の“輸入”によって、製造業、建設現場などへの外国人労働者の進出が一段と進み、高コスト日本人の失業率ははね上がることになります。
 その他金融の自由化によって国内金融は乗っ取られ、保険の自由化によって郵貯・簡保などの国民資産がとんどん米国に流出していくことになります。

 詳細に検討すれば、問題点はまだまだあることでしょう。
 元外務省国際情報局長の孫崎亨氏は「メリットは何もない。デメリットばかりです。日本の参加は結局、アメリカの傘下に入るということ。この20年をみても、アメリカと連携して経済は良くなったでしょうか。真剣に考え直す必要があります」と述べています。

 まさにそのとおりなのです。ドルの世界基軸通貨としての地位が危機に瀕していることからも明らかなように、今やアメリカは世界経済の中心ではなくなっています。中国、インド、ブラジルなど新興国といわれる国々がこれからの世界経済の牽引力となっていくとみなればなりません。
 そしてこれらの国々は余裕で「ТPP不参加」を決めています。加えて北アメリカ経済圏のカナダですら参加を見送っているのです。
 
 「ТPPの協定内容はすべてアメリカの議会によって承認されなればならない」「規則や義務の変更はアメリカ議会の承認が必要となるため極めて困難である」(ニュージーランドのオークランド大学 ジェーン・ケルシー教授)
 つまりТPPとは、「(落ち目の)アメリカの、アメリカによる、アメリカ救済のための協定」であることが明らかです。

 菅前首相以来民主党政権は、政権交代時の国民との約束であるマニフェストを平気で破ってきました。そもそもТPPなど、選挙公約にはどこにもなかった話ではないですか。
 公約違反極まれりです。旧来の自民党政治の限界がはっきり分かって、国民はそこからの脱却を期待した民主党が今や、「第二自民党」いな「自民党以上の自民党」に成り下がっているのです。

 「開国」ならぬ「壊国」に一直線の大公約違反を犯している以上、野田民主党政権はТPP参加などをめぐって今すぐ国民に信を問うべきです。それほど米オバマ大統領にТPP参加という手土産を持って行きたいのなら、総選挙で勝利してからにしてもらいたいものです。

 (大場光太郎・記)

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