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橋下大勝利後の政局について

 -独裁志向の橋下、石原を加えてもいいから、一日も早い新党結成を強く望む-

 橋下徹(はしもと・とおる)という人物について、私の一貫した見方は「軽薄短小」だった。思い出していただきたい。橋下の名前が知られるようになったのは、島田紳助がすべてを仕切っていた、いわくつきのテレビ番組『行列のできる法律相談所』(日本テレビ)だったことを。同番組のレギュラー弁護士として、少しばかり気の利いた発言が評判となり一躍名前が全国区となったのだ。
 同番組を足がかりに大阪府知事に転身したのは、少し前お笑い芸人のそのまんま東(東国原英夫)が宮崎県知事になったケースと似たり寄ったりである。

 小泉純一郎、そのまんま東、橋下徹など、テレビを目一杯利用する政治家に共通の要素がある。その第一の特徴は、国民、選挙民受けするパフォーマンスに長けていることである。その政治手法の根っこにあるのはポピュリズム、大衆迎合なのだ。
 しかし今日の「テレビ政治」「劇場型政治」的状況下では、彼らお得意の手法を多くの政治家が羨望のまなざしで見ているのらしい。

 このように、私の「橋下徹観」は決して好意的なものではなかった。だから橋下が府知事になってからも、彼の政策などについてさほど興味が湧かなかった。と言うより『どうせ首都圏から離れた所の首長なんだし、何を言おうとしようと…』と、あえて無視するようにしてきたといった方がいいかも知れない。
 だから橋下のこれまでの府知事としての言行録や具体的政策などは、あまりよく知らないのである。

 そんな橋下徹が、どういうわけか(「大阪都構想」実現のため?)自らは大阪市長に降格立候補し、府知事には彼の息のかかった松井一郎氏を担ぎ出し、ダブル選に持ち込んだ。
 そして思惑どおり府知事選、市長選のダブルで、民主党や自民党という二大政党を寄せ付けない圧倒的勝利を得たのである。そのことが今後国政にも大きな影響を及ぼしそうだとなると、従前のように、“とっちゃん坊や”的風貌の橋下を軽薄短小とばかりは言っていられなくなる。

 今回の大躍進によって、橋下徹率いる「大阪維新の会」が台風の目となって、中央政界にも“維新の新風”を吹き込んでくれれば大変ありがたいことである。
 民主、自民、公明、みんなの党…。どの党を見ても「原発存続」「ТPP推進」「消費税増税」などで大差のない「米官業の利益が第一」である。これでは各政党の存在意義などないではないか。また国民の選択が予め奪われているにも等しいのである。

 大阪ダブル選直前「オールジャパンでわが国の国力をアップする方策を考えないといかん」と、亀井静香国民新党代表が「新党構想」をぶち上げた。野田現政権の財務省主導、米国ポチ政策では、国力はますます低下し、下手すれば永久に「落日の大国」米国の属国状態になりかねない状況である。亀井新党構想は、そんな売国政権と真っ向対決する意思表示の表れとみられている。
 「オールジャパン」である以上、ダブル選での勝利濃厚な橋下「維新の会」へのラブコールの意味もあったようだ。それに対して勝利を確信した橋下は、「亀井構想に乗るつもりはない」とそっけない返事だった。

 ただ権力志向が人一倍強いらしい橋下のこと。今回の躍進を足がかりとして「次は中央政界へ」との想いが一段と強まったことだろう。自分を高く売りつけ、新党結成でイニシアティブが取れるのなら、前言を翻して加わる可能性が高いのではないだろうか。

 それにしても「オールジャパン」の亀井構想。橋下はもとより、石原慎太郎都知事、平沼赳夫たちあがれ日本代表そして小沢一郎民主党元代表…とびっくりのメンバーである。
 この年末か来年春頃か。これが本決まりになれば、さらに鳩山由紀夫、田中康夫、田中真紀子、鳩山邦夫、桝添要一、松木謙公らも加わることになるのかも知れない。まさに圧巻、壮観である。
 だが、そう言っちゃあ身も蓋もないけれど。こんな一癖も二癖もある「オレが、オレが…」の連中を、一体誰が束ねるの?亀井さん、アナタ一人でまとめきれるの?という疑問が湧いてくる。

 そこでやはり注目は小沢一郎である。小沢元代表は、民主党では“座敷牢”に閉じ込められていた。仮に離党ともなれば、政界随一の豪腕が野に放たれるのである。
 それでなくてもここのところの小沢元代表は、消費税増税などで野田政権への批判を強めている。いざとなれば、小沢グループなどを引き連れての100人規模での集団離党となるのだろう。
 一気に政界再編が視野に入ってくるのである。

 有志は脱原発、ТPP反対、(霞ヶ関改革抜きの)増税反対、郵政民営化見直し…などの政策で一致しているとみられている。小沢一郎にとっては、改めて「国民の生活が第一」の政策を掲げ直す絶好の機会でもある。

 是非このまま新党結成に突き進んでいってもらいたいものである。
 ただメンバーの中で調子っ外れなのが二人ほどいる。石原都知事と橋下大阪新市長である。二人は「独裁志向」で共通している。この二人に牛耳られるようだと、この国は先々かえってヤバイことになりかねない。
 新党結成により石原首相誕生、さらには橋下が一気に全国的な力を蓄え「ハシズム」(橋下によるファシズム)の足がかりとすることだけは願い下げである。
 その重しとしても、小沢一郎の存在はどうしても不可欠である。

 そんなことは後でじっくり対処するとして。民主、自民という対米従属“亡国”政党に対抗し得る、新政党の一日も早い結成を強く望むものである。

 (大場光太郎・記)

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