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2011流行語大賞

 -痛ましい出来事を忘れないためにも「東日本大震災」にすべきだったのでは?-

 こういうニュースに接すると『あヽ今年も後わずかなんだなぁ』と思わせられます。1年の世相をよく表わすとされる、毎年恒例の「ユーキャン新語・流行語大賞」が、12月1日都内で発表されたのです。
 「恒例」といえば当ブログでも、2年前の09年からこの話題を取り上げてきました。そこで今年も、恒例の独断と偏見に基づいたコメントをしていきたいと思います。

 1日発表された大賞10点は以下のとおりです。
 「なでしこジャパン」「絆」「どじょう内閣」「どや顔」「帰宅難民」「こだまでしょうか」「3.11」「風評被害」「ラブ注入」
 その中で栄えある最高賞の「年間大賞」に輝いたのは「なでしこジャパン」。今年の女子サッカーW杯で優勝した日本代表なでしこジャパンのことは、その時期記事にもしました。だからとやかく言うつもりはありません。と言いながらとやかく言いますけど、「なでしこ」を流行語にしてしまうのはいいがなものか、という思いがあります。

 と言うのも、なでしこジャパンには今年の世界一に満足することなく、今後とも世界のヒノキ舞台で大活躍し続けてもらわなければ困るからです。
 それが「流行語」では、まるで今年の大偉業はまぐれ当たりのフロック、どうせ今年だけの1回限りのものなのだから特に流行語の最高賞を与えましょう、そんな感じがしないでもありません。

 既に国民栄誉賞や紫綬褒章などを受章しているなでしこジャパンに対して、失礼なのではないでしょうか。
 そのせいでもないでしょうが、授賞式には澤穂希など各選手や佐々木則夫監督の姿はなく、代わって日本サッカー協会の上田栄治氏(女子委員会委員長)が出席しました。同氏は選手・監督が来なかった理由を聞かれ、「ワールドカップ以来ずっと忙しくて、きようは練習だと思います」と苦笑いしていたそうです。
 もっとも大賞10点の授賞式に姿を見せたのは「こだまでしょうか」のCMを製作したACジャパンの担当者と、「帰宅難民」を実際体験した会社員女性のみで、例年に比べて寂しい発表会となったようです。

 それと「なでしこ」は確かに一時期大フィバーでした。しかしW杯(7月)からだいぶ経った今では世間の関心もだいぶ薄れてきています。なのにこの言葉を後の世に「今年の代表的流行語」として残してもいいの?という疑問もあります。
 昨年は「ゲゲゲの」。20%強のNHKの朝の連続小説『ゲゲゲの女房』ファンくらいしか知らない言葉でした。昨今の大不況下トヨタをはじめとした大企業でも四苦八苦の中、受信料などで増収・増益で内部留保ザックザク、その実報道・ニュース番組では露骨過ぎる偏向報道。まさかそんなNHKにおもねったわけでもあるまいね?と疑問符のつく年間大賞でした。

 だから昨年ほどではないにせよ。この流行語大賞の選考メンバー、と言うよりバックに控える主催者のユーキャンなど、少し世間の感覚とズレてんじゃないの?と思わないでもありません。

 やはり今年最大の出来事として、後世まで語り継いでいかなければならないのは、東日本大震災であり福島第一原発事故です。さすがに、それを表わす「絆」「帰宅難民」「こだまでしょうか」「3.11」「風評被害」と、10のうち半分を占めています。
 「アリバイでしょうか」。
 
 被災地や福島第一原発周辺地の方々のみならず、すべての日本国民の受けたショックの大きさからして、私は今年はすべて大震災、原発事故関連が占めてもおかしくはなかったと思います。
 そう思って思い出してみると、出てくるは出てくるは。
 「東日本大震災」「大津波」「避難所生活」「福島第一原発事故」「被災地」「水蒸気爆発」「計画停電」「内部被曝」「放射性物質」「セシウム」「メルトダウン」「汚染牛」「除染」「がんばろう日本」「人工地震」「HARRP」(最後の2つは当ブログなど一部で)……。

 それがいかに悲惨なものだったとしても。やはり後世にしっかり語り継ぐためにも、今年の年間大賞は「東日本大震災」ではなかったでしょうか。

 また少し(大いに)皮肉を込めれば。枝野幸男官房長官(当時)の名文句、「ただちに健康に影響が出るものではありません」略して「ただちに影響ありません」が、あれれれっ、ベスト10にも入ってない?
 これに関しては、金子みすず「こだまでしょうか」のパロディまで出来たのに。さすがに最高賞とは言わずとも、時の菅直人政権(と東電、経済産業省、原子力保安院など)がいかに非道(ひど)い対応をしたかを長く記憶に留めるためにも、ベスト10にこれを入れない手はなかったと思うのです。

 流行語大賞関係者には、批判精神が大いに欠けているのではないでしょうか。それともこの賞も、そういう事を発揮してはいけない官僚・業界システムに組み込まれているの?

関連記事
『このごろ永田町で流行る詩』(11年4月)
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-2e01.html
『2010流行語大賞』(10年)
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-a0b6.html
『「流行語大賞」に思うこと』(09年)
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-34db.html

 (大場光太郎・記)

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コメント

流行語大賞
自分としては「御用学者」です

投稿: ぴぴぴぴ~ん | 2011年12月13日 (火) 13時11分

 ぴぴぴぴ~様。ああなるほど「御用学者」ですね。
 私はうっかり忘れていましたが、東大閥の学者たちが「原発推進」の強力な原動力となって、経済産業省、東電などと一体化して全国の原発建設を進めてきたようですね。
 「東大の権威」など以前ほどには信奉されていないでしょうが、今回の原発事故によって、東大悪がさらに明るみに出ました。霞ヶ関官僚の多くも東大出身者が占めていますが、まあロクな連中ではありません。風通しのよい日本にするために、霞ヶ関改革とともに東大の解体的改革も必要なようです。
 「私の流行語大賞」ということで、「御用学者」大いにいいのではないでしょうか。

投稿: 時遊人 | 2011年12月13日 (火) 16時04分

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