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マーク・トウェインのこと

 11月30日、グーグルがまた「変わりロゴ」になりました。それも縦は通常ながら、横は画面いっぱいの超ワイドロゴです。その中に牧場かどこかの柵らしいものを背景に、アメリカ少年らしき2人の少年の3カットが描かれています。その柵にペンキで「Google」の文字を描くプロセスのようです。

 今年の同日は、アメリカの作家マーク・トウェインの「生誕176周年」にあたるのだそうです。すると2人の少年のうちの一人は「トム・ソーヤー」ということなのでしょうか。
 これまでにない超ワイドロゴにはびっくりしましたが、グーグルさんの「遊び心」には感心させられます。また時折りのこういう企画によって、過去の偉人たちの優れた業績を再認識するきっかけが与えられます。

  マーク・トウェインの代表作『トム・ソーヤーの冒険』は、アメリカのみならず世界中の子どもたちから愛されている作品です。ただ私自身は、これを含めてトウェインの作品を一冊も読んだことがありません。だからその略歴・業績よく分かりません。
 しかしそれではこの記事後が続きませんので、いつものとおり『ウィキペディア』の力を借りて、トウェインの事跡を簡単にご紹介してみたいと思います。

 

 マーク・トウェイン(1835年11月30日~1910年9月21日)は、米合衆国ミズーリ州フロリダで判事を父に持つクレメンス家の6人兄弟の5番目として生まれました。同家は17世紀半ば米合衆国バージニア州に移民してきた旧家で、家伝によれば、(17世紀初頭のイングランド王・スコットランド王)チャールズ1世治下の判事グラム伯爵にまで溯る名門だそうです。
 ただトウェインが生まれた頃は没落していて、トウェイン自身は経済的に厳しい中で幼少期を過ごしました。

 トウェインが12歳の時、父が多くの負債を抱えて死去し、直後から2年ほど長兄が経営する新聞社の仕事に就きます。以後印刷工、蒸気船の水先人見習い、資格を取得して同水先人、米連合国軍の少尉、新聞記者などさまざまな職業を経験しています。
 作家になったのは34歳(1869年)からですが、『トム・ソーヤー』をはじめ彼の作品にはその経験が大いに生かされています。それ以後数多くの小説やエッセイを発表し、当時最も人気のある著名人になりました。

 マーク・トウェインはペンネームで、本名はサミュエル・ラングホーン・クレメンス。「マーク・トウェイン(Mark Twain)とは、川を蒸気船が航行する際の測深手の水先人への合図、“by the mark,twain”から採ったものだそうです。「twain」は約3.6mということで、これは蒸気船が座礁せず安全に通航できる限界の浅さとのことです。
 トウェインの作家としての、人生上のスタンスがうかがわれるネーミングです。

 後世の著名な米国作家の「マーク・トウェイン評」を紹介します。
 「最初の真のアメリカ人作家であり、我々の全ては彼の相続人である」(ウィリアム・フォークナー)
 「あらゆる現代アメリカ文学は、マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィン』と呼ばれる一冊に由来する」(アーネスト・ヘミングウェイ)

 大いに変わったエピソードとして。
 マーク・トウェインが生まれた1835年はハレー彗星が観測された年でした。そのためトウェインは後年「自分はハレー彗星と共に地球にやってきたので、ハレー彗星と共に去っていくだろう」と周囲に吹聴していました。事実次に同彗星が到来した1910年に世を去り、彼の“予言”は見事に成就したのです。
 「ハレー彗星と共に去りぬ」。いいではありませんか、宇宙的ロマンがあって。
 「願はくば花(桜)の下にて春死なむかのきさらぎの望月(もちづき)のころ」と歌に詠み、実際そのとおりに寂静したのが西行法師です。トウェインも、予め「自分の死をプロデュース」出来た数少ない一人のようです。

 マーク・トウェインは多くの名言・警句を残しています。彼の数々の言葉は今でも、世界中で群を抜く頻度で使用されているといいます。今回各サイトをのぞいて、その一端に触れることができました。私が独断で「これだ !」と思ったものを幾つか以下にご紹介してみます。

 中には思わず「クッ、クッ」と笑ってしまった格言もありました。しかし立ち止まって考えてみると『なるほど確かに』とうなずけます。じっくり味わってみると、トウェインは何と「この世通」「人生通」の智者だったんだろうと、その透徹した洞察力、批判精神には脱帽です。
 このような人間世界の種々相を鋭く抉った言葉が、彼の作品中に散りばめられているのでしょう。この年になって何ですが、改めて『トム・ソーヤーの冒険』や『ハックルベリー・フィン』を読んでみたくなりました。

                       *

 持っているもので満足できるのが豊かということだ。もっとお金が欲しいと思っている限り、その人は豊かではない。

 もし、人間と猫をかけ合わせて新しい動物をつくることができるのなら、人間には改良だが、猫には退化となろう。

 死にそうな犬を拾って助けてやればその犬が君にかみつくことはない。
 そこが犬と人間の大きな違いだ。

 人間は誰もかも頭がおかしいということを思い出せば、謎は消え、
人の世がすっきりとわかる。

 アダムはリンゴが欲しかったから食べたのではない。
 禁じられたから食べたのだ。

 真実が靴の紐を結ばぬうちに、虚偽のニュースは世界を一周してしまう。

 人間が人間を創造していたなら、自分のしたことが恥ずかしくなるだろう。

 もしもキリストがこの世におられたら、最もなりたくないものが一つある。
 -キリスト教徒だ。

 多数派は常に間違っている。自分が多数派にまわったと知ったら、
それは必ず行いを改めるか、一息入れて反省する時だ。

 人間はみな月だ。誰にも見せたことのない暗い面を持っている。

 じゃ、また。いずれあの世で会えるんだから。   (引用終わり)

参考・引用
『ウィキペディア』-「マーク・トウェイン」の項
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%B3
『マーク・トウェイン-悪魔のことわざ』
http://park23.wakwak.com/~fujix/kMarktwin.htm
『マーク・トウェイン格言集』
http://kuroneko22.cool.ne.jp/Twain.htm

 (大場光太郎・記)

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