« 2011流行語大賞 | トップページ | 三浦洸一『落葉しぐれ』 »

川上未映子のこと

 『日刊ゲンダイ』(12月2日・5面右下段)に、
   史上初 芥川賞カップル 川上未映子阿部和重と“デキ婚”
という見出しのやや短めの記事がありました。

 女優でもあり、08年『乳と卵』で芥川賞を受賞した川上未映子(35)が、同じく05年『グランド・フィナーレ』で同賞授賞の阿部和重(43)と結婚し、史上初の“芥川賞カップル”としてちょっとした騒ぎになっているというのです。
 2人は知り合って3年、共に“バツイチ”ながら阿部の方がメロメロで今年川上に求愛し、押しの一手で同居するまでになっていたそうです。結果この10月に婚姻届を提出。新婦は既に妊娠中の“デキちゃった婚”で、来年の初夏に出産予定といいます。
 2人の相性はすこぶる良く、書斎も一緒で、互いに刺激し合いながら創作活動に励んでいるそうです。

  

 ここのところ当ブログ、『加藤ミリヤ-芥川賞狙える?』『金原ひとみ-今注目されている理由』などすっかり芥川賞づいています。そこで一応は今回記事もその関連と言うこともできます。
 しかし実のところそれだけではありません。川上未映子については、ずっと以前から取り上げたかったのです。ただなかなか機会がなく、今回の『日刊ゲンダイ』記事がちょうどいいキッカケになってくれた格好です。

 ここからは少し気安く「川上未映子さん」と書かせていただきます。と言っても向うさんは、押しも押されもせぬ芥川賞作家、女優その上人の妻と、こちとらとはまったく何の接点もない“雲の上”のような存在です。
 唯一わずかな接点があるとすれば、(川上さんから「それがどうしたの?」と言われそうですが)共に「ココログブログ仲間」であるということです。

 私が、星の数ほどもあるココログブログの中で、「川上未映子ブログ」があることを知ったのは、当ブログを開設した08年春のことでした。
 ブログを開設したはいいけれど、当初はどんな記事を書いていいのやら分からず。取りあえず当時あったココログカテゴリーの中から、「身辺雑記」「雑記」「日常」「日々のこと」などを選び、それに沿った内容の記事をせっせと書いていました。(当ブログでは、これらのカテゴリーを今でも用いていますが、ココログとしては昨年春から新カテゴリーに移行。)
 
 その中に「詩」カテゴリーもあり、その時に作った詩や、ずっと昔に作った詩を時折り公開していました。そのくらいですから、ココログ全体としてどんなブロガー仲間がどんな詩を作っているのか興味が湧いてきます。
 ブロガーたちのそんな需要を充たすためか、当時は詩なら詩カテゴリーをココログとして統括するページが用意されていました。そのページを訪問すると、新着の詩のタイトルと最初の部分がズラッと表示されていました。また同ページ上部には、どの詩にアクセスが多いか、「デイリー(日ごと)」「マンスリー(月ごと)」で1位から5位までタイトルのみが表示されていました。

 ある時「マンスリー」である詩だけが単独ぶっちぎりで、何日も何日も表示されっ放しなのに気がつきました。タイトルは『結ぼれ』というのです。ふと気がついて、俄然興味が湧いてきました。
 『変わったタイトルだけど、一体誰のどんな内容の詩だ?』。タイトルをクリックすれば、当該ブログの当該詩に飛んで行けます。そこで早速そこを訪れてみました。
 もうお気づきでしょう。その『結ぼれ』の作者こそが川上未映子さんだったのです。

 そのブログ名は『未映子の純粋“悲”性批判』というのです。これはかの哲学者カントの名著『純粋理性批判』をパロったものと直ぐ分かりました。それくらいですから川上未映子なる女性の才知のほども。
 実際の詩を読む前にまず驚いたのはそのブログ構成の質の高さです。私など逆立ちしても適わないほどの、白を基調としたセンスのいいハイ・クオリティブログです。本記事が真ん中で、左右にサイドがあります。

 左サイドトップには、川上さんご本人の堂々たる横向きの画像。しかも念が入ったことに左手にマイクまで持って、何かを歌っているもののようです。それまで名前は知らなかったものの、『さては真鍋かをりなみの芸能人か?』と、その頃ココログダントツ人気の真鍋かをりさんを連想してしまいました。
 真鍋ブログとは趣きがまったく異なるものの。私の勘は間違いではなく、後で知ったところでは、川上さん元は大阪出身のミュージシャンだったのです。

 とだいぶ長くなりましたが、肝心の『結ぼれ』です。
 かなりの「長編詩」ですが、これがほんの2、3聯目を通しただけで、『ウーン、お主ただ者じゃないな』と、ショックを受けるほどの“優れもの”だったのです。これじゃあ、ココログ内外の詩愛好家からのアクセスが殺到し、何年もマンスリー首位独走もムリないわ。
 『こんなプロの詩人がココログにいたんじゃ、とても適わないや』。後でプロの詩人というわけではなかったことが分かりましたが…。

 ますます川上未映子さん興味が湧き少し調べたら、何と現在では「芥川賞作家」と知ってさらにびっくりです。
 『結ぼれ』自体05年10月の作であるように、川上さんがココログのブロガーになったのはかなり早かったようです。当初はミュージシャンとして売り出すためというのが開設理由だったようです。
 しかしこのブログがユーザーからバカ受けし、ついでに小説を書いてみたところ『乳と卵』で芥川賞を取っちゃって。「どうせだから小説家を本業にしちゃえ」というような次第だったようです。

 『結ぼれ』。作家になる前の川上さんの才能が迸っているような詩です。著作権法の関係で掲載できませんが、一読、再読して決して損はないです。
 いち早く「お気に入り」に入れて、当時はしばしば訪問していました。その後私自身詩を作らなくなった関係ですっかり訪問が途絶えていました。今でも時たまエッセイを更新しておられますし、これを機会に「新たな刺激」を受けにまた訪問開始したいと思います。

『未映子の純粋悲性批判』(『結ぼれ』)
http://www.mieko.jp/blog/2005/10/post_a2c8.html

 (大場光太郎・記)

|
|

« 2011流行語大賞 | トップページ | 三浦洸一『落葉しぐれ』 »

日々のこと」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 2011流行語大賞 | トップページ | 三浦洸一『落葉しぐれ』 »