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ニュートン世界と量子世界(1)

 -まずは、ニュートン力学と量子力学の決定的な違いなどについて-

 のっけから何ですが。「私たち人間の頭脳の中に、ニュートン世界と量子世界が出会う仕組みがある」、そう言われたらどうお感じでしょうか。
 今回は脳内にそんな驚異の仕組みが本当にあるのかどうなのか、その辺について述べてみたいと思います。

 その前に、ニュートン世界と量子世界とは何か、この両世界の違いとは何かなどについて、簡単にみておかなければなりません。

 まず「ニュートン世界」とは、ニュートン力学が通用する世界ということです。ニュートン力学とは、近代物理学の祖といわれるアイザック・ニュートン(1643年~1727年)が体系化した一連の物理法則のことです。中でも「万有引力の法則」は有名ですが、現代物理学においても、ニュートン力学は「我々が日常扱うスケールでは有効な理論」と捉えられています。
 この地球上のことのみならず、太陽系、銀河系さらには230万光年離れたアンドロメダ銀河のことも、要は観測できる宇宙のすべての現象は万有引力の法則で計算しています。

 ところが20世紀前半古典的なニュートン力学に異を唱える理論が出されました。アルバート・アインシュタイン(1879年~1955年)の相対性理論です。
 大ざっぱに言って、この両者の大きな違いは「空間の曲がり加減」だとされます。ニュートン力学の方は「空間は曲がっていない」と仮定したときに成立する理論なのです。方や相対性理論では「光や重力によって、空間は曲がっり伸び縮みしたりする」ことを前提としています。
 ただブラックホールなど特殊な場以外の宇宙のほとんどすべてはニュートン力学が通用することは既述のとおりです。

 20世紀前半以降もう一つの重要な理論が形成されていきました。量子力学です。(「量子世界」とは、量子力学が適用される世界ということになります)。
 その過程で、分子、原子、電子、素粒子などの非常に小さなスケールの現象を扱う場合、ニュートン力学などの古典力学では説明できない現象がまま見られることが分かってきたのです。
 一般に広く知られてきたこととして。これら超ミクロな原子や電子などは、「粒子(物質性)」を持つと同時に「波(非物質性、エネルギー性)」も有していることが分かってきたのです。また光や電磁波も、波としての性質を持つと同時に粒子としての特徴を持つことも分かってきました。

 さらに驚くべきこととして、よく引き合いに出される「光の実験」があります。光には波性と粒子性の両方があることは上でみたとおりです。実験者が「波」として光を探している場合、光は実験者のリクエストに応えるかのように「波」として現れるのです。次に実験者が「粒子」として光を探した場合は同様に「粒子」として現れるのです。
 実験者の「意識」によって、光はその性質を変えるということです。

 何とも奇っ怪な話ではないでしょうか。
 地球世界を今日の形に導いてきた西洋近代科学は、そもそも「主体」と「客体」を厳密に峻別することから始まったのでした。その上で各時代の科学者たちは、外なる自然万物に向かって、営々と仮説・実験・実証を繰り返し、成果を次代に引継ぎながら今日に到っているわけです。

 実験者(主体)が実験対象である光(客体)に影響を及ぼすなど、およそ有り得ざる“想定外”の事態です。今日まで世界をリードしてきた西洋近代原理の否定にもつながりかねません。
 しかし大丈夫です。私たち人間が可視できる通常の物体では、上の量子力学的現象はまず起こり得ず、したがってその影響を考慮しなくてもいいからです。  (以下次回につづく)

 (大場光太郎・記)

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