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人間はあの世にも同時に存在している

 -私たちの意識はこの世だけに向いている。が、それは「錯覚」であるらしい-

 今回のテーマは、『ニュートン世界と量子世界』シリーズの結論部にしようかと考えていたものです。しかし同シリーズではシナプスやニューロンなど、脳を中心として述べてきたため同シリーズに含めるのは止めにしました。
 同シリーズ(1~4)で、脳内のシナプスが「ニュートン世界と量子世界が出会う場」である可能性をみてきました。それでは私たちの「身体」にまで広げた場合どうなのでしょうか。今回はそれについてあらためて考えてみたいと思います。

 身体はこの世に現れている典型的な例と考えられてきました。例えば「霊と肉の戦い」は、キリスト教における最重要テーマの一つです。キリスト教的文脈では、肉(肉体的、身体的なるもの)は霊の対極に位置するもの、という二項対立的概念として捉えられてきたわけです。
 それは宗教のみならず、現代医療においてもそうです。中には精神分析や心身医療などという分野もあるにはありますが、主流は精神や意識と体はまったく別物として切り離し、身体各部位の器官や臓器などを独立してそれらの異常(疾病)を治療することが目的です。

 私たちの身体は本当にニュートン世界に丸ごと浸りきっている存在なのでしょうか。どうもそうではないようなのです。
 私たちの身体は、骨格、頭脳などの器官、心臓などの臓器、筋肉、神経、血液、リンパ腺などによって構成されています。それらをさらに細かく見ていくと、例えば胃腸などは膨大な数の細胞が集まって形成されているわけです。
 ここまでは確かにニュートン世界に属しているといえます。

 しかしさらに分け入って見ていくと、細胞の一つひとつを構成しているのは分子の集合体です。分子はさらに原子、電子、陽子、中性子、素粒子となり、みごとに量子世界に入ってしまうわけなのです。
 『ニュートン世界と量子世界(2)』で見たところ、高分子のサイズである「20nm(ナノメートル)」がニュートン世界と量子世界を分ける境界値なのでした。そこから飛躍して考えると、ニュートン世界は「この世」、量子世界は「あの世」となるのでした。

 私たちの顕在意識はほぼ100%「この世の事象」に固定されており、身体はこの世だけに存在しているものとつい思いがちです。しかし上のように超ミクロレベルまで探っていくと、私たちの身体は量子世界の超ミクロ粒子によって支えられていることが了解されてきます。そしてこれら各部位の超ミクロ粒子群は、潜在意識下で絶えず脳に情報を伝えてきているのです。
 
 そのことから、私たちの身体はこの世だけではなく「あの世」にも半身を浸している、別の表現をすれば「この世とあの世に同時に存在している」ということになるのです。

 こうしてみると、仏教で法然や親鸞などの浄土宗系では「極楽浄土は西方十万億土という遥か彼方にある世界」と説いていますが、あの世はそんな彼方にある世界ではないということです。というより、「この世とあの世は合わせ鏡」というのが真実です。
 最も阿弥陀経でそう説かれているのは、五濁悪世の衆生が極楽往生を遂げるのはそれほど難しいことなのだ、「だから称名念仏に専念し弥陀の本願に救い取らるべし」ということが本意だったのかもしれません。

 少し余談になりましたが。つまり私たちは実は「生きながら死んでいる存在」なのであり、死んでからあらためてあの世に行くのではないということです。また私たちの身体は、この世だけで単独に離れ小島のようにぽつんと存在しているのではないということです。

 とは言っても、肉体人間としての私たちは、そんなことをおいそれと得心できるものではありません。私たちの感覚器官である五官は、その代表例の視覚がそうであるように、ニュートン世界であるこの世の事象のみを見るように固定されているからです。
 聴覚、味覚、触覚、嗅覚すべてそうです。その意味で五官という感覚器官こそが私たちをこの世に縛りつけている根源といっていいのかもしれません。  (以下「続」につづく)

 (大場光太郎・記)

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『ニュートン世界と量子世界(3)』
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『ニュートン世界と量子世界(4)』
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