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「フェルミ推定」とは何ぞや(1)

 先日業務で遠出しました。とある町の某社社長との約束の時間にはまだ20分ほど間があり、近くのコンビニに入って時間をつぶすことにしました。

 時間つぶしには雑誌の立ち読みが一番です。ということで雑誌コーナーに行きますと、最前列の棚にA4サイズと大判のビジネス本が数冊並んで置いてあります。ページ数は100ページ弱で、いずれもビジネスに携わっている者なら誰でも、興味を示しそうなタイトルです。
 私は片っ端から取り出し、それらをパラパラとめくってみました。そろそろ面談時刻が迫って、いずれも拾い読みするだけではもったいないような気になってきました。と言っても全部を衝動買いするのも何だし、特にじっくり読んでみたい一冊だけを買って出ました。

 それは『「継続できる人」の習慣-「続ける」技術』(本体価格800円)というタイトルです。PHP研究所刊で、この本を含め陳列してある『「THE21」BOOKS』と銘うったシリーズを企画・編集したのは「THE21}編集部です。
 表紙最上部には「シリーズ累計40万部突破!」とありますから、本が売れないこの時代、かなりの大ヒット企画といっていいのでしょう。

 深く反省するまでもなく、私は何事も「継続できない人」です。それで、今をときめく超一流ビジネス人たちの「継続できる極意」に少しはあやかろうという魂胆です。
 編集員が各界の第一線で活躍中の26人に取材し、それをもとに構成されています。例えば誰でも知っている人として、ワタミの渡邉美樹社長、脳科学者の茂木健一郎氏、精神科医の和田秀樹氏などが登場しています。

 いずれも現代の「成功モデル」の見本のような人たちですから、それそれに秘伝の「継続する習慣」ノウハウを開陳しておられます。今回はその中で、第1章「続けるだけで人生が変わる!「1日30分」の成功習慣」の中の、細谷功という人を取り上げてみたいと思います。

 細谷功氏、私は存知上げませんでしたが、1964年神奈川県生まれ。東大工学部卒業後東芝に入社。エンジニアとして8年間勤務の後、大手コンサルティング会社を経て現在はザカティコンサルティング(株)ディレクターとして活躍中という人です。この人の『地頭力を鍛える』(東洋経済新報社刊)という本が今売れているというのです。

 「地頭力」とは、あらゆる問題解決をするうえでの基本となる「考える力」のことだそうです。「泣く子と地頭には勝てぬ」の例の日本史の地頭(じとう)をもじった、同氏の造語なのでしょうか。
 ともかく変化のスピードが激しく、過去の経験や知識では解決できない問題が増えている昨今、その重要性はより高まっていると氏はいうのです。
 そして1日30分もあれば、「地頭力」を鍛えるには十分。それも1回3分くらいの細切れの時間を利用して、5~10セットの訓練でもOKだそうです。

 それには「フェルミ推定」がお勧めだそうです。はあっ、ふぇるみすいてい??
 「フェルミ推定」(「フェルミ問題」とも)とは、世界的物理学者のエンリコ・フェルミに因んで名づけられたものだそうです。例えば「世界中で一日に食べられるピザは何枚か?」「世界中にサッカーボールはいくつあるか?」といった、「知るか、そんなの」と言いたくなるような算出が困難な数量を、何らかの推定ロジックによって短時間で概算する方法のことをいいます。

 コンサルティング会社の面接試験で出題されることで有名なのだそうです。それのみか、最近マイクロソフトやグーグルの面接試験でもフェルミ推定が出され、俄然注目を浴びているといいます。
 細谷氏は、「これには問題解決の方法論が凝縮されて詰まっている」と述べています。つまり「考える力 = 地頭力」を養うのに絶好だというわけです。

 同氏は「試しにちょっと挑戦してみませんか」と言って、取材者に(上記の本にも載っているという)以下の問題を出しています。

 「日本全国に電柱は何本あるか?」(制限時間は3分)

 そして次に、「読者の皆さんも是非挑戦を。ネット検索は厳禁で、自力で答えを出すまでは、これから後の文章は読むべからず !」と、編集者は厳しく釘をさしています。
 そこで私も必死こいてあれこれ考えて、ともかく答えを出してみました。これをお読みの方も是非解答してみてください。それまでは以下の本シリーズの文章は読むべからず !
 ということで、(以下次回につづく)

 (大場光太郎・記)

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