フォレスタの「花の街」
(フォレスタの「花の街」YouTube動画)
(2曲目が「花の街」、1曲目は「花言葉の唄」)
http://www.youtube.com/watch?v=H3pmbz_wGOk
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この歌には、特別の思い出があります。高校三年生の音楽の授業で習いました。
時あたかも春5月。山形県内の高校でしたから、新緑まぶしい、東北の遅い春の盛りの頃でした。
まず音楽の先生がピアノ演奏をしてくれて、私たち生徒は教科書の歌詞と、音符をなぞっていったのだったと思います。
1番の1行目から歌って2番の途中まできたころ、突如、彩り豊かな花々が咲き乱れる、とある街のイメージがどっと押し寄せてきました。そしてしばし、何ともいえない幸福感、うっとり感に包まれました…。
もう記憶にありませんが、おそらくその後授業は、半分うわの空の状態だったのだろうと思います。
このような現象を、「自己実現」で有名なアメリカの心理学者、W・マズローは「頂上体験(ピーク・エクスピアリアンス)」と名づけました。
マズローの頂上体験とは、もっと高度な、たとえば「サマーディ(三昧)」のような宗教的法悦をいうのかもしれません。が、私のその時の体験も、いくらかその境地に近づけた体験だったのかな、と思っています。
(あるいは皆様も、そういう体験をお持ちかもしれませんが)私の場合、10代特に思春期の頃は、これに類した体験をけっこう味わいました。(その代わり、落ち込みも人一倍でしたが)。それが、20代では時折り、30代ではまれに、そして40代以降はさっぱり、です。それと共に、「飛ぶ夢」もとんと見なくなりました。
もし「若返り」が叶うとしたら、先ずもって、あの頃の至福感を味わいたい。そう思います。
(「二木紘三のうた物語」の『花の街』への私のコメント-2008年3月20日-ほぼ全文の転載。なお一部修正しています。)
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上の文冒頭の「高校三年生の音楽の授業で」については、若干の説明が必要かもしれません。今ではガチガチの進学校である母校も、私が3年生だった昭和40年代前半当時はのんびりしたものでした。諸事情により私は、2年生から2クラスある就職コースに編入となり、そのおかげで、3年まで音楽の授業を受ける大特典に恵まれたのです。
そうして教わったこの歌や『シューベルトのセレナーデ』『嘆きのセレナーデ』『アフトン川の流れ』『別れの曲』『モスクワ郊外の夕べ』『ソルベーグの歌』などなど。
以前『早春賦』記事でも触れたことですが、理由がどうであれ、人生の中で最も多感な時期に音楽教育が受けられないというのは、大きな損失のように思われるのです。
以上のように、私にとって「特別の思い出」のあるこの歌を、3人の女声フォレスタが歌ってくれています。つい先日何百ものフォレスタ曲が削除されたのに、「我が青春の思い出の歌」がかろうじて残ってくれていたとは。何とも嬉しい限りではありませんか。
削除前の予定ではこの歌、5月半ば頃に取り上げるつもりでした。が、何やら風雲急を告げ出したフォレスタ動画、この歌とていつまで視聴できるのか心もとなく、大いに前倒しして今回取り上げることとしました。
白石佐和子さん、矢野聡子さん、吉田静さん。武蔵野音楽大学卒業の先輩・後輩3人による、息のあったコーラスという感じがします。(白石さん、吉田さんは同大大学院声楽科修了。)
以前のフォレスタ記事に「誰それの年齢は」というフレーズでアクセスしてこられる人がいますから、私の勝手な3人の推定年齢を申し上げましょう。白石さん30歳前後、矢野さん31歳前後、吉田さん28歳前後。今回は根拠を示しませんがいかがでしょうか、当たらずといえども遠からずでしょうか。
いつもお綺麗で新婚ほやほやの矢野聡子さん、笑顔がとってもチャーミングな吉田静さん。本当はお二人についてのコメントもたっぷり加えたいところですが、スペースの関係で今回は独唱の白石佐和子さんに特に注目してみたいと思います。
白石佐和子さんは2006年の女声フォレスタ結成時メンバー4人のうちの一人です。中でも白石さんは女声フォレスタの看板娘と言っていいようなところがあり、これまで一番出演回数が多いのではないでしょうか。そして彼女はたいがい女声コーラスの中心のポジションを占めています。
白石佐和子独唱曲は数多くあれど、その中でもこの『花の街』の白石さんが一番美しく感じられます。
詩人の茨城のり子さんに『わたしが一番きれいだったとき』という、実は戦争告発の有名な詩があります。しかし正真正銘「わたしが一番きれいだったとき」を、こういう映像として永遠にとどめることが出来る白石さんたちは本当に幸せです。
白石さんはこの歌や他の歌で、顔を左右に振ったり、小首をかしげながら遠くを見るようなそぶりが時折り見られます。これは無意識なのか、計算の上のパフォーマンスなのかは分かりません。が、どちらかと言うと“レディタイプ”の白石さんに言うのも何ですが、その一つ一つのしぐさが「とても可愛らしい」のです。
白石さん、矢野さん、吉田さん。私の「青春の思い出の歌」をこんなに素敵に歌ってくれて、どうもありがとう !
(大場光太郎・記)
『フォレスタの花の街』(YouTube動画)
http://www.youtube.com/watch?v=-gr8psgngqA
参考
茨城のり子 詩『わたしが一番きれいだったとき』
http://www.paw.hi-ho.ne.jp/n3tomoko/pooh/txt-wata.html
関連記事
『フォレスタ動画情報』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-0a39.html
『フォレスタ動画が視聴できなくなっちゃった』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-1442.html
『早春賦』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-c727.html
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コメント
団伊玖磨でしたかこの曲。
素晴らしいの一語に尽きますね。
フォレスタが歌うと、なんか別の曲のように聞こえます。
ご心配のyoutube、もうかなり復活しています。
この調子で、早くに元に戻ることを祈ります。
日本だけじゃなく、世界中で暮らす日本の方たちの命綱のような大切な存在だということが、今回の事件でよくわかりました。
投稿: forestafan | 2012年4月23日 (月) 22時31分
forestafan様
コメントありがとうございます。
そうですね、この歌は団伊玖麿作曲ですね。昭和22年のこの歌、メロディといい江間章子の歌詞といい、重苦しい戦争から解き放たれた開放感が漲っているようです。「春の歌」の一曲として、いつまでも歌い継いでいっていただきたいと思います。
早速当ブログ記事『美しすぎるフォレスタ』冒頭の『別れのブルース』動画も復活させました。皆様方のご尽力で、フォレスタ動画復元急ピッチでよかったですね。
「地球の裏側のご年配の方」のコメント、私も読ませていただき、改めてフォレスタファンの広がりを実感しました。こういう方もおいでなのですから、読売・日本テレビグループは今後はより慎重に対応していただきたいものです。それに地球の裏側まで「ナベツネ」の悪名が轟いていることにびっくりしました。
フォレスタ記事ばかりではありませんが、よろしかったらまたいつでもお気軽にご訪問ください。ありがとうございました。
投稿: 時遊人 | 2012年4月24日 (火) 01時27分
中学で混声合唱の魅力に取りつかれました。高校は女性コーラスで黒一点で頑張り、大学はグリークラブだったので、オーケストラのトランペット。「花の街」は高校で先輩女性と合唱した思い出の曲。
発声はボイストレーニングのYTで勉強すれば良いかもしれませんが、女性フォレスタの歌い方を見て大いに参考になりました。
1.お腹で支えられた正確な発声、保たれる発声。口の開 け方。表情。TVによく映し出されていますよね。
2.発声について
(1)小笠原さん:口の開け方、口元の筋肉が鍛えられてい る(私は腹も口腔もぜい肉だらけ。明瞭さが出せない)
(2)矢野さん:鼻の穴を大きく開く。
(3)白石さん:体を音程にかぶせるように、愛で包むよう に発声(男性がするとぎこちない。---パフォマンス 件発声方法と思いますが---)
(4)吉田さん:上歯を見せて歌うは基礎的な事。表情作り が良い。口元は非常に鍛えられていてスリム。
(5)中安さん:横山さんもそうですが高温の時、眉毛をあ げる。
男性の私が全て真似するわけにはならないでしょ うが、面白いように高音が出安くなり、音を保つ事 も向上したようです。(6月22日に別府の合唱団に
入団しました)PCの容量大丈夫ですか?長文すいま せん。エチケット違反かもしれませんが、他のブロ グ「若い歌声で日本の抒情歌---」「鮫島有美子の
フアン---」でも「1947LEO」投稿しています。
大場さんに私を知ってもらいたいので記してしま いました。保存しようとしましたが出来ず「お気に 入り」に保存してます。合唱団(「歌輪」)のメン バーにも紹介しています。
投稿: 1947LEO | 2012年6月29日 (金) 23時02分
えっ、中学以来の「合唱歴」ですか?ハンドルネームから推察するに、私の2年ほど先輩の方かと存じますが、かなり年季が入っていますね。
私も(別の記事で述べましたが)当地に来たての10代終わり頃、1歳年上の綺麗なお姉さんに誘われて、町のコーラスグループに3年間ほど所属していたことがあります。皆下手なりに一所懸命練習し、あちこちの発表会に出たことなど、懐かしい思い出です。
道理で、女声フォレスタの歌い方の特徴をよく把握されているわけです。私などそういう肝心な事はあまり注意せず、ただ彼女たちの歌声に聴き惚れ、美しい容姿に見惚れているだけでした。
前回もご紹介いただきました2つのサイト、近いうち訪問して1947LEO様コメントも読ませていただきます。鮫島有美子さんの声量は凄いですよね。吉田静ファンの私は、「吉田さんには、鮫島さんのような国民的ソロ歌手を目指していただきたい」と密かに願っているところです。
記事の更新はしばらく間をあけながら、となりそうです。
「別府」は確か大分県だったでしょうか?別府温泉は全国的に有名ですね。最近合唱団に加われたとのこと、いいですね。腹式呼吸でお腹の底から声を出す合唱、最高の健康法の一つかと思います。
当ブログご紹介ありがとうございます。ご期待に添えますよう、今後とも折りに触れて、フォレスタ曲や音楽関係記事を公開していければと存じます。
投稿: 時遊人 | 2012年6月30日 (土) 07時10分