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S&G『四月になれば彼女は』

 -四月の持つ季節感、さらには1970年代の時代感さえ蘇ってくるようだ-



 我が青春のデュオ、サイモン&ガーファンクル(以下「S&G」)の歌をまた取り上げます。 『四月になれば彼女は』(原題『April Come She Will』)。
 昨年9月に取り上げた『木の葉は緑』もそうでしたが、S&Gの歌の中ではどちらかというと地味で目立たない歌かもしれません。私自身S&Gを夢中で聴き出した昭和46年当時、この歌はまったく知りませんでした。

 知ったのはずっと後、昭和50年過ぎのことです。当時たまたま購入したS&Gのカセットテープにこの歌と『木の葉は緑』が収録されており、以後この2曲は私のお気に入りの曲になりました。
 曲自体短く、アート・ガーファンクルが切々と歌うシンプルなこの歌、聴くほどになぜか心に深くしみ入って聴き逃せない歌になったのです。

 直後にS&Gの曲を集めた楽譜集を求め、フォークギターでコードを一所懸命なぞりながら、ブロークンイングリッシュで、この歌を繰り返し下手くそな弾き語りしていたことも懐かしい思い出です。
 この歌はギターのアルペジオ奏法が用いられており、当時これが何ともたまらず魅力的でした。ところがいざ楽譜をたどって自分でやってみると、なかなか思うようにいかないんだな、これが。

 S&G曲のほとんどがそうですが、この歌もポール・サイモンの作詞・作曲になるものです。それにしても改めて思うのは、ポール・サイモンの音楽的才能の凄さです。
 と言っても、今もそうですが、当時はなおのこと英文の原詞の意味などよく分かりませんでした。だから「四月にやってきた彼女は、八月には死んでしまって、九月にはもう回想の領域に入ってしまうだろう…」。
 ガーファンクルの歌の歌詞をなぞり、そんな適当な解釈をしていただけです。それでもメロディだけでこの歌の良さが十分伝わってきました。

 実在の「彼女」がいたのかどうか、今聴いても胸迫る「ラヴ・バラード」という気がします。4月で始まり9月で終わる、これは『木の葉は緑』と同じモチーフです。方やこちらは「愛と死」がテーマで、方や『木の葉は緑』は移ろい行く「人生の諸行無常」がテーマでしたけれども。
 どちらもポール・サイモン20代前半の作品ですが、思索的にかなり深いものに迫っていると思います。

 当時この歌から、四月という月の持っている季節感が実にうまく表現されていると感じました。
 今あらためて聴いてみると、さらにこの歌からは1970年代の時代の空気感さえ伝わってくるようです。今の時代では味わおうとて味わい得ない、あの頃の懐かしい時代感が。

 (大場光太郎・記)

『四月になれば彼女は』(YouTube動画) 
http://www.youtube.com/watch?v=Smp9dwVUuls&feature=related
関連記事
『S&G「木の葉は緑」』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-0bdf.html

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