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「理解に苦しむ」指定弁護士控訴

-繰り返すが「悪盛んにして天に勝つ」。この事態を深刻に受け止めねばならない-

 何ともあきれた話ではないか。小沢一郎民主党元代表への東京地裁無罪判決を不服として9日、3人の指定弁護士が東京高裁に控訴したのである。「一審判決には見過ごせない事実誤認がある」とし、上告して争えば「無罪判決を覆すことが可能」と判断したというのだ。
 何を今さらではないか。だったら何で一審公判で「事実誤認」なきよう手を打たなかったのか。そんなこと出来なかっただけだろう。

 いい加減にせよ指定弁護士。東京地裁の公判過程で、小沢元代表の犯罪を裏付ける証拠は悉く失われたのである。そもそも検察審査会の「強制起訴」の最大の根拠となった、検察の捜査報告書も特捜部検事の捏造だったことが判明しているではないか。
 この捏造報告書に基づいて小沢裁判が始まったわけだから、控訴して裁判を続ける道理も法理も存在していないのだ。
 やる前からまた「無罪」なのは明らかではないか。素人でもあるまいし「控訴しても公判維持すら難しい」というのが司法のプロの見立てであることを知らないのか。

 3人の指定弁護士は、9日の控訴会見を検察庁舎内で行っている。彼らは引き続き「検察官役」を務めるそうだから当然と言えば言えるが、ここに指定弁護士のバックが透けて見えてくるのだ。
 実際今回の不可解な控訴には、「検察の働きかけがあったのではないか?」という憶測を呼んでいるのである。何せ控訴断念→小沢無罪確定となれば、検察の汚名が永久に残ることになるのだ。
 だから事実はどうあれ、検察としては控訴してくれたことでわずかでも汚名返上のチャンスが残ることになったのだ。

 さらに未確認情報ながら「指定弁護士には、官邸から5億円の官房機密費が渡っている」というような怪情報も飛び交っている。それを裏で仕掛けたのは謀略政治屋の仙谷由人だというのだ。
 指定弁護士の報酬は低くとても割りに合う仕事ではない。だからこの説がにわかに現実味を帯びて感じられてくるのだ。

 検察審査会の段階から仙谷の暗躍は噂されていた。何せ仙谷と日弁連会長の宇都宮健児とは東大法学部からの旧友である。それに3人の指定弁護士は、仙谷と同じ東京第二弁護士会所属であることも臭いし。
 野田首相以下は無罪→控訴の流れを事前に掴んでいた可能性がある。だとしたら「小沢復権を何としても阻止したい」という、現民主党幹部の蛇のような執念が感じられる話ではないか。

 遡れば3年余前の2009年3月の大久保隆則元秘書逮捕から、今日に至る小沢事件は始まっている。そもそも大久保元秘書逮捕は、「かんぽの宿隠し」「政権交代阻止」を目的とした当時の自民党麻生政権下で起こった。これは、当時の森英介法相の指揮権発動によるものだった疑いが濃厚である。
 当時大騒ぎした新聞・テレビは報道しないが、大久保元秘書逮捕事件は早々と訴因消滅し、今では影も形もなくなってしまっている。つまりこれが検察の不当逮捕の始まりだったのだ。しかもそれによって小沢代表(当時)は代表辞任に追い込まれている。それがなければ、同年9月の政権交代時「小沢一郎首相」が誕生していたのだ。

 以後の大迷走政局を正すには、改めて「小沢首相」の登場が必要である。しかし指定弁護士の控訴によってまたしても阻まれようとしている。これは、今この国の病状がいかに深刻かを如実に示す指標に他ならない。
 小沢元代表の民主党内の党員資格停止処分は解除された。だがオール霞ヶ関を中心とする旧勢力によって、広義の「座敷牢」にまたも閉じ込められることになったのだ。

 ここに、植草一秀氏がかつて命名した「米官業政電」(米国、霞ヶ関官僚、財界、民主党B政権、マスコミ)という「悪徳ペンタゴン」勢力の力がどれほど凄まじいものであるかを見て取らないわけにいかなのである。

 東京高裁での公判開始は今年秋以降、同判決は早くて来春とみられている。ここで無罪判決が出たとしても、旧勢力代弁者の指定弁護士はさらに最高裁に上告するつもりだろう。暗黒司法一派+オール霞ヶ関+他の悪徳旧勢力によって、小沢元代表は、今後2年も3年も政治的に手足を縛られた状態が続くのである。
 その間「国民の生活が第一」の政治理念はどんどん打ち捨てられ、国民切捨ての「米官業の利益が第一」の亡国政治が容赦なく進行していくことになるのだ。

 (大場光太郎・記)

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