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フォレスタの「アカシヤの雨がやむとき」

 -60年安保闘争は挫折し、巷には『アカシヤの雨がやむとき』が流れていた-

     (「フォレスタ アカシヤの雨がやむとき」YouTube動画)
      http://www.youtube.com/watch?v=nPuBt5mUb8k

 6月は雨の季節です。そこで「雨の歌」の一曲として、この歌を取り上げてみました。はじめに、『二木紘三のうた物語』のこの歌への私のコメント(2008年4月26日)の概要を以下に転載させていただきます。
                        *

 『アカシヤの雨がやむとき』は、女の情念を切々と歌いながらも、1番から3番へと歌が進むにつれて、その情念が少しずつ漂白されてゆき、ついにはこの世の粗雑感、重量感からするりと抜け出して、不思議な透明感に到るように思われます。私は、およそ非現実的な、この歌のそこに惹かれます。
 また、1番から3番の冒頭に置かれている「アカシヤの雨」というフレーズが、この歌全体の叙情性を、しっかり担保していると思います。曲がまた素晴らしいですね。
 私は小学6年の頃、西田佐知子さんがこの歌を歌っているのを(白黒)テレビで見ましたが、その清楚な美しさに、子供ながらにしびれました。手に白い(と思われる)ハンカチを握りしめながら、ひたむきにマイクに向かっていたその姿が、今でも目に浮かびます。

 3番は少し難解です。
 (と、3番の歌詞に括弧で挿入した言葉を加えたりして私流の解釈をしています。著作権法の関係で歌詞の引用ができないのが残念です。端的に言えば「鳩」は、ベンチの片隅の「私のぬけがら」から抜け出した「たましいの化身」という捉え方です。)

 ところで私は、西田演歌の双璧はこの歌と、『東京ブルース』だと思うのですが。
 こちらは、女の情念オンリー。『星の流れに』が焼け跡ただ中の女の恨み節なら、『東京ブルース』は高度成長が離陸し始めた頃の女の恨み節。
 (『東京ブルース』2番の歌詞-省略) (転載終わり)
                        *
 
 「4年前の私」を越えられず残念ですが、『アカシヤの雨がやむとき』に関してこれにつけ加えることはあまりなさそうです。
 ただ強いて挙げれば、この歌が流行していた当時の時代背景についてです。しかし実はこれについても、一昨年6月の『「60年安保」から半世紀(4)』で既に述べています。以下は同シリーズ全体の結びとなるものです。

 (1960年6月15日の樺美智子さんの死からほどなく、日米安保新条約が発効し)騒乱が収まり平穏を取り戻した街に、西田佐知子が歌う『アカシヤの雨がやむとき』(作詞:水木かおる 作曲:藤原秀行)が流れていました。若者たちの挫折感に、どこか厭世的でデカダンなこの歌が共感を呼び、若者たちの間で好んで歌われ広まっていった経緯があるようです。今あらためて聴いてみますと、この歌はあの頃の時代の空気を何と代弁していたことか。感慨深いものがあります。 (転載終わり)                      

 『フォレスタのアカシヤの雨がやむとき』。小笠原優子さんの独唱で、白石佐和子さん、矢野聡子さん、中安千晶さんという初代女声メンバーによるコーラスです。アカシヤの白い花に見立てたか、皆さん白いドレスです。
 このコーラスのピアノ伴奏、素晴らしい。(私が勝手に思いこんでいるだけですが)演奏は「しっとり系」がお得意な南雲彩さんでしょうか。

 特に小笠原優子さんの高く澄んだ歌声の独唱、いいですね。しっかりと「小笠原優子のアカシヤの雨のやむとき」になっています。大人の女性の恋の歌に小笠原さんはうってつけのようです。(多分)年齢的に最年長という理由のほかに、小笠原さんはこういう切々と歌い上げる歌にふさわしい雰囲気をお持ちです。

 なお『二木うた物語』の私のコメント末尾でも触れましたが、個人的には西田演歌の代表曲として、この歌と『東京ブルース』が双璧だと思っています。残念ながらフォレスタ曲として『東京ブルース』はまだのようです。女声フォレスタに今後是非歌っていただきたい一曲です。
 その際独唱は、是非「平成のブルースの女王」吉田静さんでお願いします。(この称号は、削除された以前の『フォレスタのフランチェスカの鐘』のある人のコメントにあったものです。)

【補足】
 この歌の歌詞をよく読みますと、ヒロインは本当に死んでしまったわけではなく、アカシヤの雨にうたれての「死の夢想」をしている歌であるようです。ただ2番で暗示されているように、「このまま死んでしまいたい」とまで思いつめさせている苦しい恋がその背景にありそうです。

 (大場光太郎・記)

『フォレスタ-アカシヤの雨がやむとき』(YouTube動画)
http://www.youtube.com/watch?v=zdhm9MQ8BC8
関連記事
『「星の流れに」から「東京ブルース」へ』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-47e7.html
『「60年安保」から半世紀(4)』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-4c2e.html

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フォレスタコーラス」カテゴリの記事

コメント

小笠原さんは10月以降出演しますか?出ないと寂しいです。

投稿: 遠藤 茂 | 2012年9月24日 (月) 14時16分

 遠藤茂様 そうですよね。小笠原優子さん、ここ最近出演していないようですね。私も『アカシヤ』をはじめとして、当ブログで小笠原さんをけっこう取り上げてきましたから寂しく思っています。
 ただここだけの話、本当にここだけの話で、確実かどうかは分かりませんがー。小笠原さん、既に男性フォレスタのお一人と結婚していて、今回の活動休止は現在妊娠中のためという、熱烈な小笠原優子ファンにはショッキングな未確認情報も流れているようです。もしこれが事実なら、10月といわず、しばらく休止が続きそうですが…。
 何はともあれ、小笠原さんの1日も早い復帰が望まれますね。

投稿: 時遊人 | 2012年9月24日 (月) 14時47分

本当ですか、ショックどころか最高です、花束を贈りたいぐらいです、因に私は花屋です、いつか出演することを待ってます。

投稿: 遠藤 茂 | 2012年10月 3日 (水) 10時56分

 あくまで「未確認情報」なので、本当かどうかは…。ただ事実だとしたら、いわゆる「おめでた」ですから、ファンとしても手放しで喜ぶべきですね。
 遠藤茂様はお花屋さんでしたか。花と言えば、当ブログでも今年3月頃取り上げましたが、小笠原さんも歌った『花言葉の唄』、何度聴いてもいい歌ですね。   「♪咲いたらあげましょ あの人に」。

投稿: 時遊人 | 2012年10月 3日 (水) 12時26分

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