ブログの事件記事はどこまで踏み込むべきか
-「事件記事」は多くのアクセスが見込める。しかし隣り合わせでリスクもまたある-
森喜朗元総理引退表明が契機となった、過去の当ブログ『押尾事件の陰の主役森祐喜氏死去』記事へのアクセス集中現象。これは次の日の24日も止まりませんでした。と言うより、この日ピークを迎え、何と開設以来最高のアクセス数を記録したのです。
24日(火) 純訪問者数 7,470人
総アクセス数 14,790件
25日はさすがに下火となりましたが、それでも通常より倍以上の訪問者数、アクセス数でした。
そもそも私が当ブログを開設した4年余前は、事件や政治や芸能関係記事を公開するつもりはまったくありませんでした。それよりは身辺雑記、自然観察文や純然たるエッセイ、名詩、名曲、名文学作品などの鑑賞文などを主体としたかったのです。
事実しばらくはもっぱらそれらのみを主体とした記事をほぼ毎日更新していました。しかし私がいくら「一記事入魂」のつもりで書いても、思うように訪問者数が伸びてくれないのです。
ブログを運営されている方ならどなたもそうでしょうが、やはり訪問者・アクセス数の伸びこそは何よりの励みになります。そこで思い悩んだ私はつい初心を忘れて、「どうすれば視聴率(アクセス数)が取れるか?」と考えるようになりました。
そこで話題の映画や社会的な関心の高い出来事など、いろいろなジャンルの記事にトライしているうちに、「アクセス数を増やすには事件記事が一番だ !」という結論に達したのです。
それで徐々に従来の記事に交えて事件記事を増やしていきました。その結果が2009年の、大相撲界、小向美奈子の薬物事件を端緒とする『薬物汚染の拡がりを憂う』シリーズです。その年8月の押尾学、酒井法子事件という超ど級の薬物事件が発覚したことにより、同シリーズは結局40回以上もの大シリーズとなりました。
また同じ年には、希代の保険金詐欺師・木嶋佳苗による男性連続不審死事件が発覚しました。これにも「待ってました」とばかりに飛びつき、『かなえの殺人レシピ』として15回のシリーズとしました。
その他朝青龍や市川海老蔵の暴行事件などなど。それぞれが事前の予想通りの“大当たり”でした。そのつど当ブログアクセスはぐんぐん上昇していったのです。
作り手として「ありきたりの書き方ではつまらん」とばかりに、より深部、暗部に迫るべく、いつしか各事件とも私なりに“取材”に熱中しました。と言っても、プロのルポライターのように事件現場や関係者に直接当たることは出来ません。
そこでもっぱら夕刊紙、スポーツ新聞、週刊誌、そして貴重な情報源であるネットの2ちゃんねるなどを丹念に読み込んで、私なりに組み立て直して記事にしていったのです。
例えば朝青龍の場合は、大マスコミが口を閉ざして報じようとしない暴行相手の川奈毅の実名を早々と特定し、川奈の来歴や闇社会とのつながりなどを暴露しましたし、事件のきっかけとなった六本木クラブ内での朝青龍の外国人ホステスへのレイプの可能性にも触れました。
押尾学事件の場合はもっと壮大で、政治家、政治家ジュニア、警察・検察などの高級官僚、他の有名芸能人、大物アスリートなどの薬物汚染の実態や事件との関わり、それらに加えてマスコミや財界の闇社会との癒着などにまで踏み込みました。
当初は“怖いもの知らず”で突っ走りました。が、やはりブレーキがかかったのは、(直前の『森元総理の引退表明と当ブログとの妙な因果関係』で紹介した)野口美佳元社長による「訴訟も考えます」のツィッターでの一言でした。
総資産百億円以上で天下のワコールの個人筆頭株主から名誉毀損で訴えられ、裁判で「一千万円の損害賠償の支払いを命ずる」などとなれば、しがない私はお手上げです。第一逆立ちしても払える額じゃありませんよ。
こちらは無報酬でブログを運営し記事更新している立場です。なのにそんな決着になればおよそ割りに合いません。また私が記事の根拠としているのは、第二次、第三次資料のたぐいで反証としては弱いのだし…。そんなこんなを考慮し、同記事及び『薬物汚染』シリーズの野口美佳氏関連のおおよそは削除したのでした。
その結果1年ほど経過した今も、私の下に野口氏サイドからの訴状は届いておりません。
これで事件記事トラブルは一件落着か、と思いきや。『日々雑感(13)』で少し触れましたが、最近当ブログなどココログブログ全体を統括しているニフティ株式会社より私の下に書留郵便が届いたのです。
開設以来同社からこのような郵便を受け取るのは初めてで「ギクッ」としました。直接的には同社法務部長からで、『送信防止措置請求に係る意見照会書』という文書でした。
内容のあらましは、当ブログのある記事に対して「権利が侵害されたと主張」され、送信防止措置請求をしてきた方がおられるため、「プロバイダ責任法」第○条第○項第○号に基づき、侵害情報の送信防止措置を講ずることについて、貴方のご意見を照会いたします、ということです。添付の回答書に記入の上1週間以内にご回答願いたいというのです。
「名誉権」「プライバシー権」を侵害されたと主張される請求者の請求に基づく同文書に接して、私は「これは下手すると当ブログ全削除になっちゃうのか?」と暗澹たる気持ちになりました。内容は違いますが、今年2月頃『二木紘三のうた物語』以来旧知のY氏が、同氏のブログに各歌の歌詞を無断転載したカドにより、JASRAC(日本音楽著作権協会)の通報を受けた管理会社のヤフーにより全削除された“事件”があったからです。
しかし念入りに文書を当たってみれば、当該記事の当該箇所の削除だけで済みそうな気配です。ならばお安い御用。久しぶりで当該記事を読み返したところ、他にも「よくもこんなことを書いたものよ」と思うようなかなり際どい箇所が見つかりました。それでまた面倒が起らないよう同記事全部を削除し、その旨を回答書に書いて返送した次第です。
余談ながら。今この時期に、大物政治家の関係者からこのような請求がくるのは「いよいよ総選挙近し」を思わせます。
長々と述べてしまいました。つまり事件記事はかなりのアクセス数が見込まれるものの、内容次第では関係者から民事訴訟を起こされたり、記事削除請求がきたりするリスクと隣り合わせだと言うことです。
今現在の当ブログの「森元総理引退表明特需(?)」も数日もすれば収まり、平常に戻ることでしょう。それでも、1日平均800人前後の純訪問者が来てくださっています。上を見れば切りがありませんが、何も危ない橋を渡る必要はありません。
初心に戻って、アクセス集中は見込めずとも、今後はなるべく自分が本当に書きたいことを記事にしていきたいと思います。
ただ『押尾事件の陰の主役-森祐喜氏死去』にyamato様が、次のようにコメントしてくださっています。
日本の政官界、検察、警察組織が如何に反社会的、反民主的であり、如何に国民の利益に反する行為をしているか・・・が分るような気がします。これはある意味では国家的犯罪組織とも思われるような部分が有ると思います。
これからもこのように分りやすく、事実を知ることが出来る記事をたくさんお書き下さい。
そうですよね。押尾事件や一連の小沢事件のように、裏に巨大な国家的犯罪、謀略の可能性がありそうな場合は、多少のリスクを承知でまたとことん追及していく所存です。
(大場光太郎・記)
関連記事
『森元総理の引退表明と当ブログとの妙な因果関係』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-a94a.html
| 固定リンク
「日常」カテゴリの記事
- ソフトバンク「お父さんは犬」CMに物申す(2014.03.25)
- 10・24までにM7.5の地震首都圏襲う?(2013.10.17)
- 夢の話(4)(2013.06.29)
- どうなっちゃったんだ、山形大学(2013.02.24)
- 世界の中で止まっている日本(2013.01.10)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント