フォレスタの「湖畔の宿」
-この歌のヒロインは現代女性に通じる。女声フォレスタが歌って違和感がない-
(「フォレスタの湖畔の宿」YouTube動画-ただし新バージョン)
https://www.youtube.com/watch?v=L2Z69FpWk6M
本記事は、2008年8月18日に『名曲-所感・所見』として既に公開しました。元となったのは、毎度ながら「二木紘三のうた物語」中の『湖畔の宿』の私のコメント(2008年2月22日)です。改めて読み返してみますと、少し(かなり)気恥ずかしい一文ですが、まずはそのコメント文をそのまま今回も掲げます。
その上今回はタイトルも『フォレスタの「湖畔の宿」』として、リニューアル公開することとしました。
(以下、「二木うた物語」-『湖畔の宿』の私のコメント文)
この歌は、ストーリーがくっきりとイメージできます。メロディに旅情をかきたてられます。ヒロインの姿が絵になってます。
余計なことながら、以下に私なりのトレースを試みます。
*
たとえばシュトルムの『みずうみ』など。「湖」は、ロマンチックな叙情や旅愁といったものを連想させます。そんな「山の淋しい湖」に、傷心の若い女性が「ひとり来た」のです。「えっ?」。何かわけありな物語のプロローグです。
ヒロインは多分、都会に住む女性なのでしょう。女性の「胸の痛み」は失恋に決まってます。それに「耐えかね」ながらも、そんな気持ちにふんぎりをつけるためにやってきました。
都会で味わった悲痛な恋は、都会の中にい続けては救いがたい袋小路に迷い込むばかり。かといって、本当に帰りたいふるさとには、事情が事情だし…。そこで彼女は、この湖に。
着いてすぐに、儀式を行います。携えてきた、恋人からの古い手紙を「焚き捨てる」ことです。湖から奥に入った、人目につかない木立の陰で執り行います。斎主自らの恋の未練の「お焚き上げ」です。恋人との、あれほど甘美だった、だが急に暗転してしまった痛ましい思い出が、うすい煙となって立ちのぼり、新緑の梢に消えていきます。
たそがれ時、静謐を湛えた湖のほとりの林道を散策します。豊かな自然の中を歩くほどに、静かな諦観が訪れ、既に乾いたはずの瞼からまた涙がこぼれ落ちます。しかし、それは浄化の涙です。
雲は流れてむらさきの 薄きすみれにほろほろと いつか涙の陽が落ちる
心にくいばかりの、詩的な表現です。
夜は湖畔の宿で、ふるさとへの便りをしたためます。「ランプ引き寄せ」に時代を感じます。帰れないふるさとに便りを出すことによって、心の中で擬似的にふるさとから都会への再出発の誓いとします。
再出発の前途はいかに。今度こそ良い恋ができますように。彼女はトランプに託して一人占います。「青い女王(クィーン)」。その象意とは?
「青」クール、知性。「女王」気高さ、気ぐらい。彼女はクールビューティ?それゆえの「淋しさよ」?
戻っていった都会の雑踏にまぎれて、ヒロインはその後どのような運命をたどったのでしょう。興味深いところです。 (コメント文引用終わり)
*
こうして『湖畔の宿』の歌詞をたどって見てきますと、昭和15年(作詞:佐藤惣之助、作曲:服部良一)に発表されたこの歌のヒロインは、現代の最先端女性にも通じるメンタリティがありそうです。
『フォレスタの「湖畔の宿」』。私などから見れば最先端女性の代表例である女声フォレスタのこの歌は、何の違和感もなく聴くことができます。
珍しく女声5人勢ぞろいのコーラスです。1番と3番は、全員が一つに融けあったように息の合ったコーラスで見事です。この歌の雰囲気が実に良く醸し出されています。
2番は矢野聡子さんの独唱で、中安千晶さん、白石佐和子さん、小笠原優子さん、吉田静さんの4人がバックアップしています。なるほど、以前のどなたかのコメントにあった矢野さんの「頭のてっぺんから抜けるような澄んだ高い声」は、この歌の独唱に打ってつけのようです。
既フォレスタ記事でも再三述べたとおり、矢野聡子さんは今年3月の「フォレスタ通信」で「結婚、フォレスタ活動休止」が発表されました。
(既に削除された)昨年のお2人のフォレスタ各動画中のコメントで最も人気の高かったのが矢野さんです。どうやら結婚後も「さとちゃん人気」は一向に衰えないようです。当ブログのフォレスタ関係へのアクセスからもそれがうかがえます。何日か前3日連続くらいでトップ面左サイトの検索フレーズランキングに、「フォレスタ 矢野聡子」が躍り出ていました。
実際5人の女声フォレスタの中でも、「フォレスタ 矢野聡子」「矢野聡子」「矢野聡子 結婚」などのフレーズでのアクセスがダントツです。「矢野さんの魅力って何なの?」。私には解明できませんが、矢野さんはつくづく不思議な人です。
検索フレーズの中には「矢野聡子 結婚相手は誰?」というのも時折りあります。「さあ分かりません、私には。矢野さんご本人か他のフォレスタメンバーに直接お聞きください」。
ステージ前面中央部を湖(みずうみ)に見立てたブルー、その湖畔に5人の女声フォレスタが佇んでいるという設定のようです。背景には木立のシルエット。心憎いステージです。黒いドレスもこの歌にフィットしていますね。
ところで、矢野聡子さんの独唱は独唱として。皆さんにとって、『湖畔の宿』のヒロインに最もイメージが近いのは5人の中のどなたでしょうか。
(大場光太郎・記)
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