-「論」などとはおこがましい。ただ単に日頃感じている事を述べるだけです-
矢野聡子さんと小笠原優子さん、ともにご結婚によりフォレスタ活動休止のようです。代わって10月新編成の『BS日本 こころの歌』に、新メンバーとして上沼純子さんと内海万里子さんが加わりました。
女性の場合、結婚、出産、育児という大事な“お仕事”がありますから、女声メンバーはある程度多い方がいいと思います。誰かに何かあった場合すぐに補充が効きますし、歌う歌によって組み合わせ自在のユニットが組めるわけですから。
以前から述べましたとおり、私はフォレスタをもっぱらユーチューブ動画で聴いています。私の聴き方は少し偏っていて、その時聴きたい歌を繰り返し聴く方式です。最近は直近に『雨のブルース』を公開したこともあり、この歌が一番多いです。次いで『雨のブルース』終了画面に現れる最新ヴァージョン『さくら貝の歌』です。
この歌の所感は既に『フォレスタの「さくら貝の歌」』で述べました。ここでは、この歌動画へのある人のコメントが少し引っかかりましたので、それについて述べさせていただきます。
そのコメントとは以下のとおりです。
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最近フォレスタはソロを中心にして他の歌手はバックコーラス的な曲が
多いように思われる。
フォレスタは本来コーラスを主体としたグループではないだろうか。
そういう意味では久々のハーモニーを重視した曲だ。本来フォレスタが
有るべき姿だと思うすばらしいハーモニーだ。
kawasaki estrella 1 週間前
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これについて私は「なるほど確かに」と思う反面、「少し違うのでは?」と反論もしたくなりました。ただ私は、他のサイトや他のブログへは原則コメントしない立場なので、これについてこの記事で少し述べさせていただく次第です。
kawasaki estrellaさんがおっしゃっている「フォレスタは本来コーラスを主体としたグループ」云々は、あるいはそうかも知れず、違うかも知れず、今年1月からの新参ファンの私にはよく分かりかねます。
確かにフォレスタコーラスのような高度なコーラスグループには、部外者にはうかがい知れないコーラス上の「決め事」が多々あることでしょう。しかし思うに「フォレスタは原則、全体コーラスであるべし」というような決め事はないと考えます。
例えば『さくら貝の歌』などは、コーラスによるハーモニー重視で歌われるべき歌なのでしょう。そしておっしゃるとおり、それが見事に成功しています。では上に挙げた『雨のブルース』はどうでしょうか?一人の人のソロではなく、全員コーラスで初めから終わりまで歌った場合どうなのでしょう?かえってつまらないコーラスになってしまうのではないでしょうか?それに「ハーモニー重視」だけだと、歌う歌が限られてくるのではないでしょうか?
要は「ソロ」か「全員コーラス」かは、歌う曲によりけりだと思うのです。
kawasaki estrellaさんのコメントには“伏線”があるように、私には思われます。
どういうことか?話は今年4月にまで遡ります。3月と4月に、それまでユーチューブにフォレスタ動画を大量に投稿してくれていた、お二人の動画がすべて削除される事件が起こりました。私はそのことを『フォレスタ動画が視聴できなくなっちゃった』『フォレスタ動画情報』の2つの記事にしたところ、フォレスタファンの怒りや落胆などの反響の大きさを肌で感じました。
そして10日くらいのブランクがあって、今度はeverstone04さんが新たにフォレスタ動画の投稿を開始されました。
現在では384本にも上り、私自身日々フォレスタの歌を愛聴させていただいています。だから基本的にはただただ感謝しかありません。ただ一つだけ、4月の投稿開始時点で『あれっ』と思ったことがありました。
everstone04さんの最初の投稿曲は『忘れな草をあなたに』だったかと思います。この歌は私も好きな歌で、コーラスも見事、選曲自体に文句はありません。ただ私が引っかかったのは、この歌へのeverstone04さんご自身の「白石佐和子さんが大好きです」の表明です。
投稿自体は大変ありがたいことながら、ただでさえ発信力の強い媒体での『特定メンバーを名指しでの賛美はいくらなんでもマズイんじゃないの?』と、率直思ったのです。
everstone04さんは70代半ば過ぎのお人のようですが、なかなかの“戦略家”のようです。「こうすればこうなる」というのを事前に綿密に計画の上、『忘れな草をあなたに』動画公開に踏み切られたのではないか?と思われるのです。
確か『忘れな草をあなたに』から次の歌の投稿まではかなりの空きがあったかと思います。そして成果を十分確信されたのか、後は怒涛の投稿となりました。
everstone04さんの「読み」(?)はズバリ当たり、その後は白石佐和子さんを中心とした「初代女声フォレスタ回帰願望」が、ファンの間にも浸透していった気配が感じられます。
そうなると勢い批判の対象となるのが、吉田静さんです。吉田さんは2009年と遅れての加入であるにも関わらず、誰よりもソロ曲が多く目立つ存在だからです。
しかしこれは吉田静さんの責任ではありませんよ。杉本龍之先生を初めとしたフォレスタ関係の方の方針なのですから。吉田さんの豊かな声量、上は優にソプラノから下はアルトまでカバーできる声域の広さ、艶っぽい魅力的な声質、見栄えのする容姿…。素人が言うのも何ですが、仮に私がフォレスタの責任者だとしたら、やはり吉田さんを重用したくなるはずです。
それに吉田静さんは、『川は流れる』『別れのブルース』あたりから『フランチェスカの鐘』『桑港のチャイナ街』『異邦人』などを経て、今回の『雨のブルース』に至るまで。女声フォレスタの歌謡叙情歌の新ジャンルを次々に切り開いてきました。
これは彼女の大きな功績のはずです。私はむしろ、吉田さんにはこれからもたくさんのソロ曲を歌っていただきたいと思っているのです。
以上、最近少し吉田静さんへの風当たりの強さを感じ、私の「吉田静擁護論」になってしまいました。
ところで吉田静さん、最近急性肺炎で「ダウン」されたようです。一時は大事な「声」が出なかったほどでしたが、やがてオカマ声(??)が、そして最近は声も戻りだいぶ快方に向かわれているようです。(どなたかのコメントのように私も「吉田さんのオカマ声聞いてみたかったなぁ」。あはははは。)
『Cちゃん日記』に直接お見舞いコメントしようかと思いましたが、遠慮してこちらで。声楽家は声のみならず体全体が楽器だと思います。くれぐれも大切な資本である御身大切に。そして他のメンバーの方々も。
(大場光太郎・記)
参考・引用
『フォレスタ-忘れな草をあなたに』(しばらく聴いていませんでしたが、4月公開のこの歌の動画都合により削除されたようです。以下は7月公開のものです。)
http://www.youtube.com/watch?v=9_VSFYMCyas
関連記事
『フォレスタの「雨のブルース」』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-01d0-1.html
『フォレスタの「さくら貝の歌」』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-f1e5-1.html
『フォレスタコーラス』カテゴリー
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/cat49069329/index.html
コメント
大場先生初めまして「kawasaki estrella」と申します。大場先生の「今この時&あの日あの時」、いつも面白く拝見させて頂いています。
先生は「吉田静さん」の大ファンでおられるようですね、実は私も「静さん」の大フアンです。毎週月9には勿論レコーダーに録画をして、テレビ桟敷です。「静さん」のコンサートは欠かしたことがありません、いわゆる「追っかけ」でしょうかね、「静さん」を「平成のブルースの女王」と称賛したのも私です。
処でソロでの出演が多い「静さん」ファンの私がなぜ「フォレスタはコーラス主体のグループ」と言うのか、少し矛盾していますよね。確かに吉田さんを初めメンバーの皆様は「音楽大学」出身で誰がソロを歌っても素晴らしいものがあります。
問題は歌を作る側にあります。コーラスは曲をパートごとに編曲し、パートごとに練習し、歌合せをして総合練習をして初めてコーラスとして曲が出来上ります、大変手間暇と時間がかかるものです。勿論曲によっては歌手の歌唱力を生かしたソロのほうが良い場合があります。ただ製作者が手間暇のかかるコーラスを避け、安易に歌手の歌唱力を生かしたソロに頼る事は無いのか、私はそこが言いたいのです。
ソロが決して悪いというのではありません、歌手個人の歌唱力を楽しむのはソロも素晴らしいですが、手間暇をかけたハーモニーは素晴らしいものがあります。YTで私がコメントした「さくら貝の歌」もその一曲です、究極の「八洲メロディ」ではないかと思います。
投稿: .kawasaki estrella | 2012年11月 2日 (金) 16時04分
.kawasaki estrella様
このたびのコメント、大変ありがとうございます。
この記事につきましては、異論、反論も含めまして、どなかかからコメントをいただきたいものと考えておりました。それが思いも寄らず、私が勝手に転載・引用させていただいた『さくら貝の歌』動画にコメントされたご本人とは ! それだけで感謝です。
その上.kawasaki estrella様は、当ブログの定期的訪問の方でもいらっしゃり、さらに私など問題にならないほどの大の「吉田静」ファンであられ、吉田さん&永山さんジョイントコンサートの折り、「平成のブルースの女王 !!」とお声をかけられた方だったとは。重ねて幾重にも感謝、感激です。
説得力ある貴コメントを読ませていただき、『さくら貝の歌』コメントにおける.kawasaki estrella様の真意がどこにあったのか、あらためてよく分かりました。なのに私は、独断と偏見で「論(?)」を一方的な方向に展開しすぎたようです。その点反省致します。
一フォレスタファンと致しましては、今後とも女声、男声問わずメンバーの方々皆仲良く、さらに「国民的コーラスグループ」としてより多くの国民に愛されるフォレスタにご成長いただきたい、と念願しております。
. kawasaki estrella様、幾重にもありがとうございました。今後とも当ブログよろしくお願い申し上げます。またいつでも気がついたことがございましたら、お気軽にコメントください。なおその折りは、「先生」はお止めください。どなたかにも申しましたが、私の場合「百年早い」です。「さん」でけっこうです。 敬具
投稿: 時遊人 | 2012年11月 2日 (金) 21時17分