ニールス・ボーア生誕127年
-量子力学などよく分からない。ただ素人考えで極言すれば、ボーア最大の功績とは、この世とあの世に理論的な橋を架けた事ではないだろうか-
久しぶりでグーグルの「変わりロゴ」の話題です。7日付けで表示された今回のグーグルロゴは以下のようなものでした。
まずアトミックな図案に真っ先に目がいきます。それと赤いギザギザの波長のような線、右上の難しそうな数式。この変わりロゴを見た私は、何の根拠もなしに『もしかしてボーアか?』と直感しました。
図案の上にカーソルを当ててみると、「ニールス ボーア生誕127周年」とあり、まぐれ当たりの「ビンゴ !」だったのです。
ニールス・ボーアについては、今年1月の『ニュートン世界と量子世界』シリーズの中で少し触れたことがありました。とは言っても私自身、ボーアについて詳しく知っているわけではありません。折角のいい機会ですから、「知らない時のウィキペディア頼み」によって、簡単にみていきたいと思います。
ヨーロッパ時代
ニールス・ボーア(1885年10月7日 - 192年11月18日)はデンマーク出身の物理学者で、前量子理論の確立者、量子力学の父と言われる人です。1913年マックス・プランクの量子仮説に基づいた「ボーアの原子模型」を確立しました。
1921年にコペンハーゲンに理論物理学研究所(ニールス・ボーア研究所)を開き、外国から多くの物理学者を招いてコペンハーゲン学派を形成しました。原子物理学への貢献により1922年にノーベル物理学賞を受賞しています。
アルベルト・アインシュタインが量子力学に反対するようになると、尊敬するアインシュタインとも論争を続けて説得しようと試みます。有名なエピソードにマックス・ボルン宛にアインシュタインが書いた手紙("Der Alte würfelt nicht."神はサイコロを振らない)に反論した名言("Einstein, schreiben Sie Gott nicht vor, was er zu tun hat."アインシュタインよ、神が何をなさるかなど、注文をつけるべきではない)があります。ボーアは社交的な人柄だったので、多くの物理学者から慕われ、量子力学の形成に指導的役割を果たしました。又、彼は実験をせず科学的発見を行ったといわれています。
アメリカ時代
第二次世界大戦が始まり、ナチス・ドイツがヨーロッパでの侵略を始めると、ユダヤ人を母に持つボーアはイギリスを経由してアメリカに渡りました。1939年に発表されたボーアの原子核分裂の予想(ウラン同位元素235は分裂しやすい)は、原子爆弾開発への重要な理論根拠にされました。しかし、ボーアは軍拡競争を憂慮し、西側諸国にソ連も含めた原子爆弾の管理及び使用に関する国際協定の締結に奔走しましたが、結局ボーアの願いは叶いませんでした。
以上、ニールス・ボーアについて簡単にみてきました。ボーアはアインシュタインほどには知られていませんが、勝るとも劣らない天才だったと思われます。
ボーアが切り拓いた量子力学で画期的なのは、物質を極限まで突きつめていくと「物質が非物質になる」という大発見です。すなわち、物質性を保障している粒子がミクロでは波(波動)に変わってしまうのです。波動は不可視のエネルギーで非物質です。
後にボーアは、粒子までの世界を「明在系」、それよりも奥の極微の波動の世界を「暗在系」と呼びました。これは『ニュートン世界と量子世界(3)』で述べたとおり、「明在系(ニュートン世界) = この世」「暗在系(量子世界) = あの世」と置き換えても何ら差し支えない概念です。
しかし実はこの概念は、東洋思想では何千年も前から唱えられてきたことです。例えば仏教で説く「色即是空」「空即是色」の「空観(くうかん)」。この場合「色」が明在系で「空」は暗在系となります。
つまり我が国で言えば、空海、法然、道元といった宗教的天才がとうの昔に悟得していた境地を、20世紀になってようやく量子力学の確立によって理論的に追認したということなのです。
仔細には分かりませんが、量子力学がアプローチしたミクロの世界は「10のマイナス20乗」くらいまででしょうか。
しかし(「世界人類が平和でありますように」の提唱者の)故・五井昌久先生が言うように、「空の空のまた空の、そのまた空の空空の」というように、空には深い精妙・霊妙な段階が無限にありそうなのです。「10のマイナス50乗」「10のマイナス100乗」「10のマイナス何百乗」というような…。
と言うことは、量子力学を契機として、科学はようやくあの世の三途の川をチラッと一瞥したに過ぎないとも言えるのです。
ただ私たちとしては、この物質世界が宇宙の孤児のように単独でポツンと存在しているのではない、という認識と自覚が重要だと思われます。
「万物は波動なり」。波動はすなわち「スピリュアル」ですから、この物質世界を取り巻くすべてのモノも、私たちの身体も、物質であると同時に霊的存在なのです。「すべては密接に分かちがたく繋がっている」というこです。
そして明在系のこの世は結果次元(従)であり、暗在系のあちらの世界こそが原因次元(主)であるのです。
そのことを人類にあらためて指し示してくれた、ニールス・ボーアの業績に深い敬意と感謝を捧げたいと思います。
(大場光太郎・記)
参考・引用(肖像画像も含めて)『ウィキペディア』-「ニールス・ボーア」の項
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A2
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コメント
アインシュタインは私も知っていましたが、ニールス・ボーア走りませんでした。勝るとも劣らない天才とありますが、記事を読みながらその理由が納得できました。世の中には、やはり、とんでもない人物が何人もいるんですね。
投稿: フランクリンプランナーに挑戦中 | 2012年11月26日 (月) 20時36分
そうすね。ニールス・ボーアの業績を少し調べただけで、彼がいかにずば抜けた天才だったかを認識させられます。
ボーアの「この世とあの世の科学」である量子理論もそうですが、今は「人間この未知なるもの」について、以前とは比べものにならないくらいアプローチが進んでいます。その結果、どんな人にも「無限の潜在能力」「天才性」が潜んでいるらしいことが分かってきました。それを応用した各種の「能力開発法」が盛んですよね。
つまり努力の方向さえ間違えなければ、誰でもボーアやアインシュタインに近づける可能性があるわけです。 フランクリンプランナーに挑戦中さんも、将来天才性を発揮するお一人かもしれませんよ。
投稿: 時遊人 | 2012年11月26日 (月) 23時44分