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ジォニ・ジェイムス「夢見る頃を過ぎても」

-あの頃American Dreamには本当の「夢」があった。それを歌にすればこの歌-

 

When I Grow Too Old To Dream (邦題「夢見る頃を過ぎても」)

(Oscar Hammerstein and Sigmund Rombert)

We have been gay
Going our way
Life has been beautiful
We have been young
After you've gone
Life will go on
Like an old song we have sung

When I grow too old to dream
I'll have you to remember
When I grow too old to dream
Your love will live in my heart

So kiss me my sweet
And so let us part
And when I grow too old to dream
That kiss will live in my heart

And when I grow too old to dream
Your love will live in my heart
Oh your love will live in my heart

 Joni James(ジォニ・ジェイムス)が歌うこの『When I grow too old to dream』を知ったのは、前回の『ジォー・スタッフォード-往年の名女性歌手』との関連でです。ジォー・スタッフォードが歌う『アフトン川の流れ』(『Flow Genty,Sweet Afton』)終了画面に注目動画としてこの曲があったのです。

 『When I grow too old to dream?』。何だ、この長ったらしいタイトルは。知らないぞ、こんな歌、とは思いつつも。この動画の美しい画像に“注目”して、取りあえず一ぺん聴いてみるか、となったのです。
 「Joni James」という女性歌手、これまた初めて聞く名前だけど美しい歌声です。それに途中から何となく聴き覚えのあるメロディになったではありませんか。確か、かつてどこかの喫茶店かコーヒーショップかで、メロディだけのBGMで流れていたはずです。

 何度か聴いた私は俄然興味が湧き、『When I grow too old to dream』についてネットで調べてみました。探すのに少し苦労しましたが、この原題は我が国で『夢見る頃を過ぎても』と訳されている歌であることが分かりました。
 『何だ、このタイトルなら知ってるぞ』。こうして今まで『夢見る頃を過ぎても』というタイトルと、メロディを別々で知っていたものが、今回ピタッと一致したのです。

 この歌はオスカー・ハマースタイン二世の作詞、シグムンド・ロンバーグの作曲により1934年に作られた歌のようです。そもそもこの歌は、翌1935年に公開された映画『The  Night is Young』(邦題『春の宵』)の劇中曲として、はじめにロンバーグの曲がまず出来上がり、後でハマースタイン二世が歌詞を作ったのです。
 いわゆる「先曲後詞」の好例ですが、ハマースタイン二世が詞を完成させるのに3週間かかったのだそうです。その間の苦労話などを後に彼自身が『作詞に関する覚書』(1949年)として記しています。作詞全般からこの歌のタイトル、一つ一つのフレーズが出来るまでのプロセスなどについて、なかなか示唆に富む記述です。(参考に末尾に、それを訳したサイトURLを掲げました。)

 アメリカの昔の歌ながら、今の“異国”の私が聴いても大変「懐かしい」感じがする歌です。
 1934年は我が国の年号で言えば昭和9年、1929年(昭和4年)ウォール街の株暴落に端を発した世界大恐慌からアメリカ自身がようやく立ち直りかけ、米国お得意の「戦争による経済浮揚」を目論んで、かねてから用意しておいた膨大な「オレンジノート」(対日戦争戦略文書)を実戦に生かす機会を、虎視眈々と狙っていた時期だったことでしょう。

 このように、その頃のアメリカとて諸々の問題もあったのでしょう。が、こういう良い歌が作られ大ヒットした時代というのは、アメリカにとって「幸せな時代」だったと言うべきです。
 この歌の「dream」は、「Aerican Dream」(アメリカン・ドリーム)にも通じるように思われます。
 後の1960年代のケネディ大統領暗殺やベトナム戦争などによって「Broken dream」になるずっと前。当時のアメリカ国民は「アメリカン・ドリーム」がもっと純粋に信じられた、アメリカにとっての「古き良き時代」です。

 この『When I grow too old to dream』を、当初は同映画に主演したラモン・ナヴァロ、イヴリン・レイが歌いました。
 その後オールドソングとしてスンダードナンバー化したことにより、さまざまなアーティストがこの歌を歌っています。主なところでは、ダイアナ・クラール、ドリス・ディ、リンダ・ロンシュタットなど。極めつけは、ナット・キング・コールがコテコテにジャズアレンジして歌っていることです。

  … 夢見る頃をとうに過ぎてしまったけれど
    僕は君を想い続けている
    夢見る頃を過ぎたのに
    君の思い出は僕の胸の中にある …

 この動画で歌っているジォニ・ジェイムスは、1930年生まれで、1950年代から60年代に活躍し、そのチャーミングな美貌から「アメリカの恋人」と称されたほどの人気のあったポピュラーシンガーのようです。
 この歌でも、彼女の伸びのある高く澄んだ美しい声が印象的です。

 ジォニ・ジェイムスがこれを歌ったのは1959年(昭和34年)ですが、伴奏は基本的にギターのアルペジオ演奏のみ(途中ハープ演奏が加わる)。
 その後ありがた迷惑にも、息急(いきせ)き切ったアップアップしたアップテンポの曲ばかり、我が国にどんどん送りつけて来たのがアメリカです。そんなアメリカでさえ、当時はこんなゆったりした心地良い美しいワルツの曲が受容されていたのです。
 これですよ。人の世のそして自然の、あるべきテンポとは !

 最後に、この歌の画像についてー。
 この歌とは直接関係ないのでしょうが、実に美しい海辺の絵です。この画像を見た時から、私はこれまた何の関係もないことを連想してしまいました。
 私はブログ開設間もない頃、『遥かなるレムリア』という詩を公開しました。実はその詩に続いて『レムリアの浜辺』『レムリアの風』など一連の「レムリア詩」を予定していたのですが、どうにも着想が思い浮かばず断念したのでした。
 この美しい絵。そうです、これです。「レムリアの浜辺」のイメージにピッタリです !

 (大場光太郎・記)

参考・引用
『All the Things When I grow too old to dream』-「酷使された言葉:DivineとDream』(ハマースタイン二世『作詞に関する覚書』の抄訳あり)
http://homepage2.nifty.com/jazzsong/es090228.html
『夢見る頃を過ぎても』(リン・ロンやキング・コールなどのこの歌の動画あり)
http://ameblo.jp/popfreak/entry-10989863120.html
関連記事
『ジォー・スタッフォード-往年の名女性歌手』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-91c9.html
『遥かなるレムリア』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_b430.html

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