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日本の右傾化は衰退の兆候だ

 「この道はいつかきた道」。安らかに眠ってください。過ちは繰り返しますから、、、、
  (寺嶋眞一氏)

 『日刊ゲンダイ』に、「金子勝(慶大教授)の天下の逆襲」という連載コラム(隔週火曜日掲載)があります。金子勝氏といえば、以前見ていたテレビ朝日の『朝まで生テレビ』の常連コメンテーターとしてよく出演していて、あまり多弁な人ではないながら、核心を衝いた発言をしていました。
 その金子教授、最新の同コラム「日本の右傾化は衰退の兆候だ」というタイトルの一文を載せています。興味深い一文なので以下に掲載します。

 とその前に、例によって私の拙い前説を述べていきます。

 私自身以前の政治記事の中で何度か「国が下り坂になるとナショナリズムが台頭してくる」と述べました。
 つい最近の尖閣問題に見られる「反中国感情の高まり」など、確かに国民の間の右傾化傾向は顕著になりつつあるようです。そしてこの時代は、出口の見えないデフレ不況、政治的混迷、異常な事件の頻発・・・。
 もう67年を数える戦後日本の歩みの中で、今ほど国民が将来不安を抱え、閉塞感が満ちている時代はなかったと思われます。

 戦後日本の中で一番活力があったのが、高度経済成長期の昭和4、50年代でした。ではその頃右傾化の嵐が吹き荒れていたでしょうか。いいえ、決してそんなことはなかったのです。あの頃は国民全体が「明日への希望」に目を向けることができ、エネルギーのベクトルはそちらに向けられ、余計な変なことに目を向けずに済んだのです。

 こうしてみると、今の時代の「右傾化」「ナショナリズム」は少なくとも前向きで建設的なベクトルではなさそうです。安倍晋三自民党総裁が「国防軍の創設」など戦前回帰的なことを唱えているように、逆に後ろ向きなベクトルといっていいようです。
 政治の世界でいえば、安倍自民党以外にも、野田民主党はこれまた右傾の松下政経塾党といっていい状況です。維新の党もまた然り。選挙後はこれら右傾談合勢力が翼賛的に連立を組むことになるのでしょう。

 GDP、国としての格付け、車・家電などの国際的競争力、就業人口数、子供の学習力・・・。どれもかつては日本が世界に誇れたものですが、国際的各指標から見て軒並み低下しています。
 本来ならばエネルギーはそれらの指標を押し上げる方向に向かうべきなのに、そのような強いエネルギーに乏しいがために、弱いエネルギーがつい横路に逸れ自己陶酔的な右傾化、ナショナリズムに向うのだと思われるのです。 (大場光太郎・記)

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金子勝(慶大教授)の天下の逆襲「日本の右傾化は衰退の兆候だ」

 以前、このコラムで、安倍晋三と石原慎太郎の名前をあげ、外国メディアが日本の右傾化を懸念していることを紹介した。
 ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、CNN、ブルームバーグ、英エコノミスト誌、ルモンド・・・とキリがないが、海外の主要メディアは一斉に日本の右傾化を批判している。

 つい最近は「ソフトパワー」で有名なハーバード大のジョセフ・ナイ教授が、「日本のナショナリズムは衰退の兆候だ」という一文を、英フィナンシャル・タイムズ紙に寄稿している。ナイ教授は、世論調査によると安倍首相が誕生することになるが、日本の右傾化は衰退を意味するという。日本が衰退し内向きになることで、アジアが不安定化するのを懸念しているのだ。
 アメリカまでが、日本の右傾化に不安を強めていることに注目した方がいい。

 ところが、日本のメディアはどうだろうか。正面からの右傾化批判は、ほとんど見られない。かつてなら朝日、毎日は、強く批判したはずだ。日本のメディアも衰退の兆候が表われているのではないか。
 それは、政治部の記者が政策をきちんと勉強せず、御用達の言うがままで政局報道に明け暮れているからだろう。記者たちはどんな政策を選択したらいいのか、国民に問いかけることが出来なくなっており、結局、日本の右傾化を招いているのだ。

 大手メディアは、原発報道ですでに国民から見放されつつある。そのうえ、小泉劇場政治に乗った反省もなく、暴走老人の石原慎太郎やテレビ瞬間芸の橋下徹を無批判に取り上げ、政策がコロコロ変わってもきちんと批判しないで追いかける。
 安倍晋三は「国防軍だ」「改憲だ」「日銀法の改正だ」と、戦時中のような政策を次々に打ち上げているが、大手メディアは、まさか、こんな政策によって日本が良くなると信じているわけじゃないだろう。なぜ正面から批判しないのか。

 その一方で、「未来の党」については政策の中身ではなく、小沢色が強いウンヌンと、自民党とまったく同じトーンで批判しているのだから支離滅裂だ。「卒原発」は朝日、毎日の主張と変わらないはずなのに。これでは日本の衰退は止まらない。 (転載終わり) 

引用
『日刊ゲンダイ』(12月5日7面) 
関連記事
『寺嶋眞一先生とのやりとり』 
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-ee75.html            

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