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公共事業と金融緩和で日本経済は良くなるか

 -当面景気は上向くかもしれない。しかしトータルで考えると相当ヤバイらしい-

 自民党の安倍総裁は選挙中、景気浮揚をしきりに訴えていました。その経済政策を名づけて、「安倍」と「エコノミクス」から「アベノミクス」と言うのだそうです。
 えっ、安倍晋三の「経済政策」?「戦争屋」としてならよく認識してるけど、経済通とは一度も聞いたことないぞ。どうせ、米国御用達学者の誰かの入れ智恵によるものなんだろ。

 確か安倍晋三が自民党総裁に返り咲いて、真っ先にぶち上げたのが「改憲」と「国防軍創設」でした。小泉元総理がやりたかったのが郵政民営化だったように、安倍が再内閣で何としてもやりたいのがそれであることは明らかです。
 それには出来るだけ多くの票を集めて、民主党から政権を奪い、かつ安定多数以上の議席を確保したい。選挙中にわかに言い出した経済対策は、有権者への蒔き餌(まきえ)だったのです。

 それに、2014年4月からの消費税引き上げを実施するには、何としても「物価目標2%」などを掲げて国民に好況感を与えなければなりません。どうやら「消費増税」は、財政危機にあえぐ米国からの秘密指令のようですから、実施しないわけにはいかないのです。道理で“アメリカ様命”の財務省が、“操り人形な”野田をせっ突いてやらせたわけです。

 ともかく。「アベノミクス」の大きな柱は、金融緩和・円安誘導と公共投資だというのです。これにつられて、長期化するデフレ不況に苦しみ、その言葉を信じて「何としてでも景気浮揚してくれ」と、藁にもすがる思いで自民党に一票を投じた有権者も多かったことでしょう。

 衣の下に鎧を隠しているのは見え見えとしても、アベノミクスという経済政策によって、本当にデフレから脱却でき、景気が良くなるのだったら大いにけっこうなことです。
 しかし「安倍の円安政策は危険なインフレターゲットであり、日本を滅ぼす」と警鐘を鳴らす専門家もいます。円安による金利上昇によって、ハイパーインフレや金融セクターの崩壊を招く恐れがある、というのです。

 金子勝慶大教授も安倍の経済政策に疑問を投げかける一人です。以下に、『日刊ゲンダイ』の連載コラム「金子勝(慶大教授)の天下の逆襲」の直近記事を転載します。  (大場光太郎・記)

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公共事業と金融緩和で日本経済は良くなるか

 
12月16日の衆院選は、投票率が史上最低になる中、自民党が290議席を超え、自公で320議席以上を確保した。
 支持率わずか20%の自民党が単独過半数を握った。政党政治は民意を全く反映しなくなるだろう。バブル崩壊以降、銀行の不良債権問題から福島原発事故に至るまで、誰一人として責任をとらない中で、その原因をつくった自民党政権になる。この国は滅びの過程に入った。

 思い起こしてみよう。
 「失われた20年」の間、公共事業で景気対策を行ってゴマカし、財政が悪化すると「構造改革」をとる。それが格差や貧困を拡大し、デフレが強まると、また景気対策に逆戻りするというように、常に2つの政策の間を揺れてきた。また逆戻りしただけである。
 その間、日銀の金融緩和政策をエスカレートさせてきた。

 小泉政治の結果、日本は格差と貧困が拡大し、雇用が壊れ、給料が下がり続けてきてしまった。このデフレをつくり出した張本人である自民党が、デフレの原因を日銀のせいにして、安倍自民党総裁は、大規模公共事業を行い、日銀に無制限に国債を引きうけさせる“劇薬”に手をつけるつもりだという。

 だんだん戦前とそっくりになっている。日銀法改正、憲法を改正して集団的自衛権に国防軍の創設、教育委員会の独立性を奪っていく。
 こんなタカ派路線をとれば、アジアで孤立し、ますます貿易収支は悪化するだろう。
 いまや中国、韓国への輸出が全体の3割を占め、アジア全体では5割以上に達している。日本経済は悪化するに違いない。

 それでなくても、小泉「構造改革」によって日本企業の競争率はガクンと落ちている。企業は内部留保をため込むだけで、技術開発を怠り、リストラして技術者を流出させたからである。スパコンでは決定的な後れをとり、ソフトやコンテンツを生み出す力も弱く、IT革命に取り残された。
 スマホの端末も本当に日本製が生き残れるのか分からない状態だ。

 公共事業を拡大し、日銀による無制限の金融緩和をしただけでは日本企業の競争力低下は止まらない。確実に「失われた30年」に向かうだろう。
 唯一の希望は、安倍首相の能力では政権が1年ももたないだろうということである。  (転載終わり)                         

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