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同じ事二度ある仕組?

  同じ事二度くり返す仕組ざぞ、このことよく腹に入れておいて下されよ、同じこと二度。 (昭和二十二年八月二日『日月神示』)

 今から71年前の昭和16年(1941年)12月8日未明、旧日本海軍が米国ハワイ州の真珠湾を攻撃し、日米戦争の火蓋が切って落とされました。以来3年8ヶ月余、同戦争が続くことになったのです。
 その結末が日本にとってどれだけ悲惨なものであったか、どなたもよくご存知のことでしょう。そしてそのことが、米国隷属というイヤな後遺症としてこの国に今日にまで深刻な影響を及ぼしていることも。

 昨年のこの日、『もう一つの12月8日未明』という記事を出しました。これによって、真珠湾攻撃による日米開戦は、この現象世界の単なる突発的な出来事ではなかった可能性があることを確認しました。

 ごく簡単におさらいすればー。真珠湾攻撃を遡る6年前の同日、つまり昭和10年(1935年)12月8日未明、ある重大な出来事が起こっていたのです。
 それは当時の旧天皇制国家による、大本(おおもと)教団に対する「2度目」の弾圧事件の発生です。その後何年にも渡って続くことになる同弾圧は、世界の近代宗教弾圧史上類を見ないと言われるほど過酷なものでした。どれだけ凄まじいものだったか、心ある方は『もう一つの12月8日未明』をご一読ください。

 聖師と呼ばれていた大本の中心者の出口王仁三郎(でぐち・おにさぶろう)が出獄してきたのは、じつに6年8ヶ月ぶり(この年月数にも暗合あり)となる昭和17年8月7日のことでした。その時王仁三郎は「ワシが出てきた時が戦(いくさ)の負け始めじゃ」と言っています。事実同月すぐのガダルカナル島での大敗北によって、日本の負けが決定的になったのです。

 出口王仁三郎は後にこうも言っています。「今回の大戦で何の罪もないのは世界中で大本だけじゃ」。実際バチカン(ローマカトリック)だって、英仏米フリーメーソン連合国を嫌ってナチスドイツに肩入れしたのですから。大本は幹部たち三千人以上が投獄され、全国の施設が歌碑のたぐいに至るまで破壊されました。結社は強制的に解散させられたも同然ですから、「無罪」なのは当たり前なのです。
 それに弾圧の根拠とされたのは治安維持法違反、不敬罪の二つでしたが、治安維持法違反は昭和17年に無罪確定、不敬罪も戦後すぐに無罪となりました。

 昭和10年の第二次大本事件と、昭和16年の真珠湾攻撃と。同じ「12月8日未明」の符合は何を物語るのでしょうか。他に幾つも暗合が重なり合っており、大本研究者にとって単なる偶然で済まされるものではないのです。
 大本教祖・出口直(でぐち・なお)に、艮金神(うしとらのこんじん-実は地球国祖・国常立大神)から降ろされたお筆先『大本神諭』は有名です。その中で、以下のようなことが繰り返し出てきます。

 「大本は日本と世界の型をするところ」
 「大本に起きた事が世界に響いていくのじゃから、箸が転げ落ちたことまで書きとめておいくだされよ」
 「大本が潰れれば日本も潰れる」

 出口王仁三郎は事件前「大本は宗教などでは断じてない」と言っていたといいます。では大本は一体何だったのでしょう。ある研究者は「神劇団だったのだ」と言っています。どういうことなのでしょうか。
 神の地上代行者の出口王仁三郎によって集められた大本関係者たちによって、日本と世界を「立替え、立直し」するのための“雛型”が演じられていたというのです。もちろんこれは邪神たちに知られ、妨害されてはいけない正神界の最重要機密事項ですから、真相を知っていたのは出口王仁三郎ただ一人です。

 この神劇は、神界の国祖大神の御意思が、幽界を経て現界の大本の出口聖師に伝わります。聖師はその御意思を汲んで神劇団員(大本信徒ら)や状況を動かします。(神幽現・三界移写の法則)
 そうして大本で演じられた型が、やがて日本と世界に拡大していくという神秘極まりない仕組なのです。(大本、日本、世界拡大の法則)

 中でも「12月8日未明の型」は、そのスケールにおいて前代未聞だったと言えます。全国数百万人の大本信徒はもとより、遠山満、北一輝といった右翼の大物、時の日本政府、いな昭和天皇までをも巻き込む壮大なスケールの神劇だったのですから。

 「12月8日未明」などの暗合から、第二次大本事件は日米戦争、敗戦、占領に至った先の戦争の型と捉えがちです。しかしどうもこれは違うようです。
 先の戦争の型は、大正10年に起きた第一次大本事件だったのです。

 そこで冒頭の、昭和22年の『日月神示』(ひつくしんじ)の「同じ事二度ある仕組」という預告となるわけです。ご存知の方も多いかと思いますが、『日月神示』は一時大本に関係していた画家の岡本天明師に、戦争末期から降ろされた神示です。『大本神諭』と同じ国祖系神示です。
 第一次と第二次では「激烈深刻さ」において比較になりません。その第二次大本事件の拡大版はまだで、今後日本を中心として世界に起きるのだとしたら・・・。

 今日の日本政界の大混迷、まず「大政翼賛連立」ありきの今回の総選挙、世界的金融危機、長期化する不況、失業者・フリーターの拡大、モラルの低下。増大する社会不安、ネット規制などの言論統制強化、強まる官僚支配、集団的自衛権行使容認・国防軍創設・改憲・核武装論、右傾化する主要各政党、無批判に翼賛報道を垂れ流す言論機関・・・。
 かつての「天皇中心主義」が「米国中心主義」に変わっただけで。「この道はいつかきた道」。戦前とのあまりの相似形に、背筋に寒さを覚えるのは私だけでしょうか。「大難を小難に、小難を無難に」と祈らずにはおられません。

 (大場光太郎・記)

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『もう一つの12月8日未明』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-5be6.html

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