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フォレスタの「蛍の光」

                       

  行く年の川面(かわも)の灯影(ほかげ)揺らめいて  (拙句)

「フォレスタ - 蛍の光」YouTube動画
    

 今年も残すところあとわずかです。年を送る歌としてちょうど折りよく、フォレスタコーラスが『蛍の光』を歌ってくれたではありませんか。そこで今年1年の「フォレスタコーラス」記事の締めくくりとして、この歌を取り上げてみたいと思います。
 『蛍の光』については、以前の『「蛍の光」あれこれ』記事などで述べています。そこでまずはその内容をざっと見ていきたいと思います。

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 『蛍の光』は、「Auld Lang Syne」(オールド・ラング・サイン)というスコットランド民謡を原曲とする日本の唱歌です。原曲タイトルの意味は「久しき昔」となります。
 昔からスコットランドに伝わるこの民謡に新たな歌詞をつけたのが、ロバート・バーンズ(1759年~1796年)でした。バーンズにはこの歌以外にも、日本でもよく知られている『故郷の空』や『アフトン川の流れ』の原詩者として知られた、スコットランドの国民的詩人です。

 バーンズはこの民謡の以前からの歌詞を下敷きに、一から書き直しました。そうして出来上った歌詞は、旧友と再会し思い出話をしながら酒を酌み交わすという内容になりました。バーンズが新詞を作ったことにより「オールド・ラング・サイン」は、ハイドン、ベートーベン、シューマンといった大作曲家たちも伴奏をつけ、欧米、のみならず全世界に広まることになったのです。

 日本では明治10年(1887年)小学唱歌を編纂する時、稲垣千頴が独自性の高い訳詞を試みて採用され、これが『蛍の光』となったのです。同歌は明治14年(1881年)に尋常小学校唱歌として、小学唱歌集初編に初めて載せられました。
 それ以降、卒業式やその他数多くの場面で歌われたり演奏されながら今日に至っているわけです。なお元々の『蛍の光』は5番まであります。しかし戦後、3~5番の歌詞は軍国主義の色濃いという理由から、現在では2番まで歌うのが通例です。

 思えばこの歌を卒業式で、商店・デパートなどの閉店時のサインの曲として、紅白歌合戦で「行く年」を惜しむ歌として…これまで幾度歌ったり、聴いたりしたことでしょう。
 しかし私にとって、最も印象的な『蛍の光』があります。それは映画『哀愁』の中のワンシーンとしてです。

 映画『哀愁』は1940年公開のアメリカ映画です。主演はヴィヴィアン・リーとロバート・テイラー。昔懐かしい白黒映画だったことが、この映画の全編に漲る叙情性と哀愁を一段と深めていたように思います。
 『哀愁』というのは、1949年(昭和24年)日本で公開された時につけられた邦題で、この映画を一言で要約するとつまりは「哀愁」ーなかなか秀逸なタイトルだと思います。
 
 原題は『WATERLOO BRIDGE』であるように、この映画はロンドン市街を流れるテムズ川に架かるウォータールー橋の回想のシーンで始まり、同橋での現実のシーンで終わります。その間第一次世界大戦から第二次世界大戦まで。第一次世界大戦中、欧州大陸に出征直前のイギリス軍将校ロイ・クローニン大尉(ロバート・テイラー)は、バレエの踊り子マイラ・レスター(ヴィヴィアン・リー)と夜霧が立ちこめるウォータールー橋上で偶然出会います。

 たちまち恋に落ちた2人は、その夜やっとのことで“逢ひびき”を果たします。そしてとあるダンスホールで2人は、至福のダンスを踊り続け、午前零時を回ってその最後に生演奏されたのが『オールド・ラング・サイン(蛍の光)』だったのです。この曲に合わせて踊る2人のシーンが、この曲は「別れの歌」としての印象が強いせいか、その後の悲しい結末を暗示しているようで…。とても印象的で、あれほど甘美で切ない『蛍の光』はありませんでした。

 なお原曲は4拍子の曲ですが、この映画ではより哀愁味を出すためか、ロマンティックなワルツ(3拍子)として流されました。そしてこのワルツ曲が後に『別れのワルツ』として世界的にヒットしていくことになります。
 現在我が国で、多くの公共施設や商業施設での閉館、閉店直前のBGMとして流されるのは、この『別れのワルツ』(古関裕而編曲)なのです。

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 なお「オカルティスト」(?)の私としては、極めつけの「蛍の光秘話」を述べないわけにはまいりません。

 『蛍の光』は、1万2千年前レムリア大陸が海中に没する時、「遠い未来の再会を約束して歌われた歌だった」と言うのです。アトランティス滅亡に先立つ数百年前のこと。スピリチュアル・ハイラーキー(霊的聖師団)から、予めその事態を知らされていた神官・女神官群は、それぞれの生まれ故郷に戻り、レムリアの民の苦痛を和らげるために励まし、口が海水につかるまでこの歌を歌いながら民と共に海中に沈んでいった・・・。

 実はその大危機をかなり前に知らされ、レムリアを脱出していた人たちがいました。レムリアの王・王女、大神官のアダマなど約2万5千人ほどの人たちは、現在の米国西海岸沿いの聖山シャスタ山の地中の洞窟に移り住み、そこに「テロス」という高度な地下都市を築いて今日に至っているといいます。(米国政府はかなり以前からその存在を知り、シャスタ山内部への侵入を試みるも、超テクノジーによるバリアーに阻まれ失敗に終わっている。)

 レムリアに縁深き地上の人たちとテロス市民との、『蛍の光』で約束されていた再会の時は迫っている・・・。

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 男声4人と女声5人の混声フォレスタによる『蛍の光』の素晴らしさ(特に1番のアカペラコーラスは圧巻 !)は、各自お聴きになって実感していただくとしてー。ここからは今年1年の「フォレスタコーラス」記事の総括などを簡単にしていきたいと思います。

 何度も繰り返しますが、今年1月中旬たまたま『フォレスタの「別れのブルース」』を聴き、吉田静さんの独唱と3人の女声コーラスに大感激し、即フォレスタファンとなり『美しすぎる「フォレスタ」』記事としたのが始まりでした。
 以来書きも書いたり、この記事で35くらいになります。しょせん“素人のたわ言”ですから、的外れなことも多く、根がウカツで粗忽者の私ですから、つい失礼な「フォレスタ個人情報」に踏み込んだこともありました。

 中には『この記事は全削除した方がいいかな?』と思うような記事もあります。しかしその記事を「お気に入り」に入れてくださっている方もおられ、そのまま残しています。ご関係の方々、どうぞご寛恕賜りますようお願い申し上げます。

 その時々の季節などに応じて、私の独断と偏見によりフォレスタ曲を取り上げてきました。本当は全フォレスタ曲に寸評を加えていきたいところです。しかし今現在も新しい曲がどんどんアップされている状況ですから、物理的に不可能です。
 そこで今後とも、時々に感じた曲を、引き続き独断と偏見で取り上げていくことになろうかと思います。

 そもそものキッカケもあって、(皆様とっくにお見通しのとおり)私は基本的に女声フォレスタファン→吉田静ファンです。なるべく公平を期しつつも、つい吉田さん中心のローテーションになろうかと思いますが、このこともあしからずご了承ください。

 それと私の偽らざる感想と致しましては、現在休止中の小笠原優子さんと矢野聡子さんが復帰してこその「新編成女声フォレスタの完成」という気がします。小笠原さんと矢野さん、来年は復帰してくださるのでしょうか !?

 4月から多くのフォレスタ動画をアップしてくださっているeverstone04さんには、大感謝です。everstone04さんは「フォレスタ普及」の大功労者です。
 今現在までその動画を削除されていないBS日本テレビ様のご寛容にも、多くのフォレスタ動画ファンになり代わりまして感謝申し上げます。同動画には有形無形の「宣伝効果」があろうかと思いますので、どうぞ来年以降も存続出来ますよう、ご高配のほどよろしくお願い申し上げます。

 フォレスタコーラスのさらなる飛躍のために、“ひとしずく”ほどのお役にでも立てますよう、来年もフォレスタ記事をご訪問の皆様と有意義な「共同創造」が出来ればと考えます。

 ラブ・フォレスタ ! 良いお年をお迎えください。

 (大場光太郎・記)

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『「蛍の光」あれこれ』
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『「蛍の光」は1万2千年前の歌だった?(1)~(6)』-「地底都市テロス・空洞地球」カテゴリー
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『美しすぎる「フォレスタ」』
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コメント

 本記事は2012年12月30日公開でしたが、今回トップ面に再掲載します。

  月日とはそも時間とは何ものかげにたおやかに今年逝(ゆ)かなむ  (拙歌)

 今年は当ブログにご訪問くださり、ありがとうございました。来年も変わりませずご訪問いただければ幸甚に存じます。

 それでは皆様、良いお年をお迎えください。 (2017年12月31日)

投稿: 時遊人 | 2018年1月 1日 (月) 03時57分

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