安倍自民党に「お好きにどうぞ」と白紙委任状
-その気になって、増税、原発、TPP、果ては改憲、国防軍。何でもやってくるぞ-
関連記事にも書いたとおり、私自身「再生か亡国かの重大選択選挙」と位置づけていたのが今回の総選挙でした。
事前の新聞・テレビ各社の予測により、民主党から自民党に逆・政権交代しそうなことは分かっていました。と言うのも、政局の重大な節目節目で政治的潮流を決める鍵を握っているのは、実は大手マスコミだからです。
残念ながら多くの国民は、新聞・テレビが流すご託宣(報道)に懐疑を抱き、それに影響されず、自分の頭で考えた投票行動を取るほどには成熟していません。だから自ずとそうなるわけです。
それにしても結果的に、自民党に294議席、その友党の公明党に31議席、自公に絶対安定多数を超える「325議席」。与えすぎでしょ、いくら何でも。
今回は、民主党政権の3年3カ月の失政・悪政に絶望し、「民主党は絶対ノーだ !」という気持ちは確かに分かります。かく言う私だって同じ気持ちだったのですから。しかしだからと言って、「民主党ノー = 自民党イエス」じゃないでしょ。そういう短絡捉え方こそ、大マスコミの思う壺なのです。
何度もくり返しますが、「消費増税」「原発」「TPP」という三大争点に限ってみても、消費増税法案成立を巡って民自公3党密室談合をしたことで明らかなように、自民党と民主党の間に違いはほとんどありません。
だから毎度申し上げてきたとおり、三大争点を巡る本当の対立図式は「民主vs自民」ではなく、「民主、自民、公明vs第三極」であったはずです。
そして本当の意味での第三極とは、大マスコミが喧伝した維新の党ではありません。維新は橋下と石原の野合により、政策的に自民党などと大差ない、自民党補完勢力であることがはっきり見えてきたではありませんか。
三大争点などで自公民と鮮明な違いを見せたのが、日本未来の党をはじめとした少数政党です。がしかし、政官業のパシリの大マスコミは「自公民+維新vs真第三極」という本当の対立図式は隠して報道しないです。
国民有権者がいかに大マスコミの誘導・歪曲・偏向報道に左右されやすいか。自公に絶対安定多数を与える一方、白昼堂々「核武装論」を唱える石原慎太郎が党首を務める維新の党を、第3党(54議席)に躍進させたことからも読み取れます。
そして大マスコミの「真第三極隠し」がまんまと功を奏して、未来の党(9議席)など「民意」を本気で汲もうとしている良識ある党は大惨敗です。
今回は「裏切り民主党」によって政治に対する絶望感から、投票率は60%を切り過去最低だったようです。つまり今回自公が絶対安定多数を得たとしても、7、8割超の国民有権者が自民ないしは公明を支持したということではないのです。
ざっと計算すると自公に投票した有権者は、全体の3割強に過ぎないのではないでしょうか。なのにフタを開けて見ると「自公325」の絶対安定多数。選挙区で一人だけが当選し、他の候補者への投票は大量に死に票となる、今の小選挙区制の怖さです。
自公に民主や維新など、そのシンパとなるのだろう「右傾化」政党を含めると全480議席中436議席にも達します。この国の「批判勢力」は消滅したも同然です。おぞましい大政翼賛政治が再来しかねない政治状況が出来上がったのです。
これはどう考えても健全な議会制民主主義国家の姿じゃありませんよ。こういう政治状況形成に加担している新聞・テレビの罪は万死に値します。
ともかく、これで自公が提出する問題法案は片っ端から成立です。ご案内のとおり、自公合わせても参院では過半数に届きませんが、もう事実上の「ねじれ解消」です。ある法案が参院で否決されても、衆院に戻して数の論理で再可決すればオーケーなのですから。実際以前の安倍政権下で、何度もそういう場面を見せつけられましたよね。あれの超拡大版を嫌というほど、今後何年も・・・。あゝ嫌だ、嫌だ、勘弁だ。
(大場光太郎・記)
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コメント
心中お察し申し上げます。
心中お察し申し上げさせていただいたうえで、こちらの田舎の情報をひとつ。
実は貴殿の生まれ故郷の選挙区に、ばりばりの若手代議士が誕生しましたよ。
父が南陽市出身ということで2009年の選挙のおりに、自民党から出馬して民主党某議員に大差で惨敗していたのですが、なんと今回は10万票強を獲得して、現職副大臣に2万票近くの大差をつけて勝あがったのです。
略歴をご紹介しますと、私立開成高ー東大法ー農水省入省、内閣官房『美しい国づくり』推進室ー消費・安全局表示・規格課法令係長。(日本最耕プロジェクト)発起人、消費・安全局総務課総括係長と七年間の役人経験の持ち主でした。
厚顔のしょうゆ系で優しい人物ですよ。 一応、今回はじめて置賜からふたりの衆議が永田町に登壇します。 ぜひ、一度会ってあげてオゴヤエ!。
投稿: hanasaka.jこと山本・Y | 2012年12月18日 (火) 12時25分
私の心中を慮っていただき恐縮に存じます。我が心中至って平静なれど、今回の選挙結果にただただ「いよいよ亡国に何歩も近づいたな」と、この国の行く末を深く憂慮致すばかりです。
そうですか、鈴木憲和氏、それはそれはお目出度うございます。この国にとって最大の害毒である「官僚支配構造」の打破は喫緊の大課題ですが、自民党ましてや農水省ОBではとてもとても。また一人優秀な「官僚の官僚による官僚のための政治家」の誕生ですね。
安倍自民党下でまたぞろ、時代逆行のバラマキの公共事業予算復活に伴って、鈴木氏もしっかり公共予算を分捕り、ハコ物・道路などをどんどん造り、おらが郷里の一層の破壊に手腕を発揮なさるのでしょうね。
どうせだったら鈴木氏、最高の置賜振興策として、旧吉野鉱山跡地辺りに「原発」または「核燃料最終処分場」建設に尽力され、実際建設されてみては。そういう輝かしい実績を積み重ねれば、農水族議員として将来は農水相、いな総理大臣も夢ではありませんね。(ただしそれまで「日本」が続いていればの話ですが・・・)
投稿: 時遊人 | 2012年12月18日 (火) 18時24分