フォレスタの「ちんちん千鳥」
-今回はつい「吉田静礼賛」に。他の女声フォレスタファンの皆様ごめんなさい-
(「フォレスタ - ちんちん千鳥」のYouTube動画)
http://www.youtube.com/watch?v=a4lXVFO1oAY
女声フォレスタの「ちんちん千鳥」を初めて聴いたのは今年1月のことでした。その時、導入部の4女声の凛とした立ち姿から、ふとデルフォイ神殿などに仕える巫女(みこ)が連想されました。この歌に限ってなぜ?と考えてみるにー。
一つは4女性が身に着けているエレガントなこの衣裳ですね。次に何となく荘重な感じのピアノのイントロ。(演奏しているのは南雲彩さんか吉野翠さんか?曲の感じから南雲さんかな)。さらには夜明け前を思わせる、深いブルーの背景・・・。
そういうのがあいまって、そんな突拍子もない連想が起こったものなのでしょう。
また例によって余計な私見を申し述べればー。
無数の人でごった返している今の世の中、人々の脚光を浴びる立場に就くことは、そうそう願って出来ることではありません。
しかしこの人たちは現にそういうお立場に就いていらっしゃいます。それに見合った「魂の履歴」がないと適うことではないはずです。だから名だたる神殿の巫女はともかく、皆さん、今のお立場に相応した輝かしい過去世をお持ちだとしても不思議ではないと思うのです。
この童謡は、詩人の北原白秋(きたはら・はくしゅう)の詩に作曲家の近衛秀麿(このえ・ひでまろ)が作曲し、大正10年に発表された作品です。
白秋の詩の初出は(大正7年発刊の)童話雑誌『赤い鳥』でした。と、また『赤い鳥傑作集』(新潮文庫)を繰ってみるに、『雨』『赤い鳥小鳥』『からたちの花』などとともに、この童謡が確かに載っていました。
『ちんちん千鳥』のタイトルの下にカッコ書きで、(こもりうた)とあります。あゝそうか、北原白秋の子守歌としては『揺籃のうた』の方が有名ですが、この歌も実は子守歌だったんだ !
至ってシンプルな北原白秋のこの詩。しかし詠み込まれている叙情には深いものがあります。それを十分に汲み取った上での、「詞曲一体」のような近衛秀麿のメロディ。
そう、確かにこの歌は子守歌に違いありません。そうして一曲完成したこの歌を何と言えばいいのか。民族の古い深層的心に触れるような、言いようのない懐かしさがあります。
しらじらと氷かがやき 千鳥鳴く 釧路の海の冬の月かな (石川啄木『一握の砂』より)
啄木の有名なこの短歌がそうであるように、まさしく「千鳥」は冬の季語です。
我が国童謡の揺籃期(ようらんき)にして全盛期だった大正後半の優れた童謡群は、互いに影響し合っているようなところがあります。例えばこの歌の「ちんちん千鳥は親無いか」という一節は、鹿島鳴秋の詩になる『浜千鳥』の「青い月夜の浜辺には 親をさがして鳴く鳥が」と響き合っている、と思うのですがいかがでしょうか。
この歌では、白石佐和子さんの1番独唱もさることながら、吉田静さんの存在感が凄いですね。2番独唱もそうですが、3番輪唱の吉田さん。1対3ながら、白石佐和子さん、矢野聡子さん、中安千晶さんという先輩たちを向こうに回して、一歩も後に引かない堂々たる歌唱です。
それにしても吉田さん、前の輪唱パートを歌っている3人の声に引っ張られずに、よく歌えるものです。「さすがプロ !」と感心してしまいます。
この歌の動画には、私などよりずっと秀逸な「吉田静評」コメントがありますので、以下に転載します。
また例によって、断りなしで吉田静さんのブログ『ビタミンCちゃん日記』から借用しました。(吉田さん、もしこれをご覧ならどうぞお許しください。)
白石さん、中安さん、吉田さんという美女三人。皆さん、にこやかでいい表情ですね。「良い仕事をした !」という充実感、満足感が伝わってきます。私は根が正直なもので言っちゃいます。中でも吉田さん、オーラ活き活き、いやいっそ「フェロモン出まくり」とでも言ってしまおうか、ひときわ輝いて映っています。(独り言)吉田さんって、こんなに可愛い人だったんだ !
吉田さんの迷惑顧みず、きょうはクリスマス・イヴだから、特別にもう一枚奮発しちゃえ !(笑)
これはフォレスタとは別の最近のコンサートで共演した、お二人との画像です。吉田さん、お二人を「美人の」と形容しておられます。しかしまたまた私が思うに、真ん中の吉田さんが一番の「美人」でしょ。その上本当に「華」があります。
吉田さんの合わせた両手、「みんなハッピーになりますように☆」という、さりげないメッセージのようです。
励まし、癒し、なごみ・・・。吉田静の「音楽の力&笑顔の力」は凄い !
度々『ビタミンCちゃん日記』にお邪魔しながら、的外れかもしれませんが、今年は吉田さんにとって少し「試練の年」だったのかな?などと感じました。生まれて初めて大切な声が出なくなるなど。しかしそれが厄落しとなったのか、それ以後何か吹っ切れたように感じられ、何よりです。
吉田静さんの一ファンとして、来年のさらなるご活躍を期待したいものです。とは言っても、プレッシャーには感じないでくださいね。自然体の「笑顔ピカピカのしぃちゃん」をお見せくださればそれで十分です。
(大場光太郎・記)
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『「赤い鳥運動」について』
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