« アルジェリア人質事件はなぜ起きたのか | トップページ | 黒い森のマイスター »

あの素晴しいバブルをもう一度?

 -この検索フレーズに込められているのは、強い願望か?強烈な皮肉か?-

 当ブログをご訪問くださるパターンはさまざまです。トップページやある特定の記事を「お気に入り」に入れて定期的に訪問くださる方、それとは対象的にどこかのサイト経由で「通りすがり」で訪問された方・・・。
 そんな中で多いのが、「検索フレーズ」によってトップ面や特定記事を訪問されるケースです。(検索フレーズの多かったものは、翌日トップ面左サイトに「検索フレーズランキング」として表示される。)

 その中には、私自身それまで知らなかった貴重な新情報が含まれていたり、「これは違うでしょ」というようなものや、思わず「クッ、クッ」と笑ってしまう面白いフレーズや、たまには「こんなので来ないでよォ」と思うようなえげつないものがあったりします。

 検索フレーズは厳密に言えば、検索によりブログを訪問された方の個人情報、ということになるのかもしれません。しかし『それによって、その人が特定されるわけでもないんだし・・・』と、私はこれまで何度も『これは !』と思うフレーズを記事の中で使わせていただきました。個人情報セーフゾーンを少し広く取り、かつ記事になりそうなものを鵜の目鷹の目(?)で探している私は、「記事ネタ」になりそうなものについ乗ってしまいがちなのです。
 (これからしっかり記録しておいて、えりすぐりのものを『検索フレーズ傑作集』として公開すれば面白いかもしれません。)

 と、前置きが長くなりましたがー。
 何日か前、またまた記事ネタになりそうな秀逸な検索フレーズを見つけました。それが本記事のタイトルとした、「あの素晴しいバブルをもう一度」というフレーズです。
 私と同じ「団塊の世代」前後の方なら、これが何のパロディかすぐにピンとくるはずです。元は、昭和40年代半ば過ぎ頃大ヒットしたフォークソング『あの素晴しい愛をもう一度』(作詞:北山修、作曲:加藤和彦)ですよね。杉田二郎の『戦争を知らない子供たち』などとともに、当時若者たちの間で好んで歌われました。

 それに「あの素晴しいバブル」を体験されたと考えれば、このフレーズで訪問された方はほぼ私などと同世代の人と考えてよさそうです。
 しかしはたと考えさせられるのは、「この人は何の目的で、このフレーズで検索しようとしたのだろう?」ということです。
 まったく違う二つの見方をすることができそうです。

 一つは、この人はバブル全盛期にうんと良い思いをした、それで現下しきりに喧伝されている安倍政権主導のアベノミクスに「夢よもう一度」という強い期待を寄せている、という見方です。

 そうするとこの人はバブル以前からのいっぱしの個人投資家で、バブル期は信じられないくらい儲けた人とも考えられます。私などは当時カヤの外でしたが、その渦中にいた人にとっては“旨い汁”をたっぷり吸えたようです。最近の『「出世街道」-畠山みどりのド根性人生』で紹介しましたように、歌手の畠山さんも株の投資に熱中し45億円もの資産になったというのです。

 しかし熱中し儲けた人ほど、バブル崩壊後は地獄を見ることになります。
 畠山みどりさんの場合は、わずか3カ月ほど後には逆に35億円の借金が残ってしまったのです。これほど極端ではないとしても、後で身近なところでも、何千万円、何億円損した、会社を潰した、というような話をずい分耳にしました。

 ですからこの人も、バブルがはじけたことでバブル期の儲けは一気に吹っ飛び、それのみかその後の「失われた20年」の間さんざんな目に遭ってきた、その損失を補填するには安倍政権に、株価1万円ちょぼちょぼなどとケチくさいことではなく、ド~ンと3万円くらいの「素晴しいバブルをもう一度」起こしてもらわなければならない、というわけです。
 今度バブルが来ても、既に学習済みだから前のようなヘマはしない、ということなのでしょうか。

 もう一つはそれとは真反対な見方です。「あの素晴しいバブルをもう一度」は、皮肉たっぶりなパロディなのではないだろうか?ということです。

 とにかく平成に入って間もなくのバブル期は異常な狂乱状態でした。
 確か三菱系の会社だったかが当時、「アメリカの象徴」と言われたロックフェラー「666」センタービルを買収したり、日本の資産をもってすれば米合衆国そのものを手に入れるのも造作ない、などと豪語する(対米隷属が明らかになった今となってはドアホな)識者までいました。

 これは身近な不動産屋さんから聞いた話ですが、ある銀行は、とても開発にかけられない従って建物が立たないような川側の崖地にまで、頼みもしないのに何千万円もをポンと融資してくれたそうです。
 そんなメチャクチャな事をしておいて、いざバブルがはじけた途端手のひら返しで「貸し渋り」「貸しはがし」に転じたことはご案内のとおりです。この冷酷さが「銀行屋」の正体なのです。

 それでなくても、バブル崩壊によって失われた日本資産は約五百兆円と言われています。つまりはこれがまるごと「バブル(泡)」だったんだ、と言われてしまえばそれまでですが、それにしても途方もない金額です。
 どれだけ途方もないものか。例えば、大正12年の関東大震災の被害総額は現在価格で約五十兆円と言われています。つまりバブル崩壊による我が国の経済損失は、同時多発的に十ヶ所で関東大震災が起きたのに匹敵するのです。

 もしこの人がこの検索フレーズにたっぷり皮肉を込めたのだとしたら、以上のようなバブルの実態を冷静に見極めている人なのでしょう。

  
 (大場光太郎・記)

関連記事
『公共事業と金融緩和で日本経済は良くなるか』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-2490.html
『「出世街道」畠山みどりのド根性人生』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-1159.html
『ロックフェラー・センターのこと』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-33d1.html

|

« アルジェリア人質事件はなぜ起きたのか | トップページ | 黒い森のマイスター »

時事問題」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。