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どうなっちゃったんだ、山形大学

 -出身県の大学の不祥事から、この国の深刻な病根を思わずにはおられない-

 山形大学は、私の出身県である山形県にある国立大学です。私が郷里にいた昭和40年代前半頃は、東大・京大など旧帝大系は「国立一期校」、山形大学など多くの県の国立大は「国立二期校」と呼ばれて区別されていました。
 それでも国立大学には違いなく、当時は今と違ってあっちにもこっちにも大学がある状況ではなく、「山形大学生」というと地元の誰もが一目置く存在でした。

 今回私の出身県内とは言え、なぜ東北のローカル大学を取り上げるのかと言いますと、少し前の『日刊ゲンダイ』の「話題の焦点」というコラムに、山形大学の話題が載っていたからです。
 それも良い話題ではなく、最初の大見出しが「6人目の逮捕者」とあるとおり、不名誉な出来事が続いているためです。

 以下に『日刊ゲンダイ』記事を転載しますが、内容を読むと「山形大学、ホントにどうなっちゃったんだ?」と思うような体たらくぶりです。

 原因として、現学長の大学運営上の問題もありそうです。しかし私はそれだけではなく、と言うよりひとり山形大学のみならず、このような問題はすべての国公立大学、その他のどこの大学ででも起こり得るのではないだろうか、と考えます。
 深く病根に蝕まれているこの社会、システム全体、国民全体が劣化しているこの国の、一つの表出例なのではないだろうか、と。  (大場光太郎・記)

                        *
6人目の逮捕者 山形大で何が起きているのか

明石康も輩出

 学生の逮捕者はついに6人目だ。1月31日に男子学生が窃盗で捕まった。今月1日には別の男子学生が公然わいせつ罪で逮捕されている。教職員らも含めると逮捕、摘発は11人。元国連事務次長の明石康氏(旧制山形高校から東大)を輩出した山形大が異常事態に見舞われてる。

 大学側はHP上での注意喚起のほか、昨年末には、学生にも直接指導していたようだが、効果はなかったらしい。
 同校の広報担当者は、「過去5年、学生の逮捕は年に1~2人でしたが、今年度は6人。外部の専門家も入れて原因などを調べたい」と言うが、そもそも、例年1~2人の逮捕者が出ていたこと自体、驚きだ。

 同大は医、工、理、農、人文、地域教育文化の6学部ある国立大だ。大手予備校の代ゼミによれば、偏差値は医学部が60、人文学部が57、工学部が48となっている。大学通信のゼネラルマネージャー・安田賢治氏がこう言う。
 「典型的な地方大で、医学部の医学科を除けば難関ではない。学生は、地元進学校の出身者が中心です」

 フジテレビの武田祐子アナや、「幽☆遊☆白書」などで知られる漫画家の富樫義博、ロックミュージシャンの遠藤ミチロウ、作家の藤沢周平(山形師範学校)なども卒業生だ。

 実は、結城章夫学長は、“大学業界”の有名人。東大卒のキャリア官僚で、05年には旧科技庁出身者として初めて文部科学事務次官に就任、07年に退任し現職となった。当時母天下りとの批判もあったが、「地域と連携し、先進的な改革をしている、ヤリ手のイメージが強いです」(安田氏)と意外にも評価は高い。

 07年12月には朝日新聞のインタビューで「山形大は教養教育で勝負しようと思っています。教養教育の充実には、カリキュラムを変え、先生の考え方を『学生中心』に変えないといけない」と語っていた。だが、その結果が逮捕者続出を招いたとすれば、方向転換が必要になりそうだ。  (転載終わり)

【蛇足の一言】
 結城学長は、山形東高校、東大工学部を経た元キャリア官僚のようです。文科省事務次官まで務めたエリート官僚だったわけです。で、そういうお人に学校経営を委ねると、このような結果です。翻って、隣県の秋田国際教養大学を急成長させている学長は民間出身です。
 今この国は事実上「官主主義国家」です。官僚が国家の根幹を押さえ、国を牛耳り、国民の首根っこを抑えている状況なのです。一大学の経営ですらロクな成果を上げられないエリート官僚に、国家経営の要(かなめ)を抑えられていていいのでしょうか。

転載元
『日刊ゲンダイ』-「話題の焦点」(2月11日5面)

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コメント

ご心配頂き全県民になりかわりまして深謝もうしあげます。
米沢にある山大工学部の有機EL開発や、全国でも最新鋭の重粒子がん治療機を東北でも初めて導入するなど、それなりの優れた実績は維持しているようですが、いかんせん、時遊人さんのご指摘の件や、かずかずの不評をかっていることは確かです。

やはり、国立大学法人の大学経営機構の改革の弊害が出たのでしょうか? 前学長の仙道富士朗氏(小生も会員のー山形草木塔ネットワーク会長)の時より、どうも、学労との組織対立かなんかで現学長さんは、責任問題を云々されかねません。やはり、何事も叡智を働かせて、真に学生の将来を考慮した、学長さんや周りの教授陣の師弟愛に期待したいです。

投稿: hanasaka,j | 2013年2月25日 (月) 18時20分

 どうもありがとうございます。
 山形大学は当家の事情が許していたら、私も進学していたかもしれません。実際中学3年時、中学時代の恩師から「山大を目指して頑張れ」と言われました。ご多分に漏れず長井高校の進学先として昔から一番多いのが山形大学で、平成23年度は「25人」となっています。そんなことでつい気になるのです。
 それにしてもこれだけ不祥事続きということは、ヤリ手という結城学長の運営方針に根本的な欠陥があるはずです。個人的に優秀な人であるのは認めるとしても、長年染み付いた「官僚思考」の弊害なのではないでしょうか。
 学長交替などの思いきった改革を断行して、次は「誉れある山形大学」の全国ニュースを聞きたいものです。

投稿: 時遊人 | 2013年2月25日 (月) 19時11分

『長年染み付いた官僚思考』謂いえて妙なる表現ですね。
それと、若者に借金を残してまでも、交付金をジャブジャブ流して天下りの利権をむさぼる中央集権的官僚制度の疲弊そのものではないでしょうか?

正に、同じ穴のむじなと申したくなるTPPの反対勢力にも困ったものです。 農業こそ草木国土悉皆成仏的国の根幹というならば、われわれの先祖が幕政や、宮さん宮さんの勢力に屈してまでも、やまやまを耕して築いた理想郷を荒廃させ、変形してきた農業政策をもとにもどして、山形の果物や、棚田の沢の花などの原種を世界に高価に分け与えられる実態を勉強すべきだと存じます。 ぜひあの時代の豊かな蛍の里をルネサンスさせるべく正直者のブログで時をお遊びくださいませ。 敬伯

投稿: hanasaka,j | 2013年2月25日 (月) 22時06分

 「失われた20年+α」を見ても分かるとおり、官僚制度はもうこの時代に対応できません。戦後日本の官僚群をのさばらせ、つけ上がらせてきたのが旧自民党です。「政官業」癒着の結果が膨大な国家財政赤字です。4年前、だから多くの国民は「自民党ノー」と言って、「政治主導」「脱官僚」の民主党に入れたのです。
 その結果が、政権交代の立役者小沢一郎への、「米官業政電」という巨大な旧勢力総攻撃による「小沢潰し」「民主党潰し」です。
 今回の安倍自民党政権誕生は、旧勢力総協力によるものです。真っ先に改革しなければならないはずの亡国「政官業」ゾンビ勢力が以前にも増して復活しちゃったのです。マスコミは安倍政権にとって都合の悪いことは一切報道しないのだし、そりゃ世の中少しは良くなったように、国民だって錯覚してします。しかし実態は4年前以上にヒドくなっているわけです。
 TPPだって、「賛成、反対」以前の問題として、しょせん「米官業政電」の手の平の上に乗せられている話でしょう。そういう根本的なことへの洞察がないといけないと思いますね。
 昔「天産自給の原点に還れ」と力説していた人がいました。「天からの賜りもの」である農業は、基本的に「経済ベースに乗せてはいけない」と思います。

投稿: 時遊人 | 2013年2月25日 (月) 23時57分

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