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ご難続きの歌舞伎界、原因は「歌舞伎座の呪い」?

 -後ろの29階のタワービルが象徴的、原因は利益第一主義にあるのでは?-

 最近の『市川団十郎さん逝去』記事では、最近の歌舞伎界が見舞われている不幸の原因を、2010年11月の市川海老蔵暴行事件がケチのつき始めか?としました。しかし少し“内部事情”を探ってみますと、どうもそうではなく、むしろ海老蔵も被害者である構図が見えてきます。

 今回の市川団十郎、昨年12月の中村勘三郎逝去以前から、歌舞伎界を襲う不幸をめぐって、ネットの2ちゃんねるでは「あること」が囁かれていました。あることとは、ズバリ「歌舞伎座の呪い」です。どういうことなのでしょう。順を追って見ていきましょう。

 「歌舞伎座」とは、東京都中央区銀座四丁目にある歌舞伎専用の劇場(及び企業)のことです。1951年1月開場した従前の第四期歌舞伎座は、老朽化や耐震性などの問題があったため2010年4月30日に閉場し、代わって現在同敷地に第五期となる新歌舞伎座を建設中なのです。
 その「こけら落とし」(完成公演)が今年の4月2日で、これを待たずに逝去した市川団十郎はさぞ無念だっただろう、という関係者の話を前記事で紹介しました。

 さて問題の「歌舞伎座の呪い」。これは旧歌舞伎座の取り壊しと新歌舞伎座建設にまつわるもので、例えば「芝居の神様の祟り」が噂されているのです。しかし梨園(歌舞伎界)はそれを単なる与太話として済まされないほど、ご難続きです。
 もう一度時系列的に列挙してみましょう。

 2010年4月  旧歌舞伎座閉場
 同年  11月  市川海老蔵暴行事件
 2011年1月  中村富三郎死去
 同年  11月  中村芝翫死去
 2012年2月  中村雀右衛門死去
 同年   8月  市川染五郎転落事故
 同年  11月  市川段四郎、片岡仁左衛門体調不良
 同年  12月  中村勘三郎死去
 2013年2月  市川団十郎死去

 お亡くなりになった5人は、言うまでもなく歌舞伎界の大名跡です。特に中村芝翫氏は(財)日本俳優協会会長として、「新しい歌舞伎座の外観図発表に際して」というメッセージを寄せています。これほど短期間のうちに重鎮が相次いで世を去るものか。これでは通常の世の習いを超えた「呪い」を考えたくもなるというものです。

 肝心の新歌舞伎座の外観はどんなものなのでしょう。完成予想画像を掲げます。

 晴海通りに面している、手前の低層の時代がかった建物(和風桃山様式)が歌舞伎座の本体であることは分かります。しかし後ろの威圧するようなウザったいノッポビル、ありゃ何だ?実はビジネスエントランス、昭和通りに面したこの高層タワーも含めて「新歌舞伎座」なのです。
 施主:松竹&歌舞伎座。設計:三菱地所設計&隈研吾建築都市設計事務所。施工:清水建設。
 階数:地上29階、地下4階。高さ:145m。延べ床面積:9万4097㎡。

 「後ろにあんなビルが建っちゃって。これじゃあ芝居の神様も降りてこられないよな」とは市川海老蔵が洩らしたという感想です。ピンポ~ン。これは正論、まさにそのとおり。海老蔵さん、言う時は言うんだねぇ。
 かつて劇場脇に祀られていた「歌舞伎稲荷」の上にこんなノッポビルが建ったんじゃあ、ビルが邪魔してお社(やしろ)に降りられず神様が怒っている、というわけです。

 「芝居の神様云々」は別としても、風水的に見てもまずいでしょ、これは。周辺の「気の流れ」を乱し、遮断してしまいます。

 それ以外にも、2ちゃんねるではさまざまな憶測的物言いがされています。主なものは以下のような具合です。

 ○歌舞伎座建て替えの際、地下に埋めてあった「要石(かなめいし)」を取り除いてしまったのが原因だろう。
 ○自分は霊能があるが、建て替えの時にイチョウの木を伐ったようだ。このイチョウの木は歌舞伎座を守っていたのだ。それをバッサリ伐られたイチョウの木の怨念が渦巻いている。きちんと供養しないと悪いことがまだまだ続くよ。
 ○こけら落としは4月2日、「しにの日」だぞ。縁起悪すぎね?

 そして極めつけがこの人、美輪明宏さんです。1月13日のあるラジオ番組で「歌舞伎座呪い論争」に参入したというのです。江原啓之氏とともに当今を代表する霊能者の見立てはこうです。
 「近代的なビルに建て替えて、表だけ歌舞伎座の形をしていてもダメ。
  とにかく苛められた端役(はやく)の人やお二階さんやスタッフの
  慰霊碑を作りなさい。」

 さすがは私も日頃敬愛してやまない美輪さん、正鵠を得た指摘です。
 しかしどの呪いによるものなのか、あるいは複合的な呪いなのか、はたまた相次ぐ不幸事は単なる偶然なのか。私などはさっぱり分かりません。ただもうこれ以上、歌舞伎界の暗いニュースを聞くことなく、無事こけら落としを済ませていただきたいものです。

 (大場光太郎・記)

参考
『日刊ゲンダイ』(2月7日号7面)-「新装歌舞伎座オカルト論争の真贋」
歌舞伎座サイト『新歌舞伎座立替え計画』(中村芝翫氏らのメッセージや新歌舞伎座紹介動画あり)
http://www.kabuki-za.co.jp/rebuild/about.html
関連記事
『市川団十郎さん逝去』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-7b4a.html

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コメント

あれから数年経ちました。今度は中村獅童さんがまさかのご病気に…。なぜ慰霊碑を作らないのでしょうか?もしや、日本の文化を絶やそうとする存在がいて、役者を根絶やしにでもするつもりなのだろうか…とまで考えてしまいます。

投稿: みき | 2017年5月18日 (木) 19時13分

みき様

 コメントありがとうございます。

 そうですね。「歌舞伎座の呪い」が最初に囁かれてから数年経ってしまいました。その後も、関係者が続々災難に見舞われています。そして私は知りませんでしたが、今度は中村獅童まで?やはり「呪い」でしょうね。相当深刻な、何かこちらの世界からはうかがい知れない、見えざる世界へのタブーを歌舞伎界全体が侵したということなのではないでしょうか。小林真央さんのように、本来無関係な人でも歌舞伎界と縁を持ったがゆえに難病で苦しめられる、恐いですよね。日本の重要な伝統文化が絶えることのないよう、一日も早く原因が究明される事を祈るばかりです。

投稿: 時遊人 | 2017年5月19日 (金) 01時49分

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