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「私学の雄」早稲田大学の凋落(1)

 -ライバルの慶大と比して各指標で遅れをとっており、「再逆転はない」と言う-

 早稲田大学(以下「早大」)と言えば「私学の雄」。長らく全国の高校生にとっての憧れであり、腕に覚えのある受験生にとっての目標であり続けてきた「ブランド大学」です。

 しかしたとえば、人気企業の採用数ではライバルの慶応大学(以下「慶大」)に圧倒されるなど、最近早大の凋落が止まらないというのです。大学の序列は大きく崩れ、もはや私学の雄という呼び名は早大には似合わなくなってきているようです。

 おそらく創立者の大隈重信が泉下で嘆いているであろうような早大の凋落ぶり、その現状を少し見ていきたいと思います。

 一昔前まで、早大のイメージは「自由な校風」「質実剛健」などでした。今ざっと思いつくだけでも、寺山修司(中退)、野坂昭如(中退)、筑紫哲也、田原総一朗、久米宏などなど。多士済々な人材を輩出しています。しかし今はどうか。
 「慶大生はゴキブリなのです」。ある企業の人事担当者が、某ノンフィクション作家氏にそう語ったといいます。これは悪い言葉ではなくむしろ褒め言葉なのです。つまり慶大生は「ガッツがあってへこたれない」というのです。早大生に比してどこかひ弱で「おぼっちゃん」的イメージのあった慶大生ですが、今や早大のお株を奪ってしまった感じです。

 人事担当者はさらに踏み込んで以下の趣旨のことを語っています。
 まず同程度の偏差値で入学したはずの早大生は、優秀な学生と悪い学生の差がはっきりしていると言います。ところが慶大生は優秀な人材しかいないと言い切っているのです。採用担当者はバランスを考え、意図的に多くの慶大生をふるい落とすのですが、それでも最終的に慶大生が“ゴキブリのように”残ってくると言うのです。気がつけば、採用候補者は慶大生ばかりという現象が多々起こるそうです。
 
 どうしてこんな逆転現象が起きてしまったのでしょうか?
 就職活動を取ってみるとー。早大でも学生の就職支援を怠っているわけではなく、むしろ就職課職員は学生が1年次から手取り足取り支援を行っているといいます。だが、この過保護方針によって逆に自助努力を妨げ、学生を甘やかすまことになっているのです。
 一方慶大は就職ガイダンスの類いをほとんど開かず、学生は自分で考えて行動するしかなく、おのずと独立心が芽生えるわけです。自然と「質実剛健の気風」が慶大生の間に浸透していくのです。

 そもそも慶大と早大では、入試問題からして学生に求める理念が違うといいます。
 早大の入試問題はオーソドックスで、予備校でしっかり勉強すれば都会のもやしっ子でも受かるレベル。対して慶大は、今年の総合政策学部の入試で数独を出題したように、受験テクニックだけでは歯が立たないのです。
 いわば「早大は凡人の頂点を探し、慶大は玉石混交の中から天才を育てようとしている」わけです。
 以上のように分析している某大学教授は、「これほど大学の哲学が違ってしまっていては、早稲田が慶応に圧倒されるのも当然なのです」と結んでいます。

 早大の凋落は、11年度採用人数からも明らかです。
 学生数からみて、早大生は慶大生の1.5倍もいます。しかし三菱商事への入社数は慶大49人に対し、早大は半分以下の24人。電通も慶大の35人に対して、早大は21人。IТ、ベンチャーの人気企業もことごとく慶大生に侵食され、体育会系のリクルートでさえ、慶大23人に対して早大は18人しかいないのです。

 慶大は元々「経済学部」が看板です。ビジネスマン養成所的な色彩があるのですから、銀行、商社を中心に大企業の採用が多くて当然との意見もあります。一方の早大は法学、文学、マスコミ系には絶対的な優位性を保ってきました。
 しかし、実は早大はここでも慶大の後塵を拝しているのです。昨年の新司法試験合格者数は、慶大186人(中央大、東大に次いで3位)に対し、早大は155人(4位)。公認会計士試験合格者数でも、慶大210人(1位)に対し、早大は169人(2位)。資格取得まで負けているのです。

 残念ながら、「早大がこの先、慶大と肩を並べる日は来ないかもしれない」とみられてます。「♪都の西北 早稲田の森」の私学の雄がどうしてこうも凋落したのでしょうか?
 次回もう少し探ってみたいと思います。

 (大場光太郎・記)

参考・引用
『日刊ゲンダイ』(2月27日号9面)「早稲田の凋落が止まらない 上」

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コメント

早稲田は優秀な人が多くいる

投稿: 名無しa | 2016年11月16日 (水) 00時44分

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