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フォレスタの「月の砂漠」

     (「フォレスタ 月の砂漠(コンサート版)」YouTube動画)
      http://www.youtube.com/watch?v=WOSfDyl3RGo 

   
   名月が涙ぐんでる今年かな   (拙句)

 『月の砂漠』の歌詞は、加藤まさをによって1923年(大正12年)、雑誌『少女倶楽部』(講談社刊)3月号に発表されました。
 加藤まさをは大正から昭和初期に叙情的な挿絵画家として人気を博しましたが、同時に詩人でもありました。だからこの詞も、同雑誌に詩と挿絵一体の作品として発表されたのです。

 加藤の詞に、当時まだ若手の作曲家だった佐々木すぐるが曲をつけたことで、名童謡『月の砂漠』が生まれました。
 当初は児童の音楽教育の中で使われていましたが、1927年(昭和2年)にラジオ放送されたことで評判となり、1932年(昭和7年)に柳井はるみ(後の松島詩子)の歌唱で録音、レコード化され、全国的に普及することになりました。
 この歌は、2007年(平成19年)の「日本の歌百選」の一曲に選定されました。 (以上『ウィキぺディア』を参考)

                        *
 加藤まさをの歌詞は、全体的に得も言われぬファンタジーを感じさせます。
 1番から4番に進むにつれて、さながら一編の小童話のように、王子様とお姫様の遠い異国の砂漠行の全体像が明らかになっていきます。らくだに乗って旅する二人の上の「朧にけぶる」月が、この歌詞に豊かな詩的効果をもたらしていると思います。

 大変優れた歌詞なので本当は細かく注釈をつけたいところですが、切りがありませんので、2番のフレーズの私流の解釈をー。

 「金の鞍には銀の甕  銀の鞍には金の甕」
 のちの3番で、金の鞍に乗っているのは「王子様」、銀の鞍に乗っているのは「お姫様」であることが明かされます。 
 ここで象徴学的に言えば、「金」とは男性性、父性、父神性を表わし、「銀」とは女性性、母性、母神性を表わします。だから、作詞した加藤まさをはさほど自覚なしでこのフレーズを作ったのかもしれませんが、象徴的意味合いとピタリ符合するのです。

 続く、二つの甕がそれぞれに紐で結んであった、というフレーズにも注目です。
 つまりこれは、王子様とお姫様は二人とも、「内なる男性性と女性性を統合し終えている」と読めるのです。これは凄いことです。

 ユング心理学以降、身体的に男性であろうと女性であろうと、人間は内に「男性性と女性性をともに有している」と唱えられていますが、通常人は内なる男性性と女性性がしっくり調和統合できていません。心の中で葛藤を感じる時は、男性性と女性性が戦っている状態と言えるのです。
 「外は内なるものの鏡」ですから、それが不都合な対人関係や出来事となって現われてしまうわけです。

 今この時は、有史以来抑圧されて来た「女性性復活」「女神復活」の時であり、各人の「内なる男性性と女性性の統合」の時でもあるようです。とは言っても、女性上位、肉食女子奨励という話ではなく、「五対五」のパランスです、調和です。
 多くの人がこれを逹成すると、すべての「戦い」は止み、世界はたちどころに平和になり「地上天国」が実現するそうです。(以上、未熟者がエラそうなことを述べて大変失礼致しました。)

 ともあれ、この王子様とお姫様はツインフレームのように理想的なカップルと言えそうです。今の砂漠の道行きも、その先もずっと心安らかで、泉のように喜びが溢れ、幸せであり続けることでしょう。 

                        *
 本当は初代女声による元祖『フォレスタ 月の砂漠』を掲げ、コメントしたいところでした。しかし現在動画アップされていないため、『仕方ないか・・・』と思って「コンサート版」(2011年のスペシャルコンサート大阪)を採用したのです。
 それがどうでしょう。本式に聴いてみますと、元祖「スタジオ収録版」に勝るとも劣らない素睛しさではありませんか。
 
 出演女声の構成は、(観客席から見て左から)中安千晶さん、矢野聡子さん、白石佐和子さん、小笠原優子さん、吉田静さんという、今や「伝説の」(?)5人の女声です。
 そして嬉しいことに、衣裳は私がお気に入りの「左肩脱ぎ」のドレスではありませんか。『津軽のふるさと』で述べたことを繰り返しますが、この衣裳の時の皆さん、エレガントで、お綺麗で、淑(しと)やかなレディぶりです。

 小笠原優子さんの1番独唱からコーラス曲『月の砂漠』は始まります。
 スタジオ収録と違ってコンサートの場合は会場に大勢の人たちがつめかけているわけですから、そんな中最初に歌うのはいくらプロでも緊張するものなのではないでしょうか?しかし小笠原さんは難なくクリアーし、佘裕で歌っておられ、次の吉田さんにうまくバ卜ンタッチされたようです。
 切得力ある歌唱に加えて、顔を左右に振りながらの会場の人たちへのさり気ない気配りに、小笠原さんのお人柄がしのばれます。
 また小笠原さんの、「東北人離れした」洗練された美しさには魅了されてしまいます。

 上の文で私が勝手な解釈を試みた2番独唱は吉田静さんです。
 『そんな独断と偏見説など知るもんですか』とばかりに軽くいなして(笑)、このフレーズを吉田さんご自身のイメージでしっかり組み立てて、伸び伸びと歌っておられるようです。
 ところで『6.8ヒロセ財団奨学金授与式コンサート』、「お気に入り」に入れて時折り聴かせていただいてます。凄い『津軽のふるさと』ですね。ソロ活動なのでどうかな、と遠慮していますが、いずれ記事にしたいと思います。もし風の便りでこのことお知りになりましたら、あしからずご了承ください。

 3番独唱は矢野聡子さんです。
 矢野さん独特の高い声は、コーラス自体を変調させる効果があるようです。実際ここで音階が少し上ったのでしょうか?でもそういうことより、矢野さんはコーラスを一気に「メルヘン調」に変えてしまう、そういう不思議な声質であるように思われるのです。
 3番はいよいよ王子様とお姫様登場のこの歌のクライマックスですから、まさにうってつけであるわけです。

 4番独唱は中安千晶さんです。
 中安さんは「平成の童謡の女王」の称号があるくらいですから、この名童謡のラストを飾るにふさわしい人と言えると思います。
 ところで中安さん、最近「ますます綺麗に」なられましたね。これを読んで「クスッ」と来た人はかなりのフォレスタ通です。「フォレスタ検定1.5級」と認定します(笑)。このナゾナゾの種明しは、中安さんがメーンの歌の時にとさせていただきます。

 コンサートなどでは不動の中央のポジションを占めておられる白石佐和子さん、このコーラスでは他の4女声の引き立て役でしたね。どうもお疲れ様でした。
 またピアノの吉野翠さんの演奏、いつもながらに素睛しいです。
 ステージ上のフォレスタメンバーと会場の人たちが一体となったような、臨場感溢れる『月の砂漠』を聴かせていただきました。 

ー中秋の名月に    (大場光太郞・記)

関連記事
『フォレスタの「津軽のふるさと」』
http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-c23c.html

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コメント

 博学なブログを 楽しみに拝見しております。

ブログに関するコメントではないのですが、ご了承下さい。

任天堂のゲーム「The Wonderful 101]の主題歌をフォレスタ男声
が、歌っています。

事柄は理解出来ますが、ゲームとは無縁なので、聞く術がありません


ある方のブログに載っておりましたので、確めました。
ウイキペディアの「FORESYA」の項目に有りました

「泣くのは勝利の後でいい。君が笑ってからでいい」何とも
恰好よくて、フォレスタに お似合いだと思います。

場所も弁えず、失礼致しました。

投稿: はるこ | 2013年9月20日 (金) 10時14分

はるこ様
 貴重な情報ありがとうございました。
 そうですか、男声フォレスタがゲームソフトの主題歌を。男声フォレスタファンのはるこ様としては、嬉しい限りですね。
どんな歐声なのか聴いてみたくなりますね。
 フォレスタの、よりメジャーなステージ目指して着実な歩みが感じられるニュース、大変ありがとうございました。

はるこ様 (追伸)
 どうも申し訳ございません。下記日時にて上の返信作成していたのですが、直後の橫浜に行くための外出に気を取られ、「公開」するのを失念致しておりました。これにこりませず、お気軽にコメントお寄せください。

投稿: 時遊人 | 2013年9月20日 (金) 12時15分

又 お邪魔致します。

ゲームの主題歌が YouTubeで聞ける事が解りました。

私は フォレスタは、男声 女声 ピアニスト 全員の大ファン
ですが、私のように女が古くなりますと 所謂 「姑」になります。

言わなくてもいい事を チョロット 口にしたくなりますので~~。

言葉にするのは 「男声」と決めております。大昔に「伴奏担当」
でしたので、ピアノが舞台に現れた時は ピアニストばかりが
気になります。

様々な歌を クラシックの 高い歌唱力で歌いあげて、見事です。

要領を得ない詰まらないコメントで お恥ずかしい限りです。

「姑」に免じて 悪しからずお許し下さい。

投稿: はるこ | 2013年9月22日 (日) 09時06分

はるこ様
 またまた貴重な情報大変ありがとうございます。
 私も早速男声フォレスタによる、「The Wonderful 101]の主題歌の動画聴いてみました。勇壮で素晴しいコーラスですね。
切角ですから、この件、近々に記事として紹介させていただきたいと思います。どうぞご了承ください。
 またはるこ様が、ビアニストも含めた全方位のフォレスタファンでいらっしゃることを、あらためて認識させていただきました。ありがとうございました。

投稿: 時遊人 | 2013年9月22日 (日) 16時47分

初めまして(゚ー゚)

フォレスタの「月の沙漠」がyoutubeにありましたよ。
題名やサムネイルは違いますが、下のURLです。
http://www.youtube.com/watch?v=HO5btf61rls

最初に流れるのが「月の沙漠」で2つ目が「浜千鳥」です。

投稿: hskjik | 2013年9月24日 (火) 19時51分

hskjik様
 貴重な「月の沙漠」動画情報、大変ありがとうございます。
 初代女声版『月の沙漠』あったんですね ! ご掲示いただいたURLから入り、早速聴いてみました。いやあ、さすが元祖『フォレスタ月の沙漠』、皆さんしっとり歌い込んでいて、しみじみと哀切な感じが伝わる歌唱、いいですね。『浜千鳥』と同じ日の収録だったようですね。
 ところで、『七里ヶ浜の哀歌』以来hskjik様ご提供のフォレスタ動画、瀕繁に聴かせていただいております。他にもフォレスタ動画愛好の方々は多いかと思いますが、皆さんになりかわりまして篤く御札申し上げます。
 今後とも、素晴しいフォレスタ曲アップのほどよろしくお願い申し上げます。

投稿: 時遊人 | 2013年9月25日 (水) 00時43分

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